わ る い 夢



わるい夢をいっぱいみて
ぼくは回復した
一ヶ月半の苦役のあいだ
寝不足のため
顔は腫(は)れ
目はいつも赤く、歯ぎしりのためホオはゆがんでいたが
ぼくはながい一本の道を
歩き終えて
階段のある五階の部屋へとはいりこんだ
ながいわるい夢は終わったのだ
二〇〇四年六月 一本のたばこのケムリは舞い上がり
吐く息は長く
この街の空は
苦痛のためにゆがんでいたが
空と、
時間はぼくの内部を流れ、
すぎて、
ながいわるい夢のあと
ぼくは階段をあがり
そして
さめた。





初出 「中國新聞」朝刊 2004年6月7日掲載