Jul 23, 2006

先日、ディスクユニオンで、

「津軽三味線 高橋竹山 その1」という中古のレコードを買いました。
三味線のレコードを買うのは初めてでしたが、
なぜかワールドミュージックのところあったこれをたまたま見つけ、
以前なにかの番組でこの人の演奏をちらりとやっていたのを思い出し、
その凄みのある姿が大写しになったジャケットに思わず買ってしまいました。

オビを見ると…

「津軽三味線は叩くもんでねえ弾くもんだ!」
盲目の乞食芸人として糸ひとすじに津軽をうたい続けた名人高橋竹山が
三味線生活五十年を記念してその芸の全貌を記録した伝統の津軽三味線の真髄!

…とかなり鼻息が荒いです。

高橋竹山は明治43年に生まれ、幼い頃にはしかがもとで失明し、15歳で三味線を始めてから87歳で亡くなるまでその道一筋で生きた人、熱狂的なファンも多く持ちます。

レコードを聴いてみると・・・、おお!これはブルース!
なんか例えが罰当たりというか変ですが、とにかく一音一音に情と力が充満した、
非常に密度の濃い演奏で、私がいままで聴いてきたものの中では、
ギター一本で唸るブルースに近い。
既に去った感もある三味線ブームは、私にはちょっと軽い印象で興味がもてませんでしたが、
これはあまりに重い音です。
肉声を思わせる弦の音は流麗というより無骨で、その場に楔を打ち込んで行くようにフレーズを刻み、
こちらの胸にぐいぐいと押し入ってくるようです。
所謂よく聴く三味線っぽいフレーズが、ここでは随分違って聴こえ、
「芸能」という言葉がずんと重く響いてきます。
前記したように、昔のブルースやソウルを好きな人は、結構ごく自然に入っていけるのではないでしょうか。

このレコードには語りも入っているのですが、竹山は意外に喋りが上手くて、
結構観客の笑いなどとっていたりします。
話も絶妙のタイミングで落ちに持っていったりして、落語の達人を思わせるほどです。
ネットで調べて見ると、結構CDにもなっているよう。
巷で流れている全ての音楽に飽きてしまったら、こんなのもいいかもしれません。
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