あいさつ

あいさつ

清水鱗造

透かし絵を覗いていると
たなびく煙やにおい
生垣の間の路地など見慣れたものが
うすく見える

やにわに船が
前を通り
その舳先が茶色にも
金色にも見え
いずれにしろ
時間の経過とともに
輪郭がはっきりしてくる

今まで
通過するだけの積荷が
白い航跡を残しつつ
初めてこちらにあいさつを送っている