アーカイブ: 2008年6月

2008/06/30

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詩の歳時記ー187

蓮の花開かんとして茎動く        滝沢伊代次

かすかな痛み 夏の夜の開花
茎は花をささげ持ち
水の浮力が神の掌となり
しずかに水輪が揺れ
一音の楽器を鳴らす

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2008/06/29

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詩の歳時記ー186


   (Photo by KIRI)

十薬は群れて地の星自閉癖      鍵和田秞子

夕闇の道端に灯る星の花
かすかに匂う薬草
今年もまた出会えたね
明日から一人旅にでる
君にだけ伝えてゆく

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2008/06/28

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詩の歳時記ー185


 (Photo by Garakutabako)

昏れんとし幹の途中の蝸牛     桂信子

あなたは途方にくれている
はらはら 雨が降る
はらはら あなたのことが気にかかる
日暮れは近い
傘さしかけて 離れられない

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2008/06/26

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詩の歳時記ー184

花葵雨中に夢の像(かたち)見て      藤田湘子

雨期の空の下
わたくしは窓辺で頬杖をついている
花葵は立ったまま夢をみている
花そのものが
夢の像だと気づかずに

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2008/06/25

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詩の歳時記ー183

黒き赤き桑の実散らし風騒ぐ    堀古蝶

六月の風が騒ぐ
桑の実は
それぞれの重さで
それぞれの成熟の時間を生きる
風が時間を急がせることはできない

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2008/06/24

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詩の歳時記ー182


   (Photo by KIRI)

星割れて天道虫の離陸せり      稲畑廣太郎

ちいさきもの 着地の幽き音
離陸の音は星の割れる時に聴こえる?
はるかな音
身じろぎもせずに耳をすます
二人ぼっちだね

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2008/06/23

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詩の歳時記ー181

白百合や銀の秤が吾子の手に     中村草田男

真白きいのち
香りたかいちいさなものよ
銀の秤は誰から授かったのか
この貧しい母のもとに
産まれおちたというのに

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2008/06/21

Permalink 17:03:38, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 649 Japanese (JP)

詩の歳時記ー180

姫女苑しろじろ暮れて道とほき     伊東月草

夕闇の道を歩いている
川面の漣は過去の時間へ寄せてゆく
川辺の白い花も過去に向かって揺れている
温い風をゆっくり切り裂きながら
我が身を入れ 背後で閉じる

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2008/06/20

Permalink 15:01:58, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 733 Japanese (JP)

詩の歳時記ー179

未央柳雨に散りしよ旅装解く        矢野黙史

季節はめぐりくる
ひとの旅立ちを見送る
わたくしはここに残る
解けない思いは堆積する
雨したたる るるるるる

2008/06/19

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詩の歳時記ー178

かるの水尾ひろがりて傘重くなる       村沢夏風

かるがもが水輪のなかにいるのか
あるいは水輪を生むのか
しずかな水面に際限もなく広がる
雨が降る
水面は乱れて 傘は重くなる

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2008/06/16

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詩の歳時記ー177

蜜蜂は蕊粉にむせて飛び立たむ        高田昭子

蜜蜂は仕事をしらない
蕊粉にまみれて
異性の花へ移り飛ぶ
おまえの糧は甘いのか
むせるほどに

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2008/06/15

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詩の歳時記ー176

両の手は翼の名残青嵐        掛井広通

大きく育った欅よ
あなたのすべての枝は
空に差し入れられています
風吹く日には翼になり
おだやかな日には空を抱く

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2008/06/13

Permalink 14:24:33, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 616 Japanese (JP)

詩の歳時記ー175

蜜蜂は光と消えつ影と生れ     林 翔

捉えられない実像は
影から生まれて
うつくしい像をつくる
雨あがり
まだ翅は重たいのでせうか

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2008/06/12

Permalink 14:02:44, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 654 Japanese (JP)

詩の歳時記ー174

夏の川一日を一日として流る         高田昭子

真上にある陽が
西の山陰にかくれようとする時まで
あの川辺を歩いたのはいつだったのか
小さな夏の旅
ふたたびの旅はない

2008/06/09

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詩の歳時記ー173

産土の神に差し出す児の重さ       高田昭子

海と山のある町
児を抱いて
紫陽花の咲く神への階段を登る
振り返れば見えるでしょう
いつかその小さな足で立つ産土

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2008/06/06

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詩の歳時記ー172

バラ散るや己がくづれし音の中        中村汀女

薔薇が音もなく散る
わたくしの内部で
なにかが音をたてて崩れていった
その音は誰にも聴こえない
途絶えることなく季節は更新される

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2008/06/05

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詩の歳時記ー171

あぢさゐの花より懈(たゆ)くみごもりぬ      篠原鳳作

花は重さに耐えて咲く
ひともまたいのちの重さに
ひとすくいの祝福
雨に洗われた空がみえる
なにかを愛しすぎたのだろうか

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2008/06/04

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詩の歳時記ー170

  

うきうきとキリンの洗濯惑いかな      高田昭子

雨季 雨期 
憂き 愛き 浮き
青いキリンは惑う
これは肉体の洗濯か
洗濯日和とはいえない午後に

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2008/06/03

Permalink 14:03:42, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 596 Japanese (JP)

詩の歳時記ー169


   (Photo by KIRI)

飛ぶ翅ををさめてよりの天道虫        稲畑汀子

飛翔をやめてより
ひかる球体となる
雨粒の重さ 
ひかりの熱さ
無口なちいさきものよ

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2008/06/01

Permalink 21:30:00, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 545 Japanese (JP)

詩の歳時記ー168

噴水の頂の水落ちてこず        長谷川櫂

引力の法則
噴水の頂上は脱出成功できたのだろうか
水の幻想の外では
烏が水浴びをしているではないか
ああ たくさんの人間の見上げる視線のなか

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