徳弘康代氏 第七回 駿河梅花文学大賞授賞式、報告記
 

まず最初に改めて、徳弘康代さん、同賞ご受賞、こころからお喜び申し上げます。
 
 
風冴ゆれ遷ろう冬を堪えだえに振り向き見ればこの梅の咲く

守治


個人的なことを申し上げれば、徳弘康代さんには「詩学」の投稿でお世話になったほか、このページの同じ目次にあるとおり、さらに大胆にもお詩集の批評をさきに書いていました。今回その詩集が、たまたま私が京都から移転して半月もすると、移転先の近辺、静岡県沼津市で催される文学詩賞を受賞されたと、徳弘さんからお知らせをいただいた。なんとも縁のある話と思い、私が昨日、授賞式に押しかけた次第です。
 
2月11日の当日、徳弘さんのお知り合い、水野るり子さん、中本道代さんほか同人・友人の女性詩人の方々が5人ほど来られていたが、他の単作品の受賞者の関係を除いて、参加した詩を書く男性は私ひとりでした。(肖像権による画像使用禁止(^^)に意見が一致しましたので画像はありません。そのほかの写真についても下記にあるように、式がお寺の本堂で行われ、私の座った位置との関係で拝壇の方向であったので、撮影は遠慮しました。)
 
授賞式は、文学賞の開催主催も含め珍しいことであろうが、静岡県沼津市にある大中寺(ダイチュウジhttp://www8.ocn.ne.jp/~daichuji/)というお寺で開かれた。これは賞の設置とも関係あるようであるが、風流(フリュウ)を大切にして居られるようで、本堂付属の建物にも茶室の炉が掘られてあり、また独立した見事な茶室があった。(ホームページ内に詳しく記載があります。)
 
同じくホームページを拝見すると、同寺は漢詩を能くされた大正天皇、皇族のみなさまとのご縁が深いようで、実際その関係の掛け軸、書物などがあった。また古い水道を利用して曲水を配したお庭は見事な造園が施されており、刈り込みをされているのか、広く低い笹原が傾斜した裏庭にあり、良い苔も生えていた。これらを臨済宗の禅寺の古い装いであると、私は感じた。
 
同寺は梅の名所であり、申し訳なくも私が梅に疎いせいでろくなことが書けないが、春を待つ心を謳うようで、華やいだ雰囲気であった。境内では日中茶席が設けられ、午前中は名古屋大学の宮治昭氏の講演「蓮のイコノロジー」(「蓮の聖体学」というのであろうか?)、午後から本賞の授賞式・パーティというプログラムであった。(時間の都合で、午後から私は参加した。午前の部は、私自身関心のあるテーマのようであったが、誠に残念ながら失礼した。)
 
選考委員のみなさんは、那珂太郎氏・高橋順子氏(現代詩)、笠原淳氏・高野公彦氏(短歌)、真鍋呉夫氏・正木ゆう子氏(俳句)、加島祥造氏(英語俳句)。この賞の大賞はこれらの分野から優秀なものを選ぶ方式で、(この賞は、現代詩だけの詩賞ではない。また大賞だけは公募ではない。)過去、現代詩からは山崎るり子氏、宮元苑生氏、四元康祐氏が選ばれている。すでに7回目にして、今年は徳弘さんの詩集が選ばれたことになる。選考過程については高橋順子さんから簡単な説明があり、候補作が詩形の区別無く全部女性の著作ばかりであり、男性陣の頑張りを鼓舞されていたのが印象に残った。また実際現代詩一般の部門においても「秀逸」に伊藤伸太郎氏、産経新聞社賞におひと方いらっしゃるだけで、女性が多い傾向であるように感じた。
 
伊藤伸太郎氏は私が詩学に投稿していた時にも非常に実力を発揮された方で、よく諸誌で読ませていただいている。できればぜひお会いしたく、お探ししてみたが、どうも来られていなかったようである。実際時期的に受験あるいは遠方のため、欠席されている受賞者も多かった。他方で現代詩・短歌・俳句と、各々一般・児童生徒の部と別れ、付き添いの父兄、お母さん方・代理の学校の先生方も多く、お寺の本堂で行われたこととも相俟って、多数の受賞者とともにアットホームな雰囲気であった。さらに選考委員の方も入賞・秀逸のひとたちにそれぞれお声をかけられていた。そのほかお香をたかれたり、音楽もフルートの生演奏、洋楽のBGMなど、和・洋をうまくコーデネートされていた。
 
本賞の各部門賞(以下は公募。)以外に、リコー社・産経新聞社・静岡新聞ならびに静岡放送が三賞を設けている。その他ホームページで確認できるが、多数の企業が協賛している。また主催の同寺山主、下山光悦氏が多数の協力者のお名前に結果報告を兼ねた作品集で触れられ、あるいは物故された選考委員の方々について懇切に哀悼の意を表明された。若い、あるいは幼い受賞者たちにも細やかに優しく接せられるなど、聞いていて、お人柄には感動するものがあった。全般に誰にも主催者側の気配りの利いた、暖かい式の模様であった。
 
徳弘さんの詩については、高橋順子さんが今回受賞詩集中の「桃の節句」を朗読され、出席されていた子供さんたちにも解るように説明をされていた。一連の大賞の受賞が終わってから、徳弘康代さんも詩集の冒頭詩「砂の土地で」を朗読され、また簡単なスピーチをされた。
 
他の受賞・秀逸の各部門については、私の守備範囲は現代詩・短歌であるが、びっくりするほどの良い詩・歌・句が多くあったことを記載しておきます。この場の都合上、既知の方以外のお名前は挙げませんが、私も良い機会に恵まれたと思っています。
 
あとのパーティで出された、セレベスなど多分サトイモの系統であろうが、海老芋のような芋をベースにした寄せ物が美味であったのを特筆します。なかなかの盛況で、寺院の大広間が足の踏み場もないほど、またフルート・三味線の生演奏などで騒がしく時間が過ぎていった。他の女性詩人の方々と、部屋の隅で控えめにされていた徳弘さんのそばに詰めていたが、訪問客が多く、いろいろと忙しくされていたのが印象に残っている。
 
http://www008.upp.so-net.ne.jp/mackie/baika/index.html
(12 02 2005H17)



受賞作品がネットで閲覧できるようになっています。
http://www008.upp.so-net.ne.jp/mackie/baika/7th/index.html
(03 04 2005H17)


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