エ ッ ク ス ・ デ ー
髪を思いっきり短く切って下さい
と言って
まる味をつけた感じにして下さい
とも言った
行きつけの理髪店の二ヶ月に一度の散髪
ヤクザのようでも
自衛隊の隊員のようでも
フリーターのようにもみえる
もうすることもない
三月の
金曜日の二時
(ひさしぶりの休み)
鏡の前で チラッと見て
立ち上がる
十字路で
まだ冬で
風が髪にしみる
することはない
この街に暮らすことに決めたし
眼の奥が痛みだす夕ぐれもない
Xデーという名の漫画が本棚にあって
ずっと背表紙をみていない
みていない
Xデーはぼくにもやってきて
やってきたことすべてがまちがっていると思った
平穏に日々が過ぎることを祈って
物語から落ちる
ぼくの歩行は街の歩行と合っている
はみ出していくものはないはずだ
眼だけが
何一〇〇〇もの
眼だけが
ライトのように光りだす
これだけは消えない
初出誌 「詩学」6月号 2001年6月発行