たまには詩でも リンク先の本宅「詩人たちの島」にも掲載しました。推敲して、今度の朗読会でも読もうと思っています。
山帽子
なにもすることのない日がいつかはやってくる なにもわからずにこの世界に泳ぎ出した日が終わる 慈眼寺の門前には無断で入るな、散策するなという看板がある 無断で生まれ、散策するように生きてきたのに あの世を管轄する権力 この世を管轄する権力 そういうものとは無縁に山帽子が咲いている
たぶん 咲くということは贈り物 意図もなく、美のイデアでもなく、神学でも、哲学でもない 純粋な贈り物だ そう思う気持に対しての 咲いているという事実によって 山帽子は 山帽子として生きている
濃紺の海のなかに淡い水域が見えるだろう どこまでも広がる珊瑚礁の息吹だ 沖縄の死んだ詩人は、神の青い領地(カンヌオー)とそれを呼んだ 「排他的経済水域」と呼ぶな 「領土」と命名するな カンヌオー
名づけられて生きる 名づけられないもののかたわらで 山帽子とおまえは名づけられたが わたしはだれであるかほんとうはどうでもいい 沖の鳥島という日本語は美しい そこに群がる鳥は美しい だれもいない夜の海で永劫に波に現われる小さな岩、隆起した珊瑚の瘤たち
花は葉であり、花は瘤だ
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