Aug 09, 2005

毛錢の詩を

読み返していて思ったのですが、私は詩に限らず、シンプルなものが好きなのです。
音楽にしても映画にしても何にしても。
シンプルなものは凶暴です。
ナイフのように突き刺さって、あとは知らん顔をするのです。
私はおそらく、その知らん顔をされるのが好きなのでしょう。
ナイフは深く突き刺さり、その傷跡を、私は長いこと見つめているのです。
そしてそこから溢れ出てきたものによって、私は今まで生きてきたような気がします。
私の人生を左右した実際の出来事も、いま思い出してみればとてもシンプルなことばかりでした。
出来事には必ず複雑な事情が絡んでいて、そのときは心を支配され盲目となるのですが、年月とともにそれは消え、残るはとてもシンプルな衝動の記憶だけです。
それは恐らく、人の欲望そのものなのでしょう。
あるいは弱さと見えもしますが、弱さもまた欲望の一種ではないでしょうか。
人を動かすのはただ欲望だけであり、言葉はそれを説明したり正当化したりするものに過ぎないと思います。
私が衝撃を受けた文学も音楽もその他のことも、ただ欲望そのものであり、私にとって詩を書くことも、また欲望以外のなにものでもありません。
あるいはやはり弱さなのでしょうか。
まだ当分は詩を書くと思います。
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