Oct 18, 2005

昨日は恒例の

詩の合評会に参加してきました。
参加者は少なめでしたが、いつもながら勉強になる作品が目白押しでした。
私が気に入ったのは小網さんと竹内さんの作品。

小網さんの作品は、展開のある幻想的な作品で、入り口からいつの間にか吸い込まれると、
するすると最後まで連れて行かれ、いつの間にかそっとナイフを突きつけられている恐さがありました。
楽に書かれているようで、しかし節々を良く見ると様々なテクニックを使われているのがわかります。
メタファーを含んだ単語が効果的に使われており、読んだあとも、ふとその言葉の意味を思わずにはいられない作品でした。

竹内さんは、ここしばらく10行で詩を書くことにこだわっておられましたが、
それを抜け出て、思い切って長い詩を提出されました。
60行近い作品でしたが、その長さを感じさせないほど流れが自然かつ巧みであり、
心地よいユーモアに満たされています。
特に中盤から後半にかけて、古事記に出てくる神々が次々に現れ、賑やかに騒ぎ出して楽しく、
それらを最近息を潜めていた竹内節がうまく包括してまとめられていました。
右足を幻想、左足を現実の世界において千鳥足する三十男の姿です。

合評会後の二次会では、宮越妙子さんから思わぬプレゼントをいただきました。
なんと1947年に発行された「荒地」創刊号!
ならびに4号、6号!
実は前回の合評会のとき、私の提出した作品に対して、「荒地」を思わせるという感想があり、
「荒地」の時代をリアルタイムで知っておられる宮越さんからも、たくさんのお話をいただきました。
そして今回、ご親切にもご自分が当時買い求めたものを私に譲ってくださったのです。
もちろん大変貴重な品で、これはもう何度お礼を言っても足りないことです。
ページを開くと赤鉛筆でたくさんの線引きがされており、当時二十代だった宮越さんが夢中になって勉強された様子が痛いほどに感じられます。
田村隆一、北村太郎、黒田三郎などの詩作品や論考があり、今まで現代詩文庫や復刻版でしか見られなかったこれら遠い詩人の言葉が、ここには生の形で存在しています。
ごつい活字のひとつひとつに爆発しそうな思いが封じ込められているのが感じられ、指で触ると当時の活気が直に伝わってくるようです。
宮越さん、貴重なものをありがとうございました。
大切に読まさせていただきます。

詩の同人誌ルピュール2号の打ち合わせもありました。
今回も私は詩作品で参加の予定。
来年初頭の発行となりそうです。
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