Feb 26, 2005

ある駅の陰(1997.2.18)


時折り
ある駅前の街が浮かんでくる
黄色と黒の遮断機
質屋のガラスケースの古いギター
額のあたりに木漏れ日をまだらに受けて
歩いている駅前の
街が

噴水が黒い水を夕陽に
すすけた屋根が続いていた
管から噴いていたもの
いつごろから水たまりを作ったのか

右のこめかみ
駅に上る階段の陰が
庇のように連なってくる
見られていたのだろうか
そうは思えない

あの人が現れるのは
まだずっと後だった
小さな響きが始まるのは

Posted at 09:39 in poem | WriteBacks (0) | Edit
WriteBacks
TrackBack ping me at
http://www.haizara.net/~shimirin/blosxom/blosxom.cgi/poem/poem035.trackback
Post a comment

writeback message: Ready to post a comment.













Captcha:
To prevent comment spam, please retype the characters in this image:

Enter the text here: