Jun 03, 2010

ろくがつ(2)

ちょっとした不注意で 
古い蛍光灯を割ってしまった
みごとに粉々になった

職場で

ちょうど誰もいなくて
いそいで片付けた
「ガラス 危険」と赤いペンで書いて袋に貼り
ゴミ置き場に持っていったら

掃除のおじさんが汗をかいて黙々と仕事していた

「あとで休憩にきてくださいね」と声をかける

それから
ガラスがまだどこかに落ちていてはタイヘンなので
デスクの下や椅子のところや
キッチンの近くまでかがみこんで念入りに調べた

会社の人が来るはずなのにこない
早く来ればいいのにと思ったり
「まだこないで」と思ったりしているうちに

すっかり夕方になった
掃除のおじさんもお茶を飲んで帰った

昨日みたいに六時がきた
ガラスが気になってやり残した仕事があるようで
ぐずぐずしていた

昨日と今日はべつの一日
まったく違う仕事をして
疲れて帰るときはバスを待っている

だけどきょうも心地よい風が吹いていた
秋が終わるような風だった
あるいは
だれもこないことを知りながら待つときのような

不安のかたちにすっかりなじんで
どこへもいけないときは
どこへでもいけるような気さえして・・・。
Posted at 23:31 in poem | WriteBacks (0) | Edit
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