Jun 22, 2008

「体は全部知っている」(1)(2)(3)(4)

 よしもとばななの『体は全部知っている』読みはじめる。2000年刊行の単行本。『哀しい予感』、『アルゼンチンババア』と読んできて、この本がよしもとばななの小説の三冊めになる。

 基本的に買った順に読もうと思う。それも何かの「縁」だと思うからだ。『体は全部知っている』を買ったのは、ある女性からのメールが動機のひとつになっている。

 ふつうブログに詩集の批評や感想を書いても、詩集の著者からのメールがくるくらいだが、よしもとばななの小説のことを書きだしたとき、ほとんど未知にちかい人からメールがきた。その人と何回かメールを交わしているうちに、その人がよしもとばななの自信作は『体は全部知っている』だと教えてくれたのだ。吉祥寺のブック・オフに本を買いに行ったとき、このことがアタマにあった。

 『体は全部知っている』は短編集。それもみじかいものが集まった短編集のようだから、一編を一気に読むのがよさそうだ。

 「ボート」は第2編めの小説。ぼくがこれまで読んできたよしもとばななの小説からすると、はじめて匂いのちがっている小説を読んだという気がする。あぶない母親がでてくるものの、誰も死なないし、「死」から物語が始まっていない。何よりも文章がすこしちがう。いままでよりも落ち着いている。文壇的な私小説ともいえる臭いがする。

 ノイローゼになった友人が治療のため催眠療法を受けることになる。「私」はつきそうが、はずみで「私」もそこで催眠療法を受けるはめになる。

 「私」は思い出す。生みの母との別れの記憶を。秘めて、長いあいだ闇に閉じ込めていた記憶を。ボートの浮かぶ夜の公園の生みの母と幼い「私」の別れの時間が開かれていく。
Posted at 08:43 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
WriteBacks
TrackBack ping me at
http://www.haizara.net/~shimirin/blog/nunomura/blosxom.cgi/20080622082624.trackback
Post a comment

writeback message: Ready to post a comment.













Captcha:
To prevent comment spam, please retype the characters in this image:

Enter the text here: