アーカイブ: 2007年9月

2007/09/30

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詩の歳時記ー24

汝を泣かせて心とけたる秋夜かな   杉田久女

涙はすぐにかわく
こころはすぐにこごる
秋の夜
聴覚だけが目覚め続けて
永い無音の時間に横たわる

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2007/09/27

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詩の歳時記ー23

夕焼けビルわれらの智恵のさみしさよ    阿部完市

図書館の帰り道
虚偽のような夕焼け
わたくしは死者の詩を読んできたばかりだ
愛するものたちはみんな死んでほしい
生きる哀しみを鎮めるために

2007/09/26

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詩の歳時記ー22


(photp by Garakutabako)

つきぬけて天上の紺曼珠沙華    山口誓子

つきぬける天の蒼
突きたつ曼珠沙華の赫
祖母縫物の手をやすめず
かみの毛を梳いている端居の少女
さしだす手のひらに追憶がおちてくる

 *   *   *

「アクロスティック」です。おひまな方はどうぞ(^^)。

2007/09/25

Permalink 22:22:53, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 618 Japanese (JP)

詩の歳時記ー21


(photo by Denden)

望の夜の神の噴井の溢れをり   青木道子

すずやかな風が耳をこする
虫の声が耳に満ちる
五穀が厨を満たす良夜
神々の今日の最後の仕事は
満月を天にかかげること。

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2007/09/23

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詩の歳時記ー20


(photo by garakutabako)

秋彼岸真ん中あたり風の墓   高田昭子

お父さま。お母さま。姉上さま。
生きのこされた者の秋は
あれから何度繰り返されたことでしょう。
今朝はあたらしい小さないのちが
小声で春を呼んでいます。

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2007/09/22

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詩の歳時記ー19

幼年の鼓膜やわらか鳳仙花   清水哲男

はなびらのような二つの耳
幼い子は秋の野を歩いています
風が吹くと立ちどまるのは
耳の迷宮の奥ふかく
妖精が迷いこんだからでせう

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2007/09/20

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詩の歳時記ー18


(photo by garakutabako)

死人花にてひとつだにうつむかず     金谷信夫

哀しい名前をいただきました。
曼珠沙華 彼岸花 捨子花 灯篭花 天蓋花
葉みず花みず
一本の茎に一輪の花
ただまっすぐに咲きませう。

2007/09/18

Permalink 17:20:01, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 712 Japanese (JP)

詩の歳時記ー17


 (Photo by Kitami)

団栗を拾ひしあとも跼みゐる   石田郷子

嵐が過ぎた朝
ころころ ころころん
団栗を一つ掌に転がしながら
この掌が君の最後の場所ではないと呟く
さぁ。これからどう生きようか・・・・・・

2007/09/14

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詩の歳時記ー16

もの置けばそこに生れぬ秋の蔭    高浜虚子

ひかりのなかを歩いていても
足元から伸びる長い蔭は
離れることがない
きっと なにものかの死とひきかえに
ここに一つのいのちが在るのだろう

2007/09/10

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詩の歳時記ー15

桔梗の二夫にまみえて濃紫    阿部宗一郎

こちらを見てはなりませぬ
わたくしの二夫の企み
雌蕊の掟に従って
秋の花生みを
天地の神に願いでます。

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詩の歳時記ー14


 (Photo by Denden)

満月や大人になってもついてくる   辻征夫

「ついてきちゃダメ。」
幼い子は夜空を見上げてつぶやいています。
こんな満月の夜
わたくしは子供と手をつないで
どこへ行きたかったのでしょうか。

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2007/09/07

Permalink 17:32:55, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 672 Japanese (JP)

詩の歳時記ー13


 (Photo by Kiri)

蟷螂の目に死後の天映りをり    榎木冬一郎

虫たちのいのちのあっけなさを
あなたはすでに死の側から見ていた。
この世に生まれてくるとき
わたくしたちは
誰の生まれかわりだったのでしょうか?

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2007/09/06

Permalink 12:18:50, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 622 Japanese (JP)

詩の歳時記ー12

一切を駱駝まかせや秋の雲     滝沢文枝

エジプト モーリタニア モンゴル・・・・・・
駱駝の歩みに託して
思い出せるだけの思い出を呼び出そう
わたくしたちはあまりにも無力だが
天はいつでも足元からひろがっている

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2007/09/05

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詩の歳時記ー11

片耳は蟋蟀に貸す枕かな   三笑亭可楽(七代目)

イヤリングをはずして
ひとつの耳は
あなたの鼓動を聴いて
もうひとつの耳には
まぼろしのちちろ虫が鳴いています。

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2007/09/04

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詩の歳時記ー10


(photo by Garakutabako)

稲架(はざ)解くや雲またほぐれかつむすび   木下夕爾

父上さま
秋の陽に輝く稲穂が
黄泉の国から見えますか?
あなたの静かな絶え間ない呟きが
この国に実る季節になりました。

2007/09/03

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詩の歳時記ー9

んの字に膝抱く秋のおんなかな    小沢信男

「ん」の字になって
秋の夜更けの部屋で
考える
さようなら
確かな過去のものたちよ
なにも見えない明日よ
はかない「今」があって
まどろみのような思い出があって
やさしかったひとたちが死んで
ららら るるる
わからないわ・・・最後にまた「ん」・・・

 *  *  *

秋の夜長の「言葉遊び」のなぞなぞです。
解いてください。

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2007/09/02

Permalink 14:35:20, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 572 Japanese (JP)

詩の歳時記ー8

初秋の蝗(いなご)つかめば柔かき     芥川龍之介

どこか遠くのほうから
「赤ちゃんがうまれる」という声がする
わたくしの左腕が記憶を辿りはじめる
やわらかないのち
そこを貫く背骨のかすかな硬さ

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2007/09/01

Permalink 02:12:47, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 797 Japanese (JP)

詩の歳時記ー7

四股踏んで雀の学校二学期へ    清水哲男

しんとした家の庭には
法師蝉だけが鳴いています。
二学期の教室には
雀のような子供たちが戻ってきました。
欠席者はいませんか?

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