「極私点360°」企画


鈴木志郎康作品上映会「極私点360°」企画意図
○動機
 「『個人映画』とは?」 と問われると、商業的な製作ではない映画、といわざるを得ない。語り方や手法は作り手によって十人十色。ならば、作り続けている人の作品を上映すれば、その姿形をみせることが出来るのではないかと考えた。まずは、私たち自身が影響を受けた作家=鈴木志郎康に焦点を絞った。
 鈴木志郎康作品は、徹底して自分自身にまつわることしか出てこないが、観る者の心に残る。それは作家が、いつも自分の姿を確かめ、周りの景色を見つめ、生活の中で体感したことを形にするという行為を、自覚的にやり続けてきたからだ。自己や表現や身体、視覚、時間について考えるすべての人々と−緒に鈴木志郎康作品をじっくりと観る機会を作りたい。
○テーマ・タイトル
 60〜70年代に活動を始めた鈴木志郎康をはじめとする作家連の「個人映画」には、マスメディアとは異なる表現を打ち立てようとする、明確な意志と誇りがあった。今、世の中には個人的に撮られた映像が溢れ返っているが、個人の立場で映画を作るという行為の核心を突いている作家がどれほどいるだろうか? 鈴木志郎康作品を観ることで、個人が日常生活の中で得たイメージを表現する、ということの意味を問い直す。なお、企画タイトル「極私点36O°」には、志郎康さんが掲げた「極私」という立ち位置=「視点」から、身辺のあらゆるものを見る、という意味を込めた。
             (『極私点360°』上映有志:青山佳世、中村のり子)

プログラム