祭りの思い出
 


祭りの日、ときめき
何事もこだわりなく、子供のように何気なく
遠くで笛や太鼓の音が聞こえる
いつもなら闇のなか、寂しいこの森は
集まるひとたちの家になる

寒かった花見のように幸福で
あの汗をかいた、夏祭りのように華やかに
人息にまぎれ、夜店を物珍しげに廻る
アーク燈の光のなかで菓子が売られ
輪投げに群がる人々から
ときどき、歓声が上がる

久しぶりに会ったひとに
あいさつを交わしては、近況を確かめる
ときに相手の変わり様に
別世界に出会ったように、おどろく
とても空しくなりながら
何かを失ったように

突然に
悲しげなひとにも出会う
どんなに悲しくても、それでも
ひとは祭りに出かける
祭り囃子の声は言う、(神様の声)
『誰も一人ではない。悲しむことはない』
取り除ける悲しみはないから
その声は/慰める


祭りの日、にぎわうけど

いつか歩み疲れるころ、もう誰にも会わない

祭りの音は途絶え、優しい声は聞こえない

淋しくはないように、祭りが終わる前に

誰も帰り始める


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詩作品「風の宿り」Haizara net(top page)Shimirin's HomePageUrokocitySiteMap