Haizara-Cho::Suigara-yama 99[Shinsuke Kirita]

サンタが町にやってきた

今年もサンタクロースが、
やってきた。




一年ぶりですね。
とマスターが言った。
なかなか華やかなようだね。
今年はもう下調べですか。
クリスマスまで、あちこち
見て回りながら、この町のベーカリーで
カメロンパンを食べて過ごすのが楽しみでね。
屋台やバーもできてるようだし。
コスプレのコンテストもやってるんですよ。
それは面白いアイデアだね。




マンスフィールドさんに、
本物のサンタさんみたいですね。
その白髭ポイント高いです。
と言われている。
去年ここでケーキコーナーのバイトをしていた
フローラは思い出したようだ。




デジャから見ていたルビーも、
やってきたサンタが、去年は、
円盤型の「LED付ミラー台座」を
ドルフィンやベーカリーのみんなに
プレゼントしてくれたことを思い出していた。
あれずっと仕舞い込んだままだなあ、
と思い返している。




ピカデリードリーも
サンタの扮装をしてやってきた。
あら随分久しぶりね。
とエトナに言われている。
お仲間、みんな元気？
段ボールハウスで元気にしてるよ。




コンテストやってるって聞いて、
参加賞目当てに
代表で一人が参加することにしたの。
と言っている。




魔術劇場の扉が開いて、
やはりサンタ服の女の子が出てきた。




そこに広場のイルミネーションを
見物にきたサラが通りかかった。




サラは女の子の後から
魔術劇場から出てきた
ハリーに声をかけられた。

ああサラ。
ちょうどいいところで出会った。
実はこの子、コスプレのコンテストに
参加したいっていうんで、
連れ出してきたんだ。
ちょっと訳ありの子でね。
この町は初めてなんで、
案内してあげてもらえないかな。
いいわよ。
家にストーブ入れたところだし、
暖かく過ごせるわよ。
私はサラ。サラサラのサラ。
あなたお名前はなんていうの。




私はメルティ。
どうぞよろしく。
と女の子はいった。


解説）
町ではサンタのコスプレが大流行。
とまではいきませんが、
サンタ尽しの回になりました。

秋の夜は更けて

あのーまた来てみたんですけど。
今空いてますよ。




やがて夜は更けて
ベーカリーも店じまいしている。




ルビーたちは？
椅子片付けたら、
飲みに行くって言ってたよ。




客は入れ替わり立ち替わり
まずまずの入りだったが、
この時間になると誰もいなくなっていた。




そこにベーカリーから
アイスとルビーがやってきた。
こういう場所って、
「赤と黒」以来なんじゃない？
などと言い合っている。




初日はどうだった？
ぼちぼちでんなー。
もしかして疲れてる？




結局CGやイリアたちに
遊び場を作ってあげた
だけってことかしら。
でもそれっていいことよね。
とヴィヴィアンは思っている。




ねえアンジー、
大道芸人増えてるの知ってた？
そうなの？ずっとお店にいたから。
一人歌い手が増えて
デュエットみたいになってるよ。
それは聞きに行かなくちゃ。




なんか重大事件みたいに言ってる。
みんな疲れてるのかなあ。
とゼロは思っている。



解説）
夜の店内の雰囲気を出したかったのですが、
前回はフラッシュを焚いて撮影したので、
ソフトのカラー調整で露出を暗めにしたものの、
あまり昼間と変わらず。
深夜版の今回はフラッシュなしで
撮影してみました。

お祭りの日々 そのさん

レイアはサラたちの部屋を訪ねた。
う。ジェットが怖い顔だ。
と思っている。




スターウォーズに出てくる
レイア姫のコスプレをしたいんだけど、
衣装なんて全然持ってないの。
サラに頼めば何とかなるかなって。
あら、ケイはネクタイ締めちゃって、
どこかへお出かけ？




ケイはアンダーシャツ姿を着替えていた。
もう秋で、涼しくなってきたしね。
それと、
僕はあんまり乗り気じゃなかったんだけど。




ビストロのアルさんに誘われて、
コンテストに応募することにしたんだ。
これでも金城武のコスプレなんだよ。
アルさんが顔が似てればコスプレに見えるっていう
グループで応募しようっていうんで、
これから登録に出かけるところ。
他には誰がいるの？
ジムさんやジャンさんも誘われたみたい。
みんな郊外に住んでるアルさんのお友達ね。




