アーカイブ: 2009年11月

2009/11/29

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詩の歳時記ー352 「小鴨」

水底を見て来た顔の小鴨哉        内藤丈草     

冷たく暗い水底をのぞいて
なに喰わぬ顔で水面に浮かんでいる
小さな魚を咥えて
小鴨は濡れることのないからだで
冬陽をあびている

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2009/11/27

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詩の歳時記ー351 「髪梳く」

黄泉に来てまだ髪梳くは寂しけれ         中村苑子

黄泉には季節はめぐるのだろうか
ただ哀しい女が
髪を梳く姿が見える時がある
あれは母なのか
あるいはわたくしなのか

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2009/11/25

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詩の歳時記ー350 「寒卵」

わが生ひたちのくらきところに寒卵       小川双々子

多くのおとこたちが
孤独なたまごを追いかける
辿りついた者は一人だけ
暗き海のなかの受粉
いのちはそこからはじまる。

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2009/11/24

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詩の歳時記ー349 「冬旱」

象の貌に涙の迹や冬旱           貞弘衛

およそ冬に似合わぬ象なのだ
どうしてそこにいる?と問われても
長い鼻は思考しない
大きな耳は意味が聴こえない
涙の迹もすぐに渇く。

2009/11/22

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詩の歳時記ー348 「枯野」

よく眠る夢の枯野が青むまで        金子淘汰

ひかりの温度計がさがる
樹々の葉音も聴こえない
風の過ぎる音が聴こえる
生き物ならば眠る時
やがて角ぐむものの気配がするまで

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2009/11/19

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詩の歳時記ー347 「時雨」

拝啓と書いてしばらく聴く時雨          野村秋介

時雨の午後
手紙を書こうと思った
すでにいないひとに。
この世の孤児のように
生きている。

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2009/11/17

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詩の歳時記ー346 「寒椿」

寒椿五弁の呪符のほぐれおり         神保弥生

冷たい朝 あなたの五本の指は
閉じたり開いたりしていますか?
と、花に問われる。
「はい」と応えれば
五弁の護符は掌に落ちてくる。

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2009/11/15

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詩の歳時記ー345 「蝶」

天山へ蝶の柩を注文す          寺井谷子

春に生まれ
冬を越せないあまたの蝶
軽くちいさな柩の注文は
あめやまのごとき
手向ける花もない

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2009/11/12

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詩の歳時記ー344 「寒の星」

死をもって消息わかる寒の星         能村研三

闘った(何を?)男は
大人しい羊になるか。
痛みを抱えた飲んだくれになるか。
あなたは後者を生きた 殺された
なぜわたくしが泣くのか 教えてくれる人がいない

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2009/11/10

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詩の歳時記ー343 「日脚のぶ」

    

糸屑のひとすぢも塵日脚のぶ        阿部みどり女

冬の陽射しが窓辺を温めはじめると
音もたてずにただようものがある
――老天使の抜け毛
――引力の届きにくい重さ
名づけられたことばたちも
ゆっくり落ちてゆく一日のはじまり

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2009/11/07

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詩の歳時記ー342 「秋灯」

秋灯を明うせよ秋灯を明うせよ    星野立子

夏のおわり
そして秋のおわり
身軽になった裸樹の夜はながい
灯りが欲しい 灯りが
我が身を映す影ができるほどの・・・・・・

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2009/11/05

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詩の歳時記ー341 「木の葉ふり」

木の葉ふりやまずいそぐなよいそぐなよ     加藤楸邨

自然は急ぎもしなければ
怠りもしない
季節にあらがふのはヒト科
若葉の初見 開花の歓び 紅葉の陶酔
ヒト科だけの「惜しむ」

2009/11/01

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詩の歳時記ー340 「木守柿」

木守柿万古へ有機明かりなれ              志賀康

馬は振り返った 二百万年前を
中国の灰色の牛が背伸びをすると
ウルグアイの牛が振り返って見た
万古はほの暗く
もの言わぬ時間に灯りをかざせよ

*「ジュール・シュペルヴィエル」より一部引用。

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