Feb 06, 2006

昨日はこの冬二度目の雪でした。

関東地方ではですけど。
前も土曜日でしたね、降ったのは。
なんだか週末になると天気が悪くなるような気がします。

前回は手塚治虫さんについてちょっと書きましたが、
今回もちょっと引きずってみます。

手塚治虫と言えば、やっぱり「鉄腕アトム」でしょうが、
最近、アトムの中の1エピソードである「地上最大のロボット」を、
「YAWARA!」などで有名な浦沢直樹さんが
タイトルを「プルートウ」と改めてリメイクしています。
ビッグコミックオリジナルに連載され、単行本は現在2巻まで出ており、
なんと累計200万部突破だそうな。
大ヒットしてたんですね。
漫画雑誌から遠ざかって久しいので、全然知りませんでした。

私が小学校高学年の頃、
祖父母の家にアトムのこの巻がおいてありました。
孫が遊びに来た時に退屈しないよう漫画の一冊でも置いておこうか、
ぐらいに考えて恐らく祖母が適当に買っておいてくれたのでしょう。
しかし偶然とはいえ、そのたった一冊がこの恐ろしいエピソードの巻とは。
祖母たちはこんな重い話の巻だとは思ってもいなかったのでしょう。
知っていて買ったのだとしたら、ちょっと怖いですが。
とにかく私は遊びに行くたび繰り返し読んだので、
この話はよく覚えているのです。

私が小学生の頃(70年代後半ごろ)には、
アトムはもうすっかり時代遅れな上、
小さい子が読む漫画と思われていましたから、
少なくとも高学年にもなって読んでいたら笑われるような位置のものでした。
私もそう思っていて、だから祖母に漫画を差し出されたときも、
「アトムかよ、餓鬼じゃあるまいし」
などと罰当たりなことを思っていたのですが、
読んでみるとのめり込みました。
怖いし切ないし。
人種差別、死、恨み、傲慢…うーん。
私はアトムというと、よくある笑顔のアトムより、
うつむいたり、泣きながら懇願したりの表情を思い浮かべてしまうのですが、
これが原因でしょう。
この巻を読んだおかげで手塚治虫の作品に対する抵抗がなくなり、
ブラックジャック、ブッダ、火の鳥などの手塚作品を読むようになりました。
だから「地上最大のロボット」は、手塚作品への入り口であり、
私にとってのアトムそのものです。

昔話はこのくらいにして、リメイク版について。
オリジナルは1エピソードに過ぎないのですが、「プルートウ」は長篇にしてあるぶん、
詳細部分はかなり作りこまれていて、じっくりとストーリーを味わうことが出来ます。
「ノース2号の巻」なんて泣けますよ・・・。
面白いのはアトムやウランちゃん、お茶の水博士などのおなじみのキャラクターが、
オリジナルにこだわらず、全く違う外見で登場することです。
アトムの頭には角がないし、お茶の水博士の鼻はそれほど大きくありません。
旧アトム世代には、もうこれだけで幻滅かもしれませんが、
しかしこれが意外と違和感も嫌悪感もなく、
オリジナルを知っていても、新鮮な気持ちで読めるのです。
それぞれのキャラクターが初めて登場する場面など、
にや、としてしまいます。
あとがきを読むと、
これは手塚治虫さんのご子息である手塚眞さんの意向であるそう。
正解ではないでしょうか。

恐らく灰皿町の皆さんにはアトム世代の方も多いのではないかと思います。
いい歳して漫画なんて、などとといわず、
久しぶりに手にとって見てはいかがでしょうか。
Posted at 00:48 in n/a | WriteBacks (2) | Edit
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こちらも昨夜は雪がふりました。
プルートゥ、今回ひさしぶりにみたらまた意外な展開に…。
続きが気になるというのは、マンガの醍醐味の王道ですね。

Posted by しらい at 2006/02/07 (Tue) 11:26:18

しらいさん、どうもです。

私は単行本で読み始めてしまっているので、
連載の方が今どうなってるのか全然知らないんですよね。
連載を見ちゃうとあとで楽しみが減るので、
3巻が出るまで我慢して待ってます。
あとホムンクルスとデス・ノートも…。

Posted by 小川三郎 at 2006/02/07 (Tue) 23:51:54
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