空の間
そらのあいだ

夜がとどこおっていた。空がかわき、投影されたからだをあたため
ていた。裏っかえしに重さがうまれ、ぬけてゆく明るさが寒いから。
一方通行は出口になるのだよ。たぶんそんな嘘をひきつれ、ひきい
れては、男は午後をおしだすのだった。隠れながらむしりたくなる、
脱ぎたさにたいしては祈るように。女の時間がほんとうらしくはい
りこみ、雲が空をかさねてゆく。しめった陰影がなぞられては過ぎ
るので、だぶった色を根こそぎかかえ、わたしは衣服をまとうのだ。
よどんだものが指からこぼれ、彼のなかで息づいていた。ひらいた
口はひびわれて。かさばる空をゆきつもどりつ、彼女は失墜すると
思っている。幻影はいつも夜更けにやってきては、あいだのなかで
めざめるから。しなやかに、あるいはたおれ、まさぐる男、図星の
ようにほとばしり。日々の割れ目を咀嚼する、影はちろちろとずい
ぶんやさしい。表にめくっては時間がたりず、いそぐ女がやわらか
くなり、またかたくなり。入口ちかくを迷いながら、指はずいぶん
たわむれていた。うかんだ方角が抹消され、わたしはさらに着込ん
でいる。あなたの声がだれをもいない。映像がいくえにもほんとう
を、ずいぶんめまぐるしく告げていたさなか、彼らはやってきたの
だった。手のひらをかえし、あぶるようにまたかえした。やせた朝
が到着する。のであれば、わたしはとっくに眠っていたから。さし
せまったあいまいのなか、女はやすらかな表情を一瞬かわす。どこ
にもあふれる男だった。めくられては空の色に、宙づりのままかき
消される。影のあいだでぬくもっては、彼らはだれをもすきまにう
めない。すぎた風がわたってくる。たわんだものをひきしめては、
脱いだ行為がとじていた。


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