2017/11 [HOME]

++ 日記 ++

2017/11/26(SUN)
今日は日本語のレッスンも母の用事もなにも何もなかった。
ゆっくりのんびり自分を遊ばせた。たまったビデオを見たり、見たビデオは消したり、つまり整理したり、した。あるいは、ちょっと頭と時間を使う本をこたつに寝そべって、読んだ。

2017/11/21(TUE)
「ぼくは日々の暑さや寒さが嬉しい。それは今も生のままの自然だから。」(池澤夏樹『終わりと始まり』から)

これは今日見つけたことばだ。ハッとしたことば。もやもやした思いが晴れたことば。暗がりに迷い込んだときに、足元に灯ったことばだ。

きょうは寒い。あられが降り、雪が舞った。
雪はやはりきらいだが、雪が悪いわけじゃない。
雪はきれいだが、なんであんなに冷たいのだろう。

2017/11/19(SUN)
サルトルの「嘔吐」、読んでみようか
こわごわ思ったのは、K氏のエッセーに熱を移されたからだった
だが、かつて、思い立ってマラルメを読んではみたものの、
まるで古い革靴をかじるがごとく歯が立たず、
まるでスンとも針が振れないので、嘆きもせず、
図書館に戻したオレには、サルトルさんがわかるのかいな
ただはてなマークが並び、感情が動かされることもなく、
読後感の何も残さず、
あるいは、最後まで読み終えず閉じるのではないか
・・・・・・・・・・・・・
こわごわ、だけど、うん、読むだけ読んでみよう
選択はそれしかない

2017/11/17(FRI)
169-2
目の前のコーヒーはなんでこんなに早く冷めちまうのだろう
コーヒーが目の前になければこんなこと思わないだろうに
カップを唇に当てて冷ややかに感じるのは誰のせいだろう
誰のせいだろうとはどういうことだろう
お前が今日したことを挙げよ
半分以上忘れているだろう
たしか今日は土曜日のはずだ
なぜ金曜日だなどと思ったのだろう

口をあけていたら落ちてきた疑問に気づいた日
気づいてどうもしないで

2017/11/16(THU)
169
コーヒーはなんでこんなに早く冷めちまうのだろう
あのあったかさはどこに行ったんだろう
唇に当てて冷ややかに感じるのは誰のせいだろう
誰のせいだろうとはどういうことだろう
たしか今日は土曜日だったはずだ
なぜ土曜日だったと思ったのだろう
そんな
見過ごしてきたいくつかの
ささいな疑問に気づいた日

2017/11/15(WED)
167
たとえばあの時計だ
一日に十何回も見られているのに
覚えてもらえない どこのだれであるか
気がついてもらえない こんなに頑張っていることを
評価してもらえない 何千時間休んでないことを

 あ、またいねむりしてる
 いいなあ
 自分で自分を止めたいよ
 たまには

そして誰のものとも知れない時間というやつを
砕いて砕いて呑み込みやすく目盛りに刻み
自分では何をしたらいいかわからないひとりひとりのために
起きて何をするか教えてあげているのだ

168
まだだめだ
認められない
ホッと安心できない
ひそかに拍手を送れない
軽く、よかったよと言えない
だがここが底だと思えば力が湧く
底だと思うところから力が引き出せる
何とかなるさとつぶやくさ
笑いを浮かべるように気をつけるさ
考えすぎないように歌でも歌うさ
好きで集めたガラクタカラを磨くさ
・・・・・・・・・・
なにが当たるかわからない
なにに当たるかわからない
リトープス届いた日のように
迷いながら
水をやり
日にさらし
自分で自分を育ててみる

・・・・・・・・・・
日本語をわかりやすく、くだけさせ、そして品格あらしめて使いたい――というのは、詩を書く時の私の一番の願いなのである。
 (「言の葉さやげ*茨木のり子」より)

2017/11/9(THU)
166
疑問符の多い今日の秋
君のことばは透きとおって見えない
かりんとうを噛むように解読してなつかしむその果てに
残るのは何か
残すものはない
潔くゼロに帰るだけのこと



2017/11/5(SUN)
「詩と思想」の編集部から封書が来て、2018年1・2合併号の「2017年ベストコレクション」に「いまのまま」を載せたいとのこと。去年、それを含んだ詩集「とほく とほい 知らない場所で」を出したからだろうけど、それでもうれしい。

165
サボテンの花が咲いた。
うれしい。
忘れかけていた古い友人から手紙が届いた。
うれしい。
きのうかいたおれの詩を妻がいいと言う。
うれしい。

ふいに「うれしい」をテストして見たくなる
そのうれしいはどれだけ本物か
きのう口げんかした妻がいった
いいは、混じりけのないいいなのか

その見方を捨てきれないおれのうれしいは
どれほどのうれしいなのか

気になるならなら、うれしさ分析器で
測ってみないか?
君のうれしさの純粋度を!

うれしさ分析器→うれしさ透視器

2017/11/2(THU)
「詩と思想」の編集部から封書が来て、2018年1・2合併号に「今のママ」を載せたいとのこと。去年、詩集を出したからだろうけど、それでもうれしい。

165
サボテンの花が咲いた。
うれしい。
忘れかけていた古い友人から手紙が届いた。
うれしい。
きのうかいたおれの詩を妻がいいと言う。
うれしい。

ふいに「うれしい」をテストして見たくなる
そのうれしいはどれだけ本物か
きのう口げんかした妻がいった
いいは、混じりけのないいいなのか

その見方を捨てきれないおれのうれしいは
どれほどのうれしさなのか

さあ、うれしさ秤で
測ってみよう
君のうれしさの純粋度を!




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