2006/12/14(THU)
製造番号131206−001
ふいに「ソラ」ということばが出てきた 青空の「ソラ」か ソラシドレミの「ソラ」か かけ声の「ソラ」か どこからか からだのどこかからにはちがいないが 少なくとも足ではなく手でもなく 行き着く先は頭蓋骨の中のどこか その暗がりで だれかがことばを創っている おれがおれである証の
よく見ると きょうの「ソラ」にも鋳型の跡と製造番号が打ってあって 厳密にはいつかの「ソラ」ときょうの「ソラ」はちがうけれど 「ソラ」と言えば合言葉のようにわかりあえるのだ 頭蓋骨の中の工場よ 働きものの工員たちよ
きょうの「ソラ」の依頼主はだれですか だれに納品するつもりだったのですか
引き取り手のない「ソラ」はしばらくボンヤリしていたが 「出自を探しに行く」と やおらスーツケースを出し旅支度をはじめた
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