先日、mixiの日記にPDF版の『人類以外』が出来た旨が書いてあって、ダウンロードして読んで、SNSの「なにぬねの?」の10月8日の日記にその感想を書いた。そうしたら、一昨日、長尾さんから『石並べ』と『右向け右』のプリント詩集が送られてきた。この二冊の詩集も長尾高弘さんのHPにHTML版とPDF版がリンクされている。
プリント版はA4の用紙を縦に使って、36行3段組で7ポイントの小さな字で印刷されている。先ず、『石並べ』を読んだが、老眼が進行しているわたしにはとても読みにくいように感じた。見たところ、製本された詩集になれているわたしには、詩集というよりデータ文書という印象だった。だが、読み始めると、詩の言葉の流れに乗ってどんどん先に行くことができた。そして、プレリュードと後書きと、収録されている19篇の詩を読み終えた。
プレリュードに出てくる「罰」と「浄化」という言葉から始まって、三年前に死んだ母が夢に出て来て息子の自分を認めてくれないことが書かれた詩、鳩の死についての詩、自殺を考えたことをアイロニカルに語る詩と続くので、人生半ばにさしかかった男の不安と苦悩が語られていると受け止めて、その気分をベースに読んでいくことになる。中程で宗教的な、また宇宙的なパラダイムが開かれた後、後半では、詩を書くことで苦悩を乗り越えて、日常意識というものの意味合いが別のものとして再見されて語られて終わる。
長尾さんの詩はエピソードが言葉の運びで組み立てられて語られるという仕方で展開するので、その組み立てられ方を問えば難解だが、言葉の運びには難解なところがないので、すらすらと読めるし、言葉の使い方にある種の権威を振り回すというところもないので、親しみを感じながら、そのエピソードを楽しめる。しかし、そのためにすらっと通り過ぎてしまう。なにか、驚かせて欲しいような、躓かせて欲しいような気もするのだった。
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