Feb 26, 2005

骨ビル(1998.2.24)


鉄骨だけになった建物を
風が通過していく
ポリエチレンの切れ端が
錆びたボルトから
いくつもたなびいている

白い骨には
目が仮構する骨の人の念が
染みついているだろうか
その音楽は
人体ビルの骨に
それは君が見る壁面の染みだ
と鳴っている
だから色素は
僕の知らない水の流れに
消えかかる灯篭の
またたきであり
骨ビルにもびゅーびゅー風が通る

でも溶岩は
細かく目に沈殿し
像を結ぼうとする

黙す唇の
ささくれに付いた絵の具で描かれたと思われる
伝言を遂げることが
骨を少しは白くする

霧の中で
骨ビルは常に風にさらされて
一面のビル群が
目覚めてくる

Posted at 09:39 in poem | WriteBacks (0) | Edit
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