ちょうど白いガーゼの生地があったから、
これで衣装を作ってみるわ。
その髪型も何とかしましょう。
とサラは言った。
レイアは喜んでいる。




部屋を出たケイは広場で
待ち合わせていたアルたちと合流した。
コスプレ登録するためルビーと話している。




全然構いませんが、
みなさんそれ普段着でしょう。
とルビーに言われている。




こういう格好で
俳優が映画に出ているシーンもあるからね。
とアルが言い訳している。




なんかそっくりさんコンテスト
みたいになってきたね。
ハロウィーンのお祭りなんだから、
いろんな楽しみ方をすればいいのよ。



解説）
ケイが着ているのは、
ワイシャツとズボンと靴、
サングラスと腕時計が付属した、
1/6サイズの衣料品セットです。
ネクタイは別。

ミューと探偵の思いつき　そのご

ベーカリー前では、
キューベルワーゲンが
発進しようとしていた。




ハリーに報告しなくちゃ。
とヴィヴィアンが言っている。




ところで、
自分の名前って、
覚えているんですか？

ベスって、呼ばれていた気がしますが、
そうではなかったような気もします。
ベスだとこの子と紛らわしいから、
新しく何か考えたら？
とリタが言った。




ドーベルマンの顔立ちだから、
ドビーなんてどうかしら。
とスーザンが言った。
ドビーって、屋敷しもべ妖精みたいな名前だね。
とアイスが言った。
うーん。わかりました。
これからはドビーと呼んでください。
ところで、あの壁にかかってるの、
なんですか？




ああ、これはね、
ハロウィーン用の蜘蛛の巣の飾り。
なんか雰囲気あるね。
とアイスが言った。




キューベルワーゲンは
発進していった。




あの犬顔の人ですけど。
とヘルミーネが聞いている。
手の部分も犬っぽいんですけど、
あれもコスプレですか。
きっと凝り性なのよ。
とルビーが言った。




そうこうするうちに、
キューベルワーゲンは、
無事ジルの別荘に到着した。




プラネタリウムどうだった？
私は満員で見れませんでしたが、
ヴィヴィアンさんが、
見られたのでよかったです。
じゃあ今度一緒に見に行こう。


解説）
ちらっと出てくる
蜘蛛の巣状の飾り物は、
「ハロウィン　リアルオブジェ　タランチュラ」
という名前のハロウィングッズで、
セリアで購入しました。

夏といえば　そのろく

すてきな場所ね。





ここにくる前、
町でみんなと話していたんだけど、
ジルさんは、エルマさんのために
いくつものこう言う別荘や
今では森林公園になっている
施設を作ったんですってね。
エルマさん、喜んでくれたでしょう？




だとよかったんだけどね。
見にくる前に別れちゃったから。
とジルは言った。




その頃、別荘の部屋では
サラたちが着替えを済ませていた。
いざ出陣、と言っている。




ジルさんとエルマさんが来ているよ。
でもエルマさん、どっか変な感じなんだ。
ドイツ軍士官のコスプレしてるし。

あ、あの人はね。
別人なの。話せば長くなりすぎるから、
今は説明しないけど、双子の片方だと、
おもってたらいいよ。訳は今度話すから。
とサラが言った。




こんにちはジルさん。
エルマさんも、また会えたわね。
サラと、さっそく遊びに来ました。
やあ。僕たちもさっき着いたところだよ。




アシュレイは、シュノーケルをつけると、
勢いよく池に飛び降りた。




ここの水、すごく澄んでいてきれい。
迷いの森の近くで地下水を汲み上げて、
人工の水路で引き込んでるからね。
とジルが言った。




アシュレイはさっそく
シュノーケリングを始めたようだ。


解説）
ようやく水遊びに。

ドラコのお披露目　そのに

ドラコは翼を羽ばたかせて
舞い降りてきた。




みんな注視している。




あ、この子は
ドラコっていいます。
とルビーが言った。




え。まさか。
これ飼ってるんですか。
と拳銃を構えながら
シティポリスは
不審そうに言った。




ええ。
CGからの要請で。
特に危険じゃないので、
銃を収めてお引き取りください。
それとも何か？

アイスは身構えている。




そ、そういうことでしたら、
私たちはこれで。




いいんですか？
いいんですかって、
仕方ないよ。
怖いし。
そうですね。




ドラコは
アンに抱かれて
ダーダーと言っている。




さっきの、
CGからの要請って。
口から出まかせ。




あのダーダーって鳴き声、
何言ってるのか、
ミューやモモコならわかるかも。
ミューはいつも動物たちと話してるし、
モモコもエリコと会話できたし。
とアイスが言った。


