アーカイブ: 2009年3月

2009/03/30

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詩の歳時記ー242 「スミレ」

「大和」よりヨモツヒラサカスミレサク     川崎展宏

「大和」とともに海に沈んだ少年兵は
モールス信号を打電する
「黄泉平坂菫咲く」と・・・・・・
あの日から
海の底には幻の小さな花が咲き続けている

 ** 戦艦大和(忌日・1945年4月7日)

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2009/03/29

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詩の歳時記ー241 「春雨」

春雨や抜けでたまゝの夜着の穴        内藤丈草

こわい夢から目覚めが救い出す
微熱の朝もある
窓を開ければ 
外は静かな雨が降っている
振り向けばわたくし一人分の夢の抜け殻

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2009/03/28

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詩の歳時記ー240 「山笑ふ」

拗ねてゐるチンパンジーや山笑ふ         梅原悠紀子

なにが欲しいの?なにがいやなの?
言葉が出そうで出ない生き物と
言葉を覚えたヒトと 
見つめあう間に
ゆっくりと春は山をくすぐっているね

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2009/03/26

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詩の歳時記ー239 「猫の妻」

  

両方に髯がある也猫の妻       小西来山 

両の頬か 両の性か
ぴんと張った髯のある生き物よ
春の宵には
恋という言葉を翻訳せよ
にゃあああ・・・人語のように甘く答えるよ

2009/03/23

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詩の歳時記ー238 「コノハナサクヤ」

コノハナサクヤ三合の米を研ぐ         中居由美

今回は「詩」ではなく、この拙文でお茶を濁します。

「コノハナサクヤヒメ」は、その美しさから「富士山」の頂きの守り神とも言われています。彼女は天孫ニニギの元に嫁ぐが一夜にして身ごもったことから、他の男の子供だろうと疑われる。そこでヒメはおのれの潔白を証明すべく、産屋に火を放って出産する。もしも天孫の子でないとしたら、無事にはすまないはずだというわけけです。そうして無事に産まれた子は三人だった。この火中出産の説話から火の神とされ、火山である富士山に祀られるようになった。ただし、富士山本宮浅間大社の社伝では「コノハナノサクヤヒメ」は水の神であり、噴火を鎮めるために富士山に祀られたとも。諸説あり。

姉の「イワナガヒメ」も「コノハナノサクヤヒメ」とともに天孫ニニギの元に嫁ぐが、「イワナガヒメ」は醜かったことから父の元に送り返された。父親はそれを怒り、「イワナガヒメ」を差し上げたのは天孫が岩のように永遠のものとなるように、「コノハナノサクヤヒメ」を差し上げたのは天孫が花のように繁栄するようにという願いからだったと。。。で、「イワナガヒメ」は富士山の麓部分の岩の守り神の役割だとも言われているそうです。どの時代も女性の美貌はかくも価値あるものだったのか、と改めて考えさせられます。

ここで、「農事暦」「山岳信仰」の話題に移ります。
全国には「富士」を付けた山の名前が多いですね。それは「郷土富士」と呼ばれるものですが、「信仰」の意味がどこまであったのかは、地域によるでしょう。その山の雪が融け始めると、山肌に「雪型」が現れ、その形によって麓のかつての村人は田植え時期の目安(農事暦)にしていました。そして農作業の前には「郷土富士」を拝んだという村人。

前置きが長すぎてすみませぬ。
多産だった「コノハナサクヤヒメ」と「農事暦」を重ね合わせて、現代の少子化、核家族化、あるいは老夫婦だけの暮らしか?「一升釜」や「五合釜」もいらない「三合釜」で済むような暮らしになってしまったことへの感慨とも思えます。

まるで当っていない解釈かもしれませんが、この句を読んだ途端、わぁーっといろいろなことが想起されてしまい、思わず書きました。あしからず。

2009/03/22

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詩の歳時記ー237 「蝶の恋」

蝶の恋空の窪んでゐるところ          川嶋一美

恋する蝶よ。
天に放てば
たちまち天に抱きあげられ
落ちてくるとき
そこにちいさな空白をおいてくる。

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2009/03/18

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詩の歳時記ー236 「囀り」

囀りをこぼさじと抱く大樹かな        星野立子

朝のひかりは
あの巨きな樹の向こう側からやってくる
まぼろしの鳥たちは目覚め
その枝々を飛び交い 
春の一日は囀りに満ちて

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2009/03/16

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詩の歳時記ー235 「春」

児が登る大樹とならむ春の父           高田昭子

おとうさん。あなたは大きな樹でした。
小さかったわたくしはよじ登り ぶらんこをして
疲れれば肩に止まりました。
春の児が産まれ 若い父が急いで育つ樹となる日。
おとうさん。季節は繰り返されています。

2009/03/13

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詩の歳時記ー234 「三椏」

三椏や泥土より立つ神の鹿       田川飛旅子

古人の言い伝え
その背に神を乗せ 天を飛んだという鹿
春の日 うつむいてなにを食むのか
三椏の靭皮は
紙となる日をおそれているような

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2009/03/09

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誌の歳時記ー233 「初蝶」

初蝶来何色と問ふ黄と答ふ        高浜虚子

蝶が来る 翅音もなく
色を問ふ 「黄色」という聲は聴こえたか
名を問ふ 「紋黄蝶」と。
幼い子の背丈ほどの空を飛ぶ
羽化のぬくみは春の温度ほどに

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2009/03/07

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詩の歳時記ー232 「春濤」

春濤の一線余る小漁港        大野林火

春の雨 二人は一つの傘に
それぞれの肩を濡らしながら歩いていた
海はおだやかに揺れている
心の潮位は保たれているか
聴こえるものは心音か 潮鳴りか

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2009/03/05

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詩の歳時記ー231 「土筆」


 (Photo by Denden)

土筆折る音たまりける体かな        飯島晴子

誰もいない野原では
土筆折る音がしずかに鳴り続ける
わたくしのからだにたまるものは
音なのだろうか
音の記憶なのだろうか

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2009/03/03

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詩の歳時記ー230 「雛」

折りあげて一つは淋し紙雛         三橋鷹女

折り紙の雛を一つ折りあげて
膝のあたりをさらに折って
テーブルの上に坐らせる
ふいにこみあげてくる寂しさ
緋色の折り紙に手が触れる

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2009/03/01

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詩の歳時記ー229 「春の宵」

ひかがみは全裸の一部春の宵       赤帆(清水哲男)

あなたと向き合ったとき
ひかがみは背後にかくしたはずでした
春の宵
腿骨はゆるやかにほぐされて
一枚の裸婦の絵画のようになってゆく

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