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幼年 投稿者:あきこ 投稿日:2007/07/23(Mon) 18:07 No.354  

 過日、詩人たちの朗読会に行きました。テーマは「幼年」ということに統一されていたのは、聞き手としてはとても聞きやすいもの。朗読の後で司会者の詩人たちへの「あなたの幼年について一言。」という質問にはさまざまな言葉が返ってきました。一番心に残ったのは、我が憧れの詩人(ご本人はご存知ありません。念の為。)新井豊美さんの「戦争」でした。これは自ら望んだ時代に生まれることのできない悲痛な思いがいたしました。

 子供は初めに大人の世界に産まれ出てくる。そこはなにもかにも子供には大きすぎる世界だ。この巨人の国で子供は少しづつ大きくなる。人生はそれからの時間の方がはるかに永い。その時間のなかで人間はどこまで「内なる幼年」を養いつづけることができるのだろうか?それは決して「純粋性」という意味ではない。

 ここで断っておきますが、わたくしは「トラウマ」という言葉が嫌いです。幼い記憶がこういう言葉で言い換えられることだけはどうか避けて欲しいと願います。

 「幼年」の記憶とは、実質的に見ると、祖父母、父母などの大人のお話と、自らのかすかな記憶との混在したものではないでしょうか?そこが「少年期」「少女期」との踏み上がる記憶の階段数の違いではないだろうか?


  喪失ではなく    吉原幸子

  大きくなって
  小さかったことのいみを知ったとき
  わたしは爐┐Δ佑鶚瓩
  ふたたび もった
  こんどこそ ほんたうに
  はじめて もった

  誰でも いちど 小さいのだった
  わたしも いちど 小さいのだった
  電車の窓から きょろきょろ見たのだ
  けしきは 新しかったのだ いちど

  それがどんなに まばゆいことだったか
  大きくなったからこそ わたしにわかる

  だいじがることさへ 要らなかった
  子供であるのは ぜいたくな 哀しさなのに
  そのなかにゐて 知らなかった
  雪をにぎって とけないものと思ひこんでゐた
  いちどのかなしさを
  いま こんなにも だいじにおもふとき
  わたしは爐┐Δ佑鶚瓩髻,呂犬瓩得犬る

  もういちど 電車の窓わくにしがみついて
  青いけしきのみづみづしさに 胸いっぱいになって
  わたしは ほんたうの
  少しかなしい 子供になれた――

  (詩集「幼年連祷」より。)



類句&無断引用 投稿者:あきこ 投稿日:2007/07/19(Thu) 20:15 No.352  
淋しい指から爪がのびてきた   住宅顕信(すみたくけんしん)

淋しいからだから爪がのび出す    尾崎放哉

 住宅顕信は二十六歳で夭逝しています。自由俳句律の尾崎放哉に私淑していました。このお二人の境涯は病魔と孤独との日々でもあったのです。当然、尾崎放哉のこの句を意識しているはずですが、それがどうなの?と言いたいような名句ですね。

鮎川信夫の詩「跳躍へのレッスン」にはこのような詩行があります。

http://www.haizara.net/~shimirin/on/akiko_02/poem_hyo.php?p=20

   一期の夢だから
   狂え狂えといっても
   身は現つのままで
   千仞の崖っぷちに立つ

これは「閑吟集」にある「一期は夢よ ただ狂え」を受けて書いているのでせう。昨今詩の世界で「無断引用」などと言う問題が話題になっていますが、こんなことはとうの昔からあったこと。文句を言う前に「無断引用」されるような魅力的な詩行を書き残したいものですね。

あ。ちょっと酔っ払ってるかな(^^)?



Re: 類句&無断引用 あきこ - 2007/07/20(Fri) 14:33 No.353  

自分の「爪」を切りながら、さまざまなことを想う。絶え間なく伸び続けるもの、容赦ない時間の流れのことなど。。。

幼い子供の桜貝のような爪をおそるおそる切った日々のこと。老いた病気の父の白濁した爪を切った日々のこと。今読んでいる柳田邦男の「犠牲」のなかで、植物状態になった息子さんの爪もきっと伸びているにちがいないし。。。



名前を名乗りなさい。 投稿者:あきこ 投稿日:2007/07/17(Tue) 12:53 No.351  
昨日、このようなタイトルのメールが届いた。

『詩誌「○○○○○」の流れを汲む渾身の作品です。共感を頂ければ幸いです。』

文面には「渾身」の作品が一編書かれていました。
送り主のアドレスから察すると携帯電話からのメールです。
何故わたくしの名前を知りながら、ご自分のお名前を名乗らないのですか!



