Mar 28, 2006

ナルニア国物語・第一章「ライオンと魔女」

narnia

原作 C・S・ルイス  監督・製作総指揮・脚本 アンドリュー・アダムソン

 ルイスのこの物語は七章からなるもので、今回映画化されたものはその第一章です。時代背景は第二次大戦初期のイギリス。ロンドンの空襲を逃れて、ペベンシー家の四人兄妹(長男ピーター、長女スーザン、次男エドマンド、次女ルーシー)が親元を離れて、田舎に住むカーク教授の屋敷に疎開をすることから、この物語は始まる。
 教授の屋敷は古色蒼然として広く、子供たちのかくれんぼには最適な環境であった。淋しがっている末っ子のルーシーのために、兄と姉たちはかくれんぼをすることになる。ルーシーは誰もいない部屋にある大きな洋服ダンスのなかにかくれる。ルーシーはそこから雪の降る「ナルニア国」へ訪れることになる。

 「ナルニア国」の住人は、魔女以外人間の姿をした者はいないが、ルーシーとの会話はすべて可能だった。神話に登場するさまざまな神々の姿に似ていたり、ライオン、ビーバー、狐など獣の姿そのものであったりする。住居はピーター・ラビット風であったり、ネィティヴ・アメリカンのテント、あるいはモンゴルのパオを模したものであったりして、いかにも「どこでもない場所」を象徴しているかのようだった。
 こんなお話を誰が信じるだろうか?しかし、四人一緒に「ナルニア国」へ行くことはすぐに実現してしまった。ナルニア国は、氷の城に住む冷酷な「白い魔女」のために長い間冬の季節ばかりが続き、ナルニア国の人々は「アスラン王」の帰還を待ち、語りつがれた「預言」に希望を託していたのだった。その予言とは。。。

   二人の「アダムの息子」と二人の「イヴの娘」が
   「ケア・バラベル城の四つの王座」を満たす時
   白い魔女の支配は終わる・・・

 四人の兄妹はその予言を託された者として人々に迎えられ、さらにライオンの「アスラン王」に面会。武器や魔法の薬などを与えられ、ナルニア国を率いることになり、魔女との命をかけた戦闘まで突入してゆくが、その戦いのなかで兄妹たちは成長してゆく。戦闘は勝利する。ナルニア国に春が来る。
 「ケア・バラベル城の四つの王座」は、「英雄王・ピーター」「優しの君・スーザン」「正義王・エドマンド」「頼もしの君・ルーシー」によって満たされた。その後平和は続き、ナルニア国では十年ほどの時間が経ち、四人はともに大人になるが、ふとしたことからまた洋服タンスを抜けて屋敷の部屋に戻る。四人はもとの時間に帰ってきたのだった。現実では戦争はまだ終わらず、疎開生活も続く。この世の平和の預言者は不在のままだった。教授だけは子供たちのファンタジー体験をわかっているのだった。この教授はルイスなのかしらん?

 ファンタジー映画は時代とともに、CG技術の向上によって画像の作り物臭さが排除されてきている。この進歩には目を見張るものがある。(・・・と言ってもわたしはそれほどの映画通ではないのだが。。。)ウォルト・ディズニー社の製作も費用も膨大なものであろうことは想像できる。
 しかし、どうしてもわたくしの気持が晴れないのは、四人の兄妹は現実においても、ナルニア国においても、「戦争」に巻き込まれたことだった。現実においては無力な四人だが、ナルニア国においては平和を導いた勇者であったと理解すべきなのだろうか?まだ物語ははじまったばかり、C・S・ルイスのメッセージはこれで終わりではないのだろう。。。
Posted at 17:28 in movie | WriteBacks (0) | Edit
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