アーカイブ: 2007年10月

2007/10/31

Permalink 17:40:48, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 819 Japanese (JP)

詩の歳時記-38


 (Photo by KIRI)

埴輪の目色無き風を通しけり     工藤弘子

死者の道連れは
赤土のうつくしい埴輪たち
たましいは透明な風になって
そこを通りぬける
ひっそりと 笑みすら浮かべて

  *  *  *  *  *

 この画像の裏話です。この「埴輪」の句を取り上げたいと思った時に、そのような画像がないのです。なにしろ「埴輪」すらないのです。それで思い出したのがKIRIさんの持っていらっしゃる6センチほどのカワイイ埴輪でした。無理を言って、この句にふさわしい画像を作って下さいとおねがいしました。小さな埴輪の画像とお庭の画像とを合成写真にして、画像がめでたく完成した次第です。

KIRIさん、わがままを聞き届けてくださいまして、ありがとうございました。

2007/10/26

Permalink 15:24:49, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 876 Japanese (JP)

詩の歳時記ー37


 (photo by Yamamoto)

柘榴笑む抜けた乳歯は屋根のうえ   高田昭子

小さな前歯が無傷のままに
まっ白にほろりと落ちました
・・・・・・下の歯は屋根に
・・・・・・上の歯は縁の下に
幼い手のひらが思案しています。

2007/10/24

Permalink 17:42:56, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 847 Japanese (JP)

詩の歳時記ー36

鰯雲人を赦すに時かけて    九牛なみ

あんなに高いところに
束の間やさしい雲を敷きつめる
静かな仕事がある
赦す あるいは赦される
わたくしたちを赦しているのは地上の時間

2007/10/23

Permalink 13:43:09, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 622 Japanese (JP)

詩の歳時記ー35


  (photp by kIRI)

ひそやかに山河刻みし鬼胡桃    高田昭子

夕日が沈むころに
天の枝から落ちました。
草むらにまろびながら
みずからの小さな宇宙に
しずかに山河を揺らしています

永続的リンク

2007/10/20

Permalink 16:29:21, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 776 Japanese (JP)

詩の歳時記ー34


 (photo by Kitami)

秋が来る美しいノートなどそろえる    阪口涯子

「おはよう、旅にでます。」
と書き終えて
手ぶらで海辺にいきます。
こぼれることのない巨きな水の入れ物が
あたらしいノートの空白

2007/10/17

Permalink 21:37:01, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 701 Japanese (JP)

詩の歳時記ー33

  
   (photo by KIRI)

くゝりゆるくて瓢正しき形かな    杉田久女

「美しき」ではなく「正しき」ものよ
ゆるやかにたわむ弦は
天から下りてくるのか
無音の楽器 無音の肉体
金色の酒を満たせよ

永続的リンク

2007/10/15

Permalink 16:14:36, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 619 Japanese (JP)

詩の歳時記ー32

もくせいの夜はうつくしきもの睡る   富沢赤黄男

今年も 花よりも先に
風が知らせてくださいましたね。
わたくしの夢のなかには
金色の花が咲いています。
どうか夢の扉を開けないで

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2007/10/12

Permalink 11:56:30, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 571 Japanese (JP)

詩の歳時記ー31


(photo by denden)

道なりに来なさい月の川なりに   恩田侑布子

夜更けの駅に降り立つと
そこは深く蒼い河です
微熱の残る会話の記憶を
冷やしながら
河を渡るひび割れた月になる

永続的リンク

2007/10/10

Permalink 16:55:24, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 541 Japanese (JP)

詩の歳時記ー30


(photo by KIRI)

歩きつづける彼岸花咲きつづける   種田山頭火

記憶その一 記憶せよ
記憶その二 記憶に空白を
記憶その三 よき記憶のみ蓄積せよ
戻り道 往く道 記憶たちが相談中
言葉を失くしたまま 花の案内にあずけて歩く

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2007/10/08

Permalink 23:10:54, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 874 Japanese (JP)

詩の歳時記ー29


(photo by KIRI)

秋ざくら母は迷子になったまま   高田昭子

あなたの残り火のようなつぶやきが
たえずわたくしの耳を満たしている
「ここはどこ」
「こわいのよ」
「おかあさんがいないの」

2007/10/06

Permalink 22:06:13, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 636 Japanese (JP)

詩の歳時記ー28


(photp by garakutabako)

石段に初恋はまだ赤のまま   つぶやく堂やんま

やさしい午睡のなかで
山寺の石段をゆっくりとのぼっていました
見上げれば 赤のまま咲いて
そこにいるのは誰ですか?
時をもどすことを夢みたわけではありませぬ

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2007/10/05

Permalink 21:21:18, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 777 Japanese (JP)

詩の歳時記ー27


(photo by garakutabako)

露の世は露の世ながらさりながら    小林一茶

いとしい日々よ
やさしい人々よ
このいのちの不思議さよ
露のように輝き
朝ごとにうまれよ。

2007/10/03

Permalink 21:16:37, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 536 Japanese (JP)

詩の歳時記ー26

秋桜空への道が見えるとき    高田昭子

ゆるやかな空への道は
もっと伸びていって
もっと透明になって
わたくしのさし出した手のひらに
蒼の空が音もなくひろがってゆきます。

  *  *  *

このお写真はどなたから頂いたのかしら?
お名前をつけ忘れてしまいました。ごめんなさい。

永続的リンク

2007/10/01

Permalink 18:13:19, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 984 Japanese (JP)

詩の歳時記ー25


(photo by garakutabako)

林檎もぎ空にさざなみ立たせけり    村上喜代子

天の樹に生るりんごを
しずかに一つもぎました。
天には小さな空白
あなたの手のひらには小さな重さ
さざなみのような罪を犯しました。

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