卯地臭意 投稿者:あきこ 投稿日:2007/07/13(Fri) 23:01 No.350  

???どうやらこれは、お酒に関する洒落本らしい。
鎌倉時代の仏教色の濃い説話文学「宇治拾遺物語」への皮肉かしらん?

調べたかったことは。【お茶の子さいさい】

「さいさい」は俗謡のはやし言葉らしい、意味あるのかどうか?
「お茶の子」とは、「お茶菓子」「間食」「軽食」のこと。お腹にたまらないことから、たやすくできることを言うらしい。この引用に【卯地臭意】から『此のうへにまだ一升や二升は―――さ』とある。



やまと 投稿者:あきこ 投稿日:2007/07/10(Tue) 13:35 No.344  

やまと=大和、倭

★旧国名の一。奈良県全域に相当。五畿内(大和、山城、河内、和泉、摂津)の一つ。平安遷都以前は歴代の皇居のあった地方。もとは「倭」と書いたが、元明天皇の時、「倭」に通じる「和」の字に「大」の字を付けた「大和」を用いることが定められた。

★日本国の異称。おおやまと。和州。

★唐に対して、日本特有の事物に冠する語。「―言葉」「―なでしこ」

★沖縄で、日本本土を指していう言葉。

★旧日本海軍の戦艦。一九四一年竣工。戦艦としては世界最大で基準排水量六万四千トン、主砲四六センチ砲九門を搭載。四五年四月、沖縄へ出撃の途中、アメリカ軍機の雷爆撃により徳之島西方にて沈没。同型艦に「武蔵」がある。

  *  *

★「本土」=おもな国土。離島や属国などに対していう。



Re: やまと あきこ - 2007/07/11(Wed) 12:14 No.345  

★「畿内」=王城の周辺の地の意。律令国家が定めた行政区域。山背(山城)・大和・河内・摂津の四か国をいい、四畿内と呼ばれた。のち、河内から和泉が分立し五畿内となる。律令国家を形成した諸氏族の居住地域を行政上特別扱いしたもの。


Re: やまと リベル - 2007/07/11(Wed) 22:53 No.346  

以上、「大辞林」より。  (・_・;)


Re: やまと あきこ - 2007/07/12(Thu) 00:12 No.347  

あああ。リベルさんのいじわる(^^)。
「広辞苑」は軽い電子辞書、ネットの辞書はもっとらくちん、コピーできますもの。一番苦労するのは、上の写真の左端に見える枕みたいな「大辞林」です。



Re: やまと リベル - 2007/07/12(Thu) 02:08 No.348  

やはりそうでしたか。広辞苑はカバーが黒で地がブルーだから、恐らく「大辞林」の第二版だろうと、拝察していましたが(・_・;)


Re: やまと あきこ - 2007/07/12(Thu) 12:31 No.349  

「大辞林」の第三版が出ているようですが、買おうかどうか悩んでいます。辞書は古いものを捨てるわけにはいきませんので、枕が増えて困ります。。。電子辞書がある、ということですが、それは第二版のようなのです。


ポーとミショー 投稿者:冬月 投稿日:2007/07/02(Mon) 12:14 No.332   HomePage
下のポーの詩は、詩の本質を語っているようで、面白いですね。ぼくもときどき、ポーを読み返します。「Alone」という詩が好きですね。自分の少年時代みたいで。ポーは社会に違和感を持ち続けた詩人だったと思いますが、社会を拒否した詩人がミショーで、ぼくは、ミショーにもずっと惹かれてきました。ミショーは画業にも情熱を傾けて、今から見ると、前衛書道みたいな絵画も残しています。先日、はじめてまとまってミショーの画を見て、興味を引かれました。

未完成のものたち
物を言わず笑わず
ウィもノンも言わない顔、
怪物。
亡霊、
向っていく
進んでいく顔。
顔は通り過ぎる。
顔はゆっくりとわれわれの方に向って吹き出してくる……
消えうせた顔。

「幻像たち」『襞の中の人生』(1949)から

しかし、ポーもミショーも俳句を知ったらどうだったんでしょうか。「違和感」や「拒否」で俳句を洗いながら、なお、俳句の持つ共同性を維持できたとしたら。



Re: ポーとミショー あきこ - 2007/07/02(Mon) 15:22 No.333  

下に書いたポーの「ひとりで」は「Alone」の後半部です。冬月さんが観てきたミショーの絵とは、これでしょうか?

http://www.momat.go.jp/Honkan/Henri_Michaux/index.html

ポーとミショーと「俳句」・・・ちょっとわたくしの想像が届かない感じがしますが、たとえば「Alone」を俳句にするとすれば、こんな句がうかびますが。どうでしょうか?

