Aug 20, 2010

8月20日

蝉が鳴いてました。皮膚が痛いっていうんですか、半袖を呪いました。かといって、手首まであると、それこそ噴き出し放題なんでしょうから、外へ出た自分が悪いんです。そんな自分を虐めてやりたくて、太陽を見つめました。つぶれる、と囁くのでした。耳が。それでも、見つめ続けていると、涙が出て止まらなくなり、我慢してたのに、瞑ってしまいました。瞑っても、目蓋に太陽は居続け、手探りで階段を探す事が、この暑さには相応しいと、蜥蜴の様に、無い尻尾を手すりに絡ませました。今なら、虫でも美味しいんじゃないかと、舌の根元をヌメッとさせました。誰かなにか云っているのですが、やだっ、気持ち悪い、としか聞こえませんでした。誰かが、抱えよとしているが、棒で叩かれている痛みにしか、感じられませんでした。皮膚が破れ、内臓が破裂し、心臓が止まるのを待っている脳に、蝉の鳴声が聞えていました。まるで、取り乱した声のようでした。揺すられているのか、切り刻まれているのか、分からない胴体に、しがみつくのは、雌の蜥蜴なのか、子供の蜥蜴なのか、頭上を旋回しているのは、羽ばたきなのか、餌になれば、地上を離れ、空を飛び、ここではない、どこかへ行けると、おもうと、パックリと開いた口ですら、深い息がつけました。
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