Oct 13, 2008

何かいいことないかな

河島英五"何かいいことないかな1991"



   河島英五の歌を演歌っぽく感じる人も多いかもしれないのだが、じつはこういう歌もあるよ。
 これも青春の青臭い歌みたいに聞こうと思えば聞ける。が、この歌から青春だどうだということ以上の健気なもの、可憐なもの、素敵なもの、数え切れないくらい降り注ぐ星のようなエネルギーを受け取るのです。まあ、それはファンだからなんだけど。
 途中「なんかええことあらへんか」「なんもええことあらへんで」のところで、やはりみんなイライラしていて…と歌うけれど、ここですごくリアルな感じがするのです。

 河島英五のうたは、草とか雲とか土に囲まれて、そこからどんどん天井破りに、また、地平線めがけて、土の中深くへ、どんどん自分が広がっていく感じがします。ただ広いのではなく、どうしようもなく「今ここ」で生きているという充実と寂しさも満ちていくようです。

 自分の住み慣れた土地でも、そうでなく知らない場所でも苦しいが、様々な人が生きている。その当たり前のことを思い出す。赤ん坊として生れ落ちることが、異なる宇宙とか自分の知らない世界に来てしまうことなら、「何かいいことないかな」とソワソワ、不安になりながら、でもそこに愉快なものを感じていたい。
 この世界は恐いところ、見慣れないところ、それがいつからか気づいたら、自分の居場所になる。そのことの恐さと面白さ。

しかし、英五若いぜ。僕が唯一生で聴いた英五の歌はこの歌だったなあ。
Posted at 23:47 in nikki | WriteBacks (0) | Edit
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