Mar 02, 2008

昨日は

 テレビで周防正行監督作『それでも僕はやってない』をみました。加瀬亮すばらしい。周防さん、よくここまでがんばって作ったもんだ。やっぱり並みの人ではない。けれど見ているとずっとはらはらしたり、思うことが多く、気楽に見るというわけに行かない。素晴らしいけど、肩が凝る。説教くささはないけど、社会のなかなか変わらない苦しさをかなりがっつり描いているのだ。
 学生時代ともだちに誘われて「法律研究会」なるサークルに入っていた。大阪地裁?の傍聴に行ったことがある。小さい法廷で、麻薬所持の公判だった。
 そこは人を裁くという堅いイメージとはちがって、法廷内は不器用だったり、少し頓馬なやりとりや人生模様で満たされていた。しかし、周防さんの映画を見てそのぎこちなさが、裁判当事者の大変複雑な現実と感情からできあがっていることがわかった。限られた情報で判断するほかない中で我々は日常を生きている。しかし、その判断が判決という形では人の人生を大きく左右する。誰かが不正を働いたら権力を発動して誰かを拘束するしか今は手がない。けれど、不正を正すはずのその権力が様々なものの思惑を受けて、毎日誰かを苦しめている。周防の映画はそういう理不尽を他人事にしないでと伝える。
 しかし、その理不尽を考えるとき、目が回りそうになるのも正直な感覚だ。それくらい国って得体が知れない。
Posted at 22:13 in nikki | WriteBacks (0) | Edit
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