トンビ
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トンビ



しばらく
海でジャブジャブしたあと
砂の上に倒れて本を開く
大地から垂直に視線を伸ばすと
まず文字の黒
紙の白
パラソルの赤
パラソルの緑
パラソルの黄
そしてひろがる夏の空の青
はるかかなたに一点の黒

今日で休暇が終わる
外していた秒針を取りつけ
ベランダの無彩色の靴下を取りこみ
寝ついた子を起こさねばならぬ
ねばならぬ
ねばならぬ

ぼくらの領域外を
ゆうゆう旋回する
一点の黒
トンビ。


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