落 ち る 葉
木の枝から葉がなくなった
葉の向こうの景色がみえる
そこでも木から葉がヒラヒラと落ちていく
青い冬の空と
高いビル
まるみえの風景の
屋上の高架タンク
ずっと向こうまで冬なのだ
「ユリ」という映画と
「ハッピー・エバー・アフター」という歌
「管(くだ)」という名詞と
「世田谷の劇場」というパンフレット
四つを冬の空にバラまいて
ぼくの血の速さをさぐりに行く
昼の気温で
窓の外をみている
(憎んでいない)と思う
まぶしい冬の空
憎んでいない
別れようとしていない
ぼくは地上の単純な温度に
これから
出かける
初出誌 「独合点」59号 2001年2月発行