Jun 10, 2008

オレンジ色の三日月

乾いていない坂道をのぼって帰宅途上、西の方角の割と低い位置に、オレンジ色の三日月が出ていた。ぼやっとした色だけれど輪郭はくっきりしている。建物と建物の間からしか見えないので、路地に着くたび顔を左に向けてミカンの房みたいな月を確認して、そうしているうちに家へ着いた。

「すごいウスイ三日月が見えるよ。夏みたいだね」。

数日前にもらったケータイメール、でもわたしのところからは雲が厚くて見えなかった夜のメールを思い出した。彼女は、月の様子を、年に何度か知らせてくる。

それで坂を上っている間中、彼女のことを思い出していた。
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