アーカイブ: 2007年12月

2007/12/31

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詩の歳時記ー67

除夜の妻白鳥のごと湯浴みをり    森澄雄

白鳥にうまれ変わることを夢みて
一心にからだを雪ぎます
まぼろしの翼がかすかにゆれる
静かな夜更け たちのぼる温い湯気
やさしい湯音が絶え間なく流れます

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2007/12/30

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詩の歳時記ー66

永遠の待合室や冬の雨    高野ツトム

わたくしにゆるされた地上の時間は
今はどのあたりでしょうか
夜更けの駅で
冬の雨に洗われた列車を待ちながら
ふたたびあなたに逢える日を想ふ

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2007/12/28

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詩の歳時記ー65


 (Photo by hiroe)

人の世に棲みふくろうの直ぐ眠る     滝沢文枝

森のドクターの処方箋
不眠症のふくろうとわたくしは
やがて眠りにおちました
妖精たちのささやき
舞いおちる枯葉の毛布

2007/12/25

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詩の歳時記ー64

刻かけて海を来る闇クリスマス    藤田湘子

やわらかな闇をくぐりぬけて
夜に産まれし吾子よ
世界は明るんでいましたか
あなたはふたたび訪れる闇に
震えながら産声をあげていました。

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2007/12/23

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詩の歳時記ー63


(Photo by hiroe)

雪に来て美事な鳥のだまり居る    原 石鼎

雪の重さを載せ
やませみの重みをさらに載せる
裸木のやさしい腕よ
雪色になれない小さな鳥よ
ひとは言葉をさがしだせない。

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2007/12/21

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詩の歳時記ー62


 (Photo by hiroe)

ふくろうはふくろうで わたしはわたしで ねむれない   種田山頭火

黄昏とともにようやく飛び始める
ヘーゲルさんのミネルヴァのふくろうと
眠れない放浪の乞食俳人は
わたくしの浅い眠りのなか
束の間の夢のなかですれちがった。

2007/12/19

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詩の歳時記ー61

冬となる風音夜の子にきかす   古沢太穂

おやすみ
やわらかな闇は
寒さからあなたを守ります。
風の音が聴こえますか。
いいえ。あれは風の子守歌です。

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2007/12/17

Permalink 18:33:43, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 791 Japanese (JP)

詩の歳時記ー60


 (Photo by hiroe)

梟をみにゆき一人帰り来ず    宇多喜代子

五人は森のふくろうに会いに行き
帰り道では四人になりました。
誰も気付かない。
五郎助ほうほう
森はどこまでもひろがってゆく。

2007/12/15

Permalink 17:10:17, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 570 Japanese (JP)

詩の歳時記ー59

戯曲よむ冬夜の食器浸けしまま    杉田久女

一日は終わったのだろうか
この日常が戯曲か
あのひとときが戯曲なのか
ヒロイン不在のままに
今日と明日とがひっそりと暗転する

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2007/12/13

Permalink 11:52:47, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 644 Japanese (JP)

詩の歳時記ー58


 (Photo by Denden)

岩へ散り紅葉のなほも日を透かす    八木絵馬

山寺への石段にもみじ散りやまず
幻の幼子の紅い掌の痕が
鮮やかに埋め尽くしている
死者たちの眠るところまで
幼子たちのかそけし笑い声に満たされて

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2007/12/11

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詩の歳時記ー57

山影を日暮とおもひ浮寝鳥      鷹羽狩行

眠っているのか
放心しているのか
かすかな水紋を描きつつ
浮寝鳥はうつむいている
山影にさしかかり 時間は自問する 

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2007/12/09

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詩の歳時記ー56

文鎮のかはりの蜜柑大宇宙    磯貝碧蹄館

みかんの皮のなかの十二個のふくろ
十二個のふくろのなかには無数のふくろ
したたる水の宇宙はとても重い
文鎮に化けていても不思議ではないわね。
わたくしはあぶり出しの文字を書いてみませうか? 

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2007/12/07

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詩の歳時記ー55

裸木よ今夜も星星は誤植だ   夏石番矢

世界が一冊の書物であったなら
わたくしたちのいのちの在りようは
うつくしい誤植でありましょう
樹々がすっかり葉を落として夜空が広くなる
愛する死者の住処はどの星か

2007/12/05

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詩の歳時記ー54


 (Photo by Denden)

たましいのひとつが透けて冬紅葉    津根元潮

冬の夜の闇のなかで
わたくしは眼を閉じているはずです。
その深い暗がりに燃えているもみじは
夢でしょうか?
「たましい」と名付けるには戸惑うもの。

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2007/12/03

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詩の歳時記ー53

銀杏散る語ることなしあるような     高田昭子

黄葉の暦のわずかなずれ
あなたとわたくしの住む町の距離や高度
時計の長針と短針がかすかに揺れながら
上と下を指すあたりから
「おやすみなさい」まで語りあう。

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2007/12/01

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詩の歳時記ー52


(Photo by KIRI)

山茶花の一とたび凍てて咲きし花     細見綾子

あなたは なぜ
この凍てる季節を選んだのですか?
咲いては散り 
咲いても散って
根方は赤い池となる

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