アーカイブ: 2009年10月

2009/10/30

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詩の歳時記ー339 「柿」

一つづつ灯を消すごとく柿をもぐ     松本由美子

明け方の空に梯子をかける
夕べの灯りを消すように
一つづつ柿をもいでゆく
そして
天の神様に一つだけ置いてゆきます。

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2009/10/28

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詩の歳時記ー338 「紅葉」

この樹登らば鬼女となるべし夕紅葉     三橋鷹女

紅葉が空を染めているのか
夕焼けが葉を赫く染めたのか
この燃える束の間の時
女が木登りする 鬼になる
なんの不思議があろうか

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2009/10/26

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詩の歳時記ー337 「冬薔薇」

教ヘ得ぬに学び得し子よ冬薔薇よ      香西照雄

初冬の校庭に
真白き薔薇が花の重さに耐えている
君はもう知ってしまった
生きることの矛盾や寂しさを
学ぶべきものは何だったのだろうか

2009/10/25

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詩の歳時記ー336 「葡萄」

一つぶの葡萄の甘さ死の重さ    稲垣 長

もぎ取られた一房の葡萄は
仮説としての「死」の姿となる
甘い球体ののなかの一粒の種子は
少女の手のひらの上で静か
一本の葡萄の樹の永い物語はそこから始まる

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2009/10/23

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詩の歳時記ー335 「木の実」

よろこべばしきりに落つる木の実かな      富安風生

ころころとおさな児が笑ふ
とことことおさな児が走る
木の耳は空耳
おまえの枝から
落ちる木の実だと気づかない

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2009/10/20

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詩の歳時記ー334 「赤のまま」

ひと逝きて吾まだ逝かず赤のまま        高田昭子

秋のベンチで
わたくしたちは熱狂していた
道ゆくひとたちの
不幸な物語を作ること
そしてみずからの結末を知らなかったのだった

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2009/10/18

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詩の歳時記ー333 「秋の宿」

星がおちないおちないとおもう秋の宿     金子兜太  

背中に添わぬ宿のしとね
眠りにおちてゆけない薄闇のなか
ひとは瞑目しながら考える
星はおちないのか?
窓をこする音は星くずではないか?

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2009/10/16

Permalink 21:59:25, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 565 Japanese (JP)

詩の歳時記ー332 「通草」

一つ採りあとみな高き通草かな        嶋津香雪

蒼空に吊るされて
通草は点々と実る
少年の細い腕では
まだ届かない
その一つ上の通草まで

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2009/10/14

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詩の歳時記ー331 「秋海棠」

日を畏る秋海棠を愛(を)しむかな       本多俊子

長雨のなかで滴の重さに耐え
輝く秋の陽を畏れるちいさな花

偽りのままに生きるひとよ
わたくしはわたくし
誰の代理ではない花として咲くだけのこと

2009/10/11

Permalink 21:30:09, カテゴリ: 詩の歳時記, views: 647 Japanese (JP)

詩の歳時記ー330 「菊」

有る程の菊抛げ入れよ棺の中     夏目漱石

かつて漱石はつぶやいた。
ミレイの「オフィーリア」は風流な土左衛門だと・・・・・・
漱石はこころのなかで叫ぶ。
彼岸へ流す愛しい夫人の棺を
幻の白菊で埋めつくさむと・・・・・・

2009/10/09

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詩の歳時記ー329 「秋の風」

塚も動けわが泣く声は秋の風         芭蕉

訃報はあまりにも遅かった
墓石に触れる 摩る
いな 揺るがしたいほどの悲しみ
涙は秋風に渇き
わが想いはあなたに届かないのか。

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2009/10/05

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詩の歳時記ー328 「秋空」

ひと待つ間異物めきもの秋空に          高田昭子

芒の上の空を見た
ベランダから電線の渡る夕空も見た
澁谷駅でひとを待つ間に見た
異物のような高層ビルは空を苦しめている
美術館では絵の具の異国の空を見た

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2009/10/04

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詩の歳時記ー327 「虫の闇」

まなうらに文字のひしめく虫の闇       谷口みちる

耳にひしめく虫の声
疲れた目を閉じると
まなうらにひしめく文字
いいえ。音は聴こえません。
満月を遮る雲の音さえも・・・・・・

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2009/10/01

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詩の歳時記ー326 「栗」

死の見ゆる日や山中に栗おとす     秋元不死男

死に堕ちるわたくしが見える
言葉を見失いつつ
杣道を辿ってゆけば
栗の落ちる音が響く
そこが行き止まり もう語ることはない

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