Sep 10, 2006

蒸し暑い…。

今日は小説家の乙一のことでも。
この人は、ほぼ天才と言って差し支えない人じゃないでしょうか。
確か17歳ぐらいでデビューしてライトノベルを中心に活動し、
その後「GOTH」「ZOO」などで、一般にも名前が知られるようになりました。
「ZOO」は既に映画化され、「暗いところで待ち合わせ」も今年映画化されるようです。
ヒットした「GOTH」がホラーであるため、ホラー作家のイメージが強いですが、
SFっぽいのとか、青春っぽいのとか、ジャンルを限定せずに書いています。
ある意味、今日の筒井康隆でしょうか。

まあ、とにかくうまいですね。
現在恐らく27、8歳だと思いますが、10代に書いた作品を読んでも、
うーん、と唸らされます。
ライトノベル出身ということもあって、重厚な文章ではなく、
サクサクと流れるように読んでいける文体ですが、しかしそれでもぞっとする人間の怖さ、
それに乙一の最大の魅力でもある「切なさ」が表わされ、ここらへんもとてもうまく、
また、これは絶対映像化できないな、と思える小説的トリックが至るところに出てきたりして、
活字で物語を読んで行く楽しみを存分に味わえます。
どちらかと言うと短篇中心、長編にしても300頁弱ぐらいですので、
じっくり読むより、空いた時間を潰すぐらいに読むのが、ちょうどいいかと。

私は確か「ZOO」あたりで彼を知り、やたらと大袈裟なコピーがついていたので、
なんぼのもんじゃい、と言う感じで、大いに偏見を持って読んだのですが、
その凄さに思い切り凹まされ、その後はほぼ全てに近い作品を読んでしまいました。
まるでエンターテイメント小説を書く為に生まれて来たような人です。

上にも書いた通り、映画化もされていますが、私はまだ見ていません。
というか、あまり見る気になりません。
多分原作以上ではないと思えてしまうのです。
「ZOO」は恐らく映像化を前提に書かれたものではないと思いますので、
活字で読んだ時に最も効果があるように全てが構成されています。
そういうのは、他のジャンルに置き換えても、原作を超えられない事が殆どです。
現に「GOTH」が漫画化されたものを私は読んだ事がありますが、
全然面白くなくなっていました。

乙一の作品は殆どが文庫化されていますから、手を出し安いですね。
最近「ZOO」も文庫化されましたし。
興味がありましたら、とりあえず「ZOO」がお薦めです。
そう言えば、そろそろ新作が出てもいい頃…。
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