Aug 13, 2005

このブログ、

なんだか隔日刊になってきました。
一昨日はフランス人の詩人についてだったので、なにかフランスネタで書こうと思ったのですが、なかなか見当たらないので、フランスからスイスを飛び越えて、イタリアに来てみました。
小説家のアントニオ・タブッキについて。
と言っても実はタブッキという作家のエピソードを私は殆ど知りません。
知っているのは、ポルトガルの詩人フェルナンド・ペソアの紹介者であることぐらい。
ただ作品は大体読んでいます。
中でも「島とクジラと女をめぐる断片」は好きな作品で、時々引っ張り出しては読んでいます。
私はこの作家の透明で浮遊感のある文章が好きで、それが極まるのがこの作品なのです。
内容はポルトガル沖のアソーレス諸島という場所での、クジラと女と難破船を巡る幻想的かつ断片的な旅行記なのですが、ディテールがとてもしっかりしているので、すんなりと作品世界に入っていけます。
私にとってはこの本、正直ストーリー云々はどうでもいいのです。
タブッキ独特の雰囲気に浸るのが心地よくて、私はこの本を開くのです。
それぞれのエピソードは小説と呼ぶより、詩と呼ぶほうがしっくりくるもので、その点では「青の物語」に似ていますね。
タブッキの文章が持つ雰囲気については、説明するのはとても難しいので、もし本屋で見かけたら、2,3ページ目を通してみてください。
それで気持ちよくなれたら買いだと思います。
青土社から出ている本は、装丁もとても美しくていいです。
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