ゆきしらべ
 

雪のぴあのをおもいたち、さそうあなたとともに、こわれた楽器の
ひずみをきこうとした、したかった、さむさにうもれていたはずの、
おもいたちをかぎたいとさしいれるゆびには、ちいさなかっとうが
かきまぜられている。いきさつをつたえるまさつもあった。ねつの
なかでのしんとうときょぜつ、うらがえることなくすがたをけした
し、かいわもなかったので、わたしだったか、ひとりのかげが、あ
らがうすべてのいりぐちを足音でかきよせ、まつわるすべてのおと
で、あかりをともそうとしているようだった、たぶん、きっと。耳
のなりかたが歳月をやどしていたんです。はがれたせっきんをおぎ
なおうと、わたしたちは、いくぶん「とい・ぴあの」にかかわりす
ぎ、くぎづけになり、ふきすさぶこうがいへ、だったか、しょっか
んまでもみつめようとするのだった。幼いですか、さきゅうのふゆ
はそらにどこまでもちかかったのだから、とあるかなきかのくらさ
がはしる。あのふきんでだったか、べつのおもいたちだったか、ず
れた音階がかぜにまきつき、ひときわうなりをたたみこんでいた。
あしたまで、かもしれなかったがまちきれず、あなたのおうせをや
ぶきはじめる色彩です。しずけさにおもいたち、けんばんのいっぽ
んが、あらがうようにけぶっていたのでしまった口びる。きんぺん
では、というわかれめから、ちへいのさきまで半円になり、ますます
雪をつなぐしぐさがよばわっていたのかもしれなかった。そのい
ちぶをせつじつに、つまりかなたでのいっちをどこまでもしんじた
くなったから、のみこんだといもあったという。音のそそぐかたち、
かたちのとりまく色、きんこうにはずれたぴあので、わたしたちが
みつめている。しらないばんそうがそらをうがったほうこうから、
やけるようなおもいたち、ふとなつかしくうけとってしまったので、
すぐさまつめたいみずをあたためてやる、あなたはてんせんをえが
くうねりだから。つながないのは幼年ですか。はなれ、かきわけ、
かたすみで、ざったなきおくがうきぼりになる。雪にもどり、ざら
ざらとさらさらのあいだでこぼれ、足のかたえにふるえをかかげる、
そのすんげきにそらがこたえた。あるいはちへいのさきがにじみ、
むこうだったかでやすらいで。きょりのきれつはきこえますか。な
がれからかえってくるさきゅうのさなかに、とけないままのすべて
をまぶたにふくんでいたのだから、わたしたちはけっしてだまって
はならない、みたかった。こごえるそぶりではしったかたちが、き
っと雪を、せんたんからのようにつたえてくる、ゆれている。はれ
まのようなでぐちがこぼれ、いっそうの音がますますおもいたつ、
またたくうらでぴあのをきけ。

初出: 月刊個人詩誌「詩と批評 ポエームTAMA」34号2007・1.5 
HPアドレス http://www.hinocatv.ne.jp/~planet/


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