解説）
ドラコの危機は
ルビーの咄嗟の対応で、
なんとか回避できたようです。

梅雨入り そのろく

モモコがベンチに座っていると、
小学生がやってきた。




この紫陽花、綺麗だね。




あなた、お名前は？
どこからきたの？
段ボールハウスの小学校に
転校してきたの。
町を探検しているんだ。




鈴木すずって言うんだよ。
すごくよくある名字でしょう。




その頃、ベーカリー前では
アイスが屋根を見上げていた。




リタが脚立に乗っている。




ベーカリーの屋根に
防水シートをかける工事をしているのだった。




これで雨が降っても大丈夫。
こういう準備すると本当に降るかも。




アンジーは特注の冷やし中華を食べていた。
やっぱり健太さんの味最高。




この前のこと父に話したら、
お礼を言いたいから、是非にって。
それで食事会することにしたの。
シェフは、この屋台の
丹下健太さんに頼んだから、
ぜひお友達と同伴で。
とヴィヴィアンが言った。

誘うの上手だね。
それは断れないわ。
とアンジーは言った。


解説）
謎の小学生鈴木すずは、
近所の１００円ショップ、セリアで見つけた
人形用の可動式ボディを使っています。
このボディを使ってみたくて
手持ちのフィギアヘッドに
オビツ製のドールアイを入れて
組み合わせてみました。

5月の雨のち曇りの日

今日は雨。窓から届く
雨音が耳に優しい。




このお菓子なんだろう。




見た目はお萩みたいだね。




でもチョコレート味。
内側の食感はパイみたいで
香ばしい。




ベーカリー前で、
モモコとルビーが話している。

最近、アンの話題で持ちきりだけど、
私はあの魔術劇場、っていうか、
ハリーっていう人に興味があるの。
異世界から来たジョー軍曹が、
こちらの世界ではフィギアだった自分を、
人間の姿にしてくれたって言ってた。




そう。あの人なら、やりかねないね。
私が会った経験から言っても、
かなりの超能力者であるのは間違いない。
そういえば、
あなたも人形や怪物とテレパシーで話せる、
って噂だけど。




私の場合は相手が特別な時だけだよ。
私はふつうの夢見る乙女タイプなの。
劇場がいつ開演するのかわからないけど、
いつかハリーさんに会ってみたいなあ。

最近はたまに屋台の前で見かけるよ。
でも劇場に入りたいんだったら、
夜中にここで待ってるといいかも。
とルビーが言った。




モモコがルビーのアドバイス通り、
ベーカリーの椅子席で待っていると、
夜が更けて。




ようこそ魔術劇場へ。
悩みのある人は入場無料です。
とエヴァが言った。


解説）
謎のお菓子の正体は、
コンビニで買った麦チョコでした。

春たけなわの頃　そのに

今日は魔術劇場の宣伝に、
え、あなたリリスなのね。
変な格好してるから見違えちゃった。
とエヴァはいった。

モモコは、変なのはピエロの格好の
方じゃないの、と思ったが黙っていた。




久しぶりだね。
思いだせないくらい遥か昔以来。




思いだせないくらい遙か昔に、
エヴァとリリスは、
ピエロの人形の好きなコレクターの家で
一緒に飾られていたことがあったのだった。

しかし2体の人形には精霊が宿っていて、
いろいろな悪戯をしたものだから、
怖くなったコレクターはピエロ人形を手放すことにした。
そこでリリスは、高名な人形コレクターだった
マンスフィールドさんに訳あり物件として引き取られ、
エヴァはその騒動の調査に来ていた超常現象の研究家の
ハリーという人物に引き取られた。
そんな経緯で二人は離れ離れになったのだった。




私を引き取ったハリーっていう人は、世間的には
超常現象の研究家っていうことになってるけど、
実際には超能力を備えた魔法使いみたいな人だったの。
なんだか話が見えてきた。とモモコは思った。
彼のおかげで、人形だった私はこの姿になれた。

さっき最初に言ってた魔術劇場ってなに？
とリリスがきいた。
あれはね。基本的にはハリーの想念の世界なんだけど
その世界を想像する人たちの心の世界でもある。
共同で見る夢の世界のようなものかな。
その世界を春の夜の夢のように楽しもう、ってこと。
ジャンさんのジオラマの世界とよく似てるね。
とモモコがリリスにいった。




