Aug 20, 2008

崖の上のポニョ

ponyo   ponyo-2

原作・脚本・監督:宮崎 駿
プロデューサー:鈴木敏夫
作画監督:近藤勝也
制作: 星野康二

声の出演
ポニョ: 奈良柚莉愛
宗介: 土井洋輝
リサ(宗介の母): 山口智子
耕一(宗介の父): 長嶋一茂
グランマンマーレ(ポニョの母): 天海祐希
フジモト(ポニョの父): 所ジョージ
ポニョのいもうと達: 矢野顕子

主題歌
「海のおかあさん」歌: 林正子
作詞:覚和歌子 宮崎駿 
作曲・編曲: 久石譲 

「崖の上のポニョ」歌: 藤岡藤巻と大橋のぞみ
作詞:近藤勝也  補作詞:宮崎駿 
作曲・編曲:久石譲

 海に棲む少女(少魚?)「ポニョ」の生い立ちはすでにこの物語の展開を予感させるものでした。母親は人魚の「グランマンマーレ」、父親は「グランマンマーレ」に恋をして、汚れた人間界を捨てて海を選んだ男「フジモト」。しかし海洋汚染も進んでいる。海底に特殊なコロニーを作り上げた父親は、そこで「ポニョ」とたくさん(!)の妹たちを育てていました。「グランマンマーレ」は多産な人魚ですね。「木花之佐久夜ひめ」のようだと思いました(^^)。

   その海とそれを抱いている小さな町が舞台です。その町の海辺の崖の上の一軒家に住む五歳の少年「宗介」は、ある日、クラゲに乗って海底のコロニーから家出した「ポニョ」と出会う。地引網にかかって浜辺近くで困っていたところを、「宗介」に助けてもらったのだ。この「宗介」の名前を決めたのはもちろん監督の宮崎駿ですが、この名前が、夏目漱石の「門」の主人公からとったものだそうです。
 一目で宗介のことを好きになるポニョ。宗介もポニョを好きになる。「ぼくが守ってあげるからね」という可愛い約束は二人の大きな試練となる。「ポニョ」が人間になりたいと願ったため、海の世界は混乱に陥り、「宗介」の父親の船を含めて、海上の船は難破する。人間の町に大洪水を引き起こすことになるのだが。。。

 どんな時代であれ、五歳の少年から見た世界は美しく生きるに値する。

 この映画のなかに監督が盛り込んだメッセージは、微細でありながら非常に多くのものがあります。例えば海の中の描き方です。古代魚も含めて魚類の豊富さを示していたこと。そして洪水という海の怒り、地引網漁の海底破壊など。
 また「宗介」の通う保育所「ひまわり園」はデイケアサービスセンター「ひまわりの家」に隣接していること。これはすでに行われているシステムですね。ここで老人と子供の人間関係を育てようという試みです。そしてこの「ひまわりの家」に働いているのが「宗介」の母親です。毎朝二人は崖の上の家を車で下りて、通っているのでした。

 大洪水の後で「ポニョ」は人間の少女として、グランマンマーレ(ポニョの母)から、リサ(宗介の母)に託されます。これは海や空から託された願いの姿だったのでしょう。この物語が特異と思えるのは、映画鑑賞中に目を被いたくなるような「悪役」がどこにもいないことでした。大洪水の犠牲者もいなかったのでした。

 (おまけ)
 ポニョのたくさん(!)のいもうと達の声を担当したのが「矢野顕子」だったと後で気付きましたが、これほどの適役は他にはいなかったことでしょう。にこにこにこ。。。
Posted at 15:52 in movie | WriteBacks (0) | Edit
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