Mar 25, 2005

あいぎこえ

050324-siraume

 今年に入ってまもなく、わたしは詩作の一つの計画をたて、それを今日すべてやり終わったと思う。計画の発端は、昨年末に友人からメールで次々に送られてきた二十数篇の詩だった。それらは友人が二十代から四十代に書いたものであり、その後は古い同人誌のなかに眠っていた作品だった。さらにその前の発端は、わたしの一編の詩だった。その詩のタイトルと書かれた風景が、友人がかつて書いた詩と似ていたことに、彼が気付いたことからだった。そのお互いの作品が書かれた時期は、十四年という時間の隔たりがあったのだが。

 次々に送られてくる作品に、わたしは返信を送りつづけた。半月くらい毎日それは繰り返された。その過程でわたしはその友人の作品のなかに、呼応するわたしの作品もみつけることもできた。それらのやりとりが終わったとき、友人はホームページにその作品群の部屋を作った。わたしはその時、この計画を思いたった。おそらく無理な計画ではないだろう。それは送られた全編に対して「返し詩(うた)」を書くことだった。

 それは、まだお互いに会うこともなかった時間まで旅をすることだった。時間の階段を降りていったり、未知の空間をさまよったり、歩きなれない道を歩いたり、見えない影に怯えたり、さまざまな迷宮をめぐり、そうして書き終わった。しかしそれがなんだったのだろう?どのように言葉を費やしても、時間を取り戻すことなどできないのだ。「あいぎこえ」という初めての詩作業をみずからに課し、それはそれなりに書けたと自画自賛してもいいのだが、この作品群の置き場にこまっている。
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