天の川
詩作品 目次前頁(6時間だけの真実) 次頁(しあわせの処方せん)
TISATOホームページShimirin's HomePageUrokocitySiteMap

天の川



たった一度の晴れわたった 七夕の日
天の川で水浴びをし
待ち焦がれた 彦星を待つ
待てども待てども 来ないので
七夕の夜が 終わる直前
彦星を探して 地上に降りる

銀河の果ての 天の川から
六本木ヒルズの53階に
意を決して 飛び移り
キングコングのように
250メートルをソロリと伝って
地上に降りる織姫は おてんば

降りてみると 男は彦星ひとりではない
茶髪でピアスをはめたイケメンの男達が
次々と声を掛ける
織姫は ついつい誘われて
フラリ
ほろ酔い気分

華やかな ときが流れて
祭りが終わってしまったあと
楽しい間はよかったけれど
はてさて どうやって
天の川へ 戻ろう
そこまでは考えていなかった

来年の7月7日まで
地上にいるわけにも いかないし
酔いがすっかり覚めて
みんなが去ってしまったあと
夜風に吹かれて
織姫はひとり途方に暮れる

こんなことになるのなら
地上に降りるのではなかったな
結局 彦星はみつからないし
どうしよう
ヘルプ! ヘルプ!
誰か 助けて!


(2003, 9 , 30 詩脈 93号 所収作品)


詩作品 目次 前頁(6時間だけの真実)次頁 (しあわせの処方せん)

TISATOホームページShimirin's HomePageUrokocitySiteMap