稲びかり少女は胸を下に寝る   加畑吉男  


ひとり   エドガー・アラン・ポー (1809〜1849)

子供時分からぼくは他の子たちと違っていた――
他の子たちが見るように見なかったし
ふつうの望みに駆られて夢中になったりしなかった。
悲しさだって、他の子と同じ泉からは
汲みとらなかった――心を喜ばす歌も
みんなと同じ調子のものではなかった――
そしてなにを愛する時も、いつも
たったひとりで愛したのだ――だから
子供時分のぼくは――嵐の人生の前の
静かな夜明けのころのぼくは――
善や悪のはるかむこうの、あの神秘に
心をひかれたのだった――そして今も、そうなのだ――
今も、あの奔い流れや、泉に――
山のあの赤い崖に――
金色にみちわたる秋の陽の
自分をめぐる輝きに――
疾風のように空をよぎるあの稲妻に――
雷のとどろきに、そして嵐に――
そして雲に
(青い大空のなかでそれだけが)
魔力ある怪物となった雲に――
そうなのだ、そんな神秘に心ひかれたのだ。

――「対訳 ポー詩集・加島祥造編・二〇〇三年第二刷・岩波文庫」より――



Re: ポーとミショー 冬月 - 2007/07/02(Mon) 20:33 No.334  

■ああ、「Alone」の一部だったんですか。どうも見たことあるような、と思いましたが。ミショーの絵画展、それですね。面白いですよ、自分でも描きたくなります。一見、簡単に描いていそうなので。ミショーは絵について、こんなことを言っています。「特別な意図を持たずに描いてごらん。機械的に書きなぐってぐらん。紙の上には、ほとんどいつもいくつかの顔が現れる」(「絵画現象について考えながら」『パサージュ』増補改訂版1963)

稲びかり少女は胸を下に寝る   加畑吉男

なるほど。自作で恐縮ですが、以前、こんな句を作りました。そのときは、ぼくは「Alone」の心境だったんですよ(笑)。

花茨己の中の一少年   冬月




Re: ポーとミショー あきこ - 2007/07/02(Mon) 22:31 No.335  

花茨ですか。「Alone」の美少年が内にいたのね(^^)。

花いばら古郷の路に似たるかな   蕪村



おいで。。。 投稿者:あきこ 投稿日:2007/06/24(Sun) 14:51 No.323  

 マーケットの買い物の行き帰りに通る公園のベンチ、東屋のベンチ、ブランコ、そこに時折、独りぽっちのご老人が腰をおろしている。それだけなら珍しい風景ではない。むしろ現代では見慣れた風景です。そのご老人が気になるのは「おいで。。」と独り言をつぶやくこと。時折その言葉のあとに見知らぬひとの名前が呼ばれることもある。

 関係ないようなあるようなお話。 オイディプス [Oidips] はギリシャ神話中の人物。テーベ王ライオスとイオカステとの子。男の子ならば父を殺し母を妻とするという神託により、生まれてすぐ捨てられる。成長後、父とは知らずにライオスを殺し、スフィンクスの謎を解いてテーベ王となり、母イオカステを妻とする。のち、真実を知って苦悩し、両目をえぐり、娘アンティゴネに導かれつつ諸国を流浪したという。エディプスとも。



覚書として。 投稿者:あきこ 投稿日:2007/06/22(Fri) 10:28 No.320  

 小川洋子の短編集「海」のなかの「ガイド」という一編にこのような言葉がある。

 もとは詩人、今は「題名屋」をしているという老人に、少年は「なぜ、詩人をやめちゃったんですか?」という質問をします。老人は「詩など必要としない人間は大勢いるが、思い出を持たない人間はいない。」と答えます。その「思い出」の題名を付けてあげるのが、今の老人の仕事なのでした。。。



