アーカイブ: 2008年1月

2008/01/30

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詩の歳時記ー84

   
    (Photo by Shimirin)

雪片のつれ立ちてくる深空かな     高野素十

幾重にも折りたたまれた深空には
たくさんの使者が隠されている
初めての雪の使者
一片づつ地上に足音もたてずに降りて
丹念に地上を明るませてゆく

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2008/01/29

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詩の歳時記ー83

しぐるゝや駅に西口東口   安住敦

ささやかな約束が
果たされることにさえ
神のやさしい配慮の気配がある
たとえ冷たい雨の駅でも
人込みのなかにあなたをみつけるとき

2008/01/24

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詩の歳時記ー82

寒卵われを生みたるものに母    鷹羽狩行

幼い少女が弟に言いました。
「ママは卵を二個持っていました。」
「それで、わたしと弟が産まれました。」
「白い卵はわたし。赤い卵は弟でした。」
それから二人は朝のハムエッグを啄ばんで・・・・・・

  *   *   *   *   *

これはフィクションではありません(^^)。

2008/01/23

Permalink 18:39:19, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 603 Japanese (JP)

詩の歳時記ー81

はじめての雪闇に降り闇にやむ    野沢節子

初雪は
眠りのなかに降りしきり
夜更けに静かに仕事を終える
淡いひかりのように
音もたてずに

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2008/01/22

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詩の歳時記ー80


 (Photo by Garakutabako)

蝉氷ひねもす天の傷写す    高田昭子

凍てる朝 暮れる夕べ
池の鏡は写しつづける
木枯らしがつけた
天の擦過傷を
ひとが生きる危うさまでも

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2008/01/20

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詩の歳時記ー79


   (Photo by Hiroe)

青天に飼われて淋し木菟の耳    原 石鼎

耳鳴りのみみずくは
空の声を聴いている
そこを住処として
どれほどの時間が過ぎたことか
まだ果てを見たことはない

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2008/01/18

Permalink 15:32:03, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 585 Japanese (JP)

詩の歳時記ー78

空腹の冬のポストの影ながく      高田昭子

たくさんの一年の思いの文を
寡黙に呑みこんで
無事に送りとどけました
木枯らしのなか 
今はカサコソと・・・・・・しずか。

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2008/01/16

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詩の歳時記ー77

凍空に太陽三個死は一個    阪口涯子

厳寒の灰色の空には
三個の太陽が見える
二個になり 一個になり
やがて人間一個の死がやってくるのだろうか
いいえ 生きている 生きている

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2008/01/14

Permalink 21:06:21, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 737 Japanese (JP)

詩の歳時記ー76


(Photo by Fumie)

霜柱この土をわが墳墓とす    加藤楸邨

冬の朝毎に
やわらかな土に眠っていた水は
小さな氷の柱となる
そこに眠り続けるいのちの
輝く化身となって

2008/01/12

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詩の歳時記ー75

寒星や神の算盤ただひそか    中村草田男

夜空では
静かな神の計らいは
休むことはない
地上の死者を迎えるため
あるいは使者を地上に送るために

2008/01/10

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詩の歳時記ー74

末の児に目くばせをして読む歌留多     吉田花宰相

「まだふみもみずあまのはしだて」
うつくしい平仮名文字の取り札をみつめています
おじいさまはゆっくりと「大江山いく野の道の」
それから「遠ければ」から「まだ」へと詠んで・・・・・・
五歳の少女が胸高鳴らせながら触れた初めての札

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2008/01/09

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詩の歳時記ー73


(Photo by Garakutabako)

雪霏々とわれをうづむるわが睡    石田波郷

雪は降ってくるのではないのです
絶え間なく 音もなく
地上に降りてくるのです
まよいつつ
あなたの深い睡りの縁に

2008/01/08

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詩の歳時記ー72

焚火かなし消えんとすれば育てられ   高浜虚子

火を育てる。
手をかざしながら呟いてみる
これは孤独な心の仕事ではないか
かつて秋の空から柿を盗んだ人の手が
ここになかったとしたら・・・・・・

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2008/01/06

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詩の歳時記ー71

雪よ木の耳に蔵はれている聲よ    河原枇杷男

世界の音を消しながら雪がふる
木に耳があるのなら
そこに世界の音がかくされているのなら
わたくしたちの耳は
木に寄り添うのでしょう。

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2008/01/04

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詩の歳時記ー70

水鳥の余せる水の広さかな   蓬田紀枝子

途方に暮れながら大空の旅をして
わたくしは束の間ここにいます
身にあまる水面の広さに
慣れないまま
また飛びたつ季節が訪れる

2008/01/02

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詩の歳時記ー69

初夢のあひふれし手の醒めて冷ゆ    野沢節子

木洩れ日がゆれる大樹のしたで
あなたとわたくしは語り合い
あたたかな手はゆるやかに結ばれていた
夢の扉にはかならず出口がある
戻り口をさがすことはできない

2008/01/01

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詩の歳時記ー68

命継ぐ深息しては去年今年    石田波郷

ちちははは黄泉の国に
ちいさなひとはあたらしく産まれる
わたくしたちはいつでも
いのちの序章なのでしょう
生きてゆきましょう。

  *   *   *

わたしの誕生を司った天使が言った
喜びと笑みをもって形作られた小さな命よ
行きて愛せ、地上にいかなる者の助けがなくとも。
    
(ウイリアム・ブレイク・・・中野孝次訳)

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