Aug 27, 2006

おおっ。

夜が涼しい!!

遅ればせながら、最近話題の小説家、伊坂幸太郎を読んでます。
今のところ、「オーデュボンの祈り」「ラッシュライフ」「重力ピエロ」
「陽気なギャングが世界を回す」の四冊。
大体、書いた順に読んでいる形です。
というのは、一番最初に読んだ「オーデュボン…」の解説に、
そのあとの作品とリンクする部分が出てくると書いてあったので。

まず著者の実質的なデビュー作「オーデュボンの祈り」(新潮社)ですが、目茶目茶面白いです。
一応ミステリと言っていいと思いますが、ほかにもさまざまな要素が絡まり合っていて、
純文学や青春小説、SFなどの読者にも問題なく薦められます。
とにかく仕掛けがいっぱいなので、あまり詳しくは書けませんが、
とりあえず、案山子と島と殺し屋が出てきます。
ほかにも曲者が山ほど登場して、目まぐるしく話が展開し、飽きさせません。
とりあえず、この作品を読んで面白くなければ、あとの作品は読まなくていいと思います。
お次は「ラッシュライフ」(新潮社)。
このタイトルを見ると、ジョン・コルトレーンの曲が連想されますが、
ずばりその曲から取られているようです。
しかしそれだけではないところから、物語が広がっていきます。
様々な人生が入り混じって絡み合って繋がってくる、言わば群像劇でしょうか。
その緻密さが見事で気持ちいいです。
一応ミステリと言うことで、殺人が出てきますが、決してそれが中心ではなく、
あくまで様々な人生の交錯が描かれています。
そして上にも書きましたが、前作の登場人物がひょいと顔を出したりして楽しい。
次は「重力ピエロ」(新潮社)。
これは放火事件を中心に話が展開します。
著者はこの作品で直木賞候補になりました。
タイトルもまた秀逸ですね。
この著者のプロフィールをみると、出身は千葉県のようですが、
小説の舞台はみんな仙台なんですね、何故か。
仙台という街を通じて、みんな何処かで繋がっているのです。
しかしこう立続けに読んで行くと、だんだん作者の手のうちが見えてきて、
先の展開が読めてしまうのはちょっと残念です。
ミステリと言う要素から、ここら辺は仕方ないのでしょうが。
しかしそれだけではない小説なので、充分読み応えはあります。
最後に「陽気なギャングが地球を回す」(祥伝社)。
これは今年映画化もされたようですね。
ずばり痛快クライムノベルです。
演説の達人の喫茶店マスター、天才すり師の若者、相手の嘘を全て見抜ける男、
天才的な運転技術を持つ主婦、この四人が組んで銀行強盗チームを組みます。
ほら、もうなんか痛快っぽいでしょ。
もちろんここでも著者一流のトリッキーな展開が存分に発揮されて、
一気に読み尽くせます。
この作品はどうも著者の処女作を改編したもののようですね。
ですから、この中では一番最初の話と言ってもいいかもしれません。
ちなみにこの作品で起こる事件なども、やはりほかの三作品に微妙に関係しています。
・・・という事で、なるべく内容に触れないように紹介しました。
とにかく「オーデュボン…」あるいは「陽気な…」から、紹介順に読んで行く事をお勧めします。
この四作品までは既に文庫本になっていて、リーズナブル。
私はいま「アヒルと鴨のコインロッカー」を読んでいるところ。
全作品読破したら、また紹介します。
今日はお酒を飲んだ頭で書いたので、文章がだらだらしてしまいました。
ん、いつもと大して変らないかな。
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