Sep 22, 2005

九月も終わりに近づいて、

大分涼しくなってきましたね。
久しぶりに小説を読みました。
ロバート・J・ソウヤーの「ヒューマン」
SF小説です。
面白かった!

私はSF小説が好きで、この作家はお気に入りの一人です。
私がわざわざ言わずとも世界的に有名な作家さんですから、ご存知の方も多いでしょう。
SF小説というと、ある程度の数学的な知識がないと馴染めないものが多いのですが、ソウヤーの作品はそういう堅苦しかったり難しかったりするところが一切なく、SFが苦手な人にも薦められます。

今回の「ヒューマン」は、「ホミニッド」という作品の続編です。
主人公はなんとネアンデルタール人の物理学者です。
詳しい内容を書き出すと相当な量になりそうなので省きますが、この作家さんはとにかくアイデアが奇想天外で面白く、それを次々と繰り出してきて、読み手に飽きる隙を与えません。
ソウヤーが提示してくるテーマは、誰もが子供の頃に考えたような普遍的なものです。
なぜ恐竜は絶滅したのかとか、未来は変えられるのかとか、人間の精神から死という概念を取り除くとどうなるのかとか、とにかくワクワクするようなものばかり。
今回の作品でも、人類が進化してきた道筋は正しかったのか、というテーマが提示されています。
そのような謎に対してソウヤーは、あっと驚くような答えを用意しているのです。
しかも人間ドラマあり、ミステリーあり、ラブロマンスあり、さらにスリリングな物語展開と、小説そのものの完成度も非常に高いので、読むのが遅い私でも一気に最後まで読まされてしまいます。

あ、SFなんて子供の読み物、と侮ってはいけませんよ。
それぞれのテーマの追求は、人間個人や人類全体が抱えている根源的な問題にまで達していくのです。
よくある中途半端なB級SF映画を、ストーリーや設定の細部に渡って完璧に作り上げた感じでしょうか。
変な例えだな。
とにかく本当に面白いんですよ。
と言っても「買って読んだらつまんなかったどうしてくれる」なんて言われても困りますが。

ソウヤーの作品は、これまでに十冊ほどが訳されてハヤカワ文庫から刊行されています。
ちなみに主要な登場人物に子供は殆ど出てきません。
主人公は三十代後半から四十代の科学者が多いようです。
今回の「ヒューマン」は前作の「ホミニッド」と、10月に刊行予定の「ハイブリッド」と合わせて三部作になっています。
秋の夜長の読書にいかがでしょうか。
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