観葉植物の鉢は
さまざまな場所で預かってもらうことになった。

喫茶店のインテリアにちょうどいいわ。
と言っている。




このフィカス、枯れそうだね。
ここ西日がよく当たるから
どうなるかな。




生物って本当にいいですね。
とドロレスが言っている。




これは元気だね。
日陰で大丈夫かしら。
ベランダに出そうか？
などと言っている。




ベーカリー前では
ルビーたちが建物の様子を見ていた。

何も変わらないね。
私は水やりが減って
ずいぶん暇になったわ。


解説）
あれこれと
ゆっくり進んでいます。

春めく日々　そのよん

すっかりきれいになったね。




このスペースどうしようか。
うーん。あとで考えよう。
それより私、
ちょっとサラたちの部屋へ行ってくる。




やっぱりここにいたのね。
ベーカリー前でガジュマルの木の
移しかえやってたのに。
それは知らなかったなあ。
あ、レコードもってきたの？




ちょうどジャニスのチープ・スリル
聴き終わったとこだったんだ。
あっそれ、クラプトンの
オーシャン・ブルーバードだね。
次はルルのニュー・ルーツだからね。
とジェットがいった。
それデュアンが参加してるやつだろう。
と頭蓋骨がいった。




なにいってるかわかる？
うーん。すこしだけ。




ジェイソンは話題が古すぎて
まったくわからなかった。

おとうさんすごいなあ。
僕ちょっと散歩してくるね。




そのころ、ジェニーたちの部屋では。

ねえ、森田童子もいいけど、
あれを聴いてみてよ、あれ。




あれって、このアルバムのこと？
と文学青年がいっている。




散歩にでかけたジェイソンは
ひとりぽつんと植物水槽にもたれて
佇んでいたドロレスを見かけて声をかけた。

そのベンジャミン、枯れかけてますね。
え、ああ、そうみたい。


解説)
文学青年が手にしているのは、
バービーガールズのアルバムなのでした。
2005年4月18日の掲載画像を、
アルバムジャケットに(^_^)。

春節のあとに　そのろく

久しぶりに
サラサーテのチゴイネルワイゼンを
聴いている。




ジェニーなにたべてるの。




チゴイネルワイゼンには
ちぎり蒟蒻があうのよ。




ベーカリー前では
今日も体操をしていた。




こうして腰を浮かせて
ふわっと。




丹下さん、焼き餃子。
あ、いますぐいきます。




屋台の前では
ジムとアンジーが再会していた。




あれからもう7年に
なるのね。




ところで、あたらしいミッションで、
丹下氏をマークしてるの？




いえいえ。
私はただの彼の料理と踊りのファンなの。
思いつきでそういう話をすると、
どんどんややこしくなるから(^^;)。


解説)
今回は、
ちぎり蒟蒻が自作です。
昨年の5月3日掲載の「水の工作」で、
水の表現に使用した、
透明なポリウレタンの耐震マットの
切片をアクリル絵具で着色しています。
実際にも、ちぎり蒟蒻炒めは、
たまに作る好きなおかずで、
いつもの調子で
そそくさと作ってしまいました。

メアリー＝ケイトの買い物散歩

サラたちの部屋。

珈琲豆がなくなりそうなので、
また買いに行かなくちゃといっている。
今日は私が行ってみたい。
とメアリー＝ケイトが言った。
けっこう遠いよ。電車にのるんだよ。
なにごともチャレンジ。




ケイのコートかりるね。
道順、メモしてね。
といっている。




あの先を左ね。




この緩やかな坂を登ると
もうすぐ駅があるはず。




アシュレイは電車を乗り継いで、
なんとか目的の国立駅に着いた。
南口はどっちかな。




駅前にある赤い屋根の旧国立駅舎。
ここに寄ってみたかったんだ。




中は展示イベントなどに
利用できる公共施設になっている。
切符を売る窓口もしっかり
復元されているようだ。




駅舎の骨組みのジオラマもある(^_^)。




メモをみながら、
無事に目的の店にたどりついた。




帰りには駅構内からの眺めに、
思わず足をとめた。




どうだった？
空がすごくきれいだったよ。
おまけもらえた？
うん。クッキーみたいなの。
さっそく珈琲淹れて食べよう。
などといっている。


解説)
ときどきやっている
買い物散歩撮影です。
実際には背景の撮影をしながら、
まだ出演フィギアを決めてなくて、
今回は誰にしようかなあ、
などと考えたりしています。