Re: 覚書として。 リベル - 2007/06/23(Sat) 02:03 No.321  

これを拝読して、実は、父との或る思い出に「題名」を付けようとしました。そうしてオイオイ泣きだしてしまいました。

「題名なんか付けられないよお・・・。付けてたまるものか・・・」

小川洋子さんは、”その反応”を承知で、これをお書きになったのでしょう。小川さんのものは「博士の愛した数式」の映画しか知りませんでした。

何か、読んでみます。ありがとうございました。



Re: 覚書として。 あきこ - 2007/06/23(Sat) 12:50 No.322  

わたしも父との思い出はたくさんあります。
そして、最後の父の言葉は「もう、休んでいいか?」でした。
幸田露伴が娘の文に言った言葉と、重なる思いがします。

『仰臥し、左の掌を上にして額に当て、右手は私の裸の右腕にかけ、「いゝかい」と云つた。つめたい手であつた。よく理解できなくて黙つてゐると、重ねて、「おまへはいゝかい」と訊かれた。「はい、よろしうございます」と答へた。あの時から私に父の一部分は移され、整へられてあつたやうに思ふ。うそでなく、よしといふ心はすでにもつてゐた。手の平と一緒にうなづいて、「ぢやあおれはもう死んぢやふよ」と何の表情もない、穏かな目であつた。私にも特別な感動も涙も無かつた。別れだと知つた。「はい」と一ト言。別れすらが終つたのであつた。』

このようにして、幸田文の看護のもと、露伴は昭和22年7月30日朝、市川市菅野で息を引き取ったのですね。



言葉の定着 投稿者:あきこ 投稿日:2007/06/18(Mon) 21:19 No.319  

たとえば、最近読んだ「妖精学入門」によると。。。

 「妖精」という言葉が日本に定着したのは大正時代です。明治三十四年、上田敏は「Fairyに好訳字なし。仮に『仙女』と呼ぶ。」とした。大正末期から昭和にかけて、西条八十は「妖女」、大正十三年、芥川龍之介は「精霊=フエアリー」、大正十四年、松村みね子は「フエヤリー」「妖精」、菊池寛は「仙女」「女の魔神」、同時期に「愛蘭土文学界」を作った吉江喬松、日夏耿之助たちが「妖しい自然の精霊」として「妖精」という訳語を定着させたとのこと。
 「仙女」はすでに一三三二年の「元亨釈書」に用いられ、「風土記」では超自然の存在を「天女」「西王母」「乙姫」と呼んでいる。

 そういえば「Philosophy」が日本で「哲学」という言葉に定着するまでには、さまざまな経緯があり、これも最初は造語だったと言われている。

 言葉は時代のなかで変遷する。その必然性はどこからくるのか?抜き差しならない経緯がない限り、詩のなかでの造語遊びは危険すぎるようだ。



アカンサス・モリス 投稿者:あきこ 投稿日:2007/06/08(Fri) 13:25 No.315  

昨日、近所で撮ったアカンサスの花です。
かつてギリシャのコリントの町で少女が死んで、アカンサスの生えている所に埋葬されて、その墓に少女の思い出の品を入れたバスケットを置いたそうです。そして翌年にアカンサスの若葉が出たとき、その葉はバスケットを美しく縁取ったそうです。彫刻家のカリマコスがそれを見て、その線の美しさにひきつけられ、ギリシャのコリント建築の柱頭の飾り彫りにしたそうです。

たしか、ウイリアム・モリスもこの葉を描いていたと思いますけど、「モリス」は偶然の一致でせうか???

また、ギリシャ神話では、太陽の神アポロンの求婚を断った娘が、アポロンの逆鱗にふれて、彼女をアカンサスに変えてしまったというお話もあります。アカンサスには鋭い爪のようなとげがあるようです。

アカンサス文様
http://bymn.pro.tok2.com/karakusa/achanths.html

ウィリアム・モリス
http://bymn.pro.tok2.com/karakusa/morris.html

この写真では葉っぱが見えませんね。後日葉っぱの写真を撮って、アップいたします。



Re: アカンサス・モリス あきこ - 2007/06/09(Sat) 16:04 No.316  

アカンサスの葉です。



Re: アカンサス・モリス あきこ - 2007/06/09(Sat) 16:06 No.317  

これが「トゲ」なのかな???



Re: アカンサス・モリス あきこ - 2007/06/09(Sat) 16:07 No.318  

実もありました。ちょっとボケてます。。

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