Aug 20, 2010

8月20日

蝉が鳴いてました。皮膚が痛いっていうんですか、半袖を呪いました。かといって、手首まであると、それこそ噴き出し放題なんでしょうから、外へ出た自分が悪いんです。そんな自分を虐めてやりたくて、太陽を見つめました。つぶれる、と囁くのでした。耳が。それでも、見つめ続けていると、涙が出て止まらなくなり、我慢してたのに、瞑ってしまいました。瞑っても、目蓋に太陽は居続け、手探りで階段を探す事が、この暑さには相応しいと、蜥蜴の様に、無い尻尾を手すりに絡ませました。今なら、虫でも美味しいんじゃないかと、舌の根元をヌメッとさせました。誰かなにか云っているのですが、やだっ、気持ち悪い、としか聞こえませんでした。誰かが、抱えよとしているが、棒で叩かれている痛みにしか、感じられませんでした。皮膚が破れ、内臓が破裂し、心臓が止まるのを待っている脳に、蝉の鳴声が聞えていました。まるで、取り乱した声のようでした。揺すられているのか、切り刻まれているのか、分からない胴体に、しがみつくのは、雌の蜥蜴なのか、子供の蜥蜴なのか、頭上を旋回しているのは、羽ばたきなのか、餌になれば、地上を離れ、空を飛び、ここではない、どこかへ行けると、おもうと、パックリと開いた口ですら、深い息がつけました。
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Aug 03, 2010

8月3日(火曜日)

子と共にしている、仕事場の机。僕は、カルテを書き、子は、括弧に漢字を書き入れている。ひらがなで「ゆき」とルビされた括弧に、子は「冬」と書き入れたので、ちがうだろう。確かに、冬に雪は降るだろうが、少なくとも、「雲」位に、間違って欲しい。しっかし、暑いなー、もうー、蝉がミンミン、冬か…一瞬、涼しい、この状況下で、僕的にはオーケーだが、夏休みの宿題としては、残念だけど駄目だよ。教えると、あっ、そっかー、見たことあるー、10回書きなさい、雪が降り積もって行く、2Bで彫り込む様に、鉛色の雪がコンコンと、と云うより、ガシガシと、熱い豪雪だなぁ、カルテには余計な事は書いてはいけないのだよ、二重線を小さく書いた雪の上にのせる、もう、覚えたろう…大臼歯の抜歯って何点だっけ?ちょこちょこ変えやがるから、厚生省は…って、もう厚生省じゃ無いのか…御会計が待っている、ああ、もう、こんどは、「大人」に「だいじん」と読みがなを、つけていやがる。
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