Sep 18, 2005

何度読んでも

読み飽きませんね、つげ義春。
さっき読んでまた没頭してしまいました。
つげ義春は漫画家さんです。
シュール漫画の元祖というでしょうか、60~70年代に短編漫画を多く残し、それ以後はぷっつりと沈黙してしまいましたが、いまだに熱狂的なファンを多く持つ伝説的な人です。
竹中直人さんが「無能の人」を映画化してましたね。
私はこの人の漫画の、コマの進み方が大好きなのです。
なんだかすごくぶっきらぼうに、不連続とすら言える様子でコマが進んでいくのですが、何故か読んでいて妙に気持ちいい。
独特のリズムがあるのです。
だから内容を知り尽くしていても、あるいは意味不明のシュールな内容でも、毎回新鮮な気持ちで読むことが出来、同じタイミングでニヤリとさせられます。
私が一番好きなのは「ほんやら洞のべんさん」という作品ですが、このコマ割りの気持ちいいこと!
私は死ぬまでこの作品をニヤニヤしながら読むことでしょう。
ところでつげ漫画のコマ割りは、詩の一行一行に似ているようです。
本人が私小説や詩に興味がある人なので、意識してそうしているのかもしれません。
私は詩を読み始める前から、つげ義春の漫画を愛読していたので、自分が詩を書くときのリズムの価値観は、後に読んだ近現代詩よりむしろ、つげ漫画のリズムの影響が基本となっているように思います。
一行読むとぱっと絵が頭に浮かび、次の一行を読むとまたぱっと絵が浮かび、その連続が鼓動となって、生き生きと一つの世界を成り立たせていく、そんな詩が私は好きですし、書きたいと思う詩です。
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