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天野忠 投稿者:POEM 投稿日:2009/02/21(Sat) 10:54 No.1665  
   勇気   天野忠 
         
   この年の最後の鐘が 鳴り終った
   老女ベスは みぶるいした
   この年の死はすぎ去ったのだ しかし
   ――私に残された水は あと何滴………

   ベッドの上で 老女ベスは
   痩せた足の裏をのぞく それから
   ふるえながら ゆっくり
   ゆっくり 今年の初めての階段を降りて行く

   (死が怖くなってきたね、ベスや)

   亡くなった三度目の夫ポールのしゃがれ声が
   おどり場の冷たいくらがりから聞こえる ああ あの声

   (死なんて ほんとは ありゃせんのさ ベスや)

   マジノで戦死した二度目の夫ケネスの声が
   蜘蛛の巣だらけのあの高い小窓から聞える

   (安心しろよ、ベスや、死なんてえのは
    自分は知らずに他人が見るだけのものさ)

   チフスで亡くなった初めての夫サムの声が
   玄関のあの古い傷んだ肘掛椅子のうしろでした

   老女ベスは 家の戸を開ける
   ――新年おめでとう
   四度目の夫が
   笑って入ってきた。

――『動物園の珍しい動物・1966年・文童社刊』より――

http://www.haizara.net/~shimirin/on/akiko_02/poem_hyo.php?p=14



会田綱雄 投稿者:POEM 投稿日:2009/02/21(Sat) 10:49 No.1664  
  伝説    会田綱雄
       
  湖から
  蟹が這いあがってくると
  わたくしたちはそれを縄にくくりつけ
  山をこえて
  市場の
  石ころだらけの道に立つ

  蟹を食う人もあるのだ

  縄につるされ
  毛の生えた十本の脚で
  空を掻きむしりながら
  蟹は銭になり
  わたくしたちはひとにぎりの米と塩を買い
  山をこえて
  湖のほとりにかえる

  ここは
  草も枯れ
  風はつめたく
  わたしたちの小屋は灯をともさぬ

  くらやみのなかでわたくしたちは
  わたくしたちのちちははの思い出を
  くりかえし
  くりかえし
  わたくしたちのこどもにつたえる
  わたくしたちのちちははも
  わたくしたちのように
  この湖の蟹をとらえ
  あの山をこえ
  ひとにぎりの米と塩をもちかえり
  わたくしたちのために
  熱いお粥をたいてくれたのだった

  わたくしたちはやがてまた
  わたくしたちのちちははのように
  痩せほそったちいさなからだを
  かるく
  かるく
  湖にすてにゆくだろう
  そしてわたくしたちのぬけがらを
  蟹はあとかたもなく食いつくすだろう
  むかし
  わたくしたちのちちははのぬけがらを
  あとかたもなく食いつくしたように

  それはわたくしたちのねがいである
  こどもたちが寝いると
  わたくしたちは小屋をぬけだし
  湖に舟をうかべる
  湖の上はうすあかるく
  わたくしたちはふるえながら
  やさしく
  くるしく
  むつびあう

――『鹹湖』(1957年 緑書房刊)より。――

http://www.haizara.net/~shimirin/on/akiko_02/poem_hyo.php?p=1



天野忠 投稿者:POEM 投稿日:2009/02/21(Sat) 10:46 No.1663  
   端役たち     天野忠
          

   破れた去年の蝿叩きをふりふり
   雪積む中を
   男が歩いて行く

   壊れた湯たんぽを抱きしめながら
   夏の炎天裡
   女が歩いて行く ひとりぼっちで

   野越え
   山越え
   ……………

   地獄の門の前で
   彼らは しみじみと
   お辞儀をした

   ――おかわりありませなんだか
   一人が云った
   ――おかげさまで、どうやら
   一人が答えた
   それから門があいた

   ――おいで とやさしく
   鬼の小役人が招いた。

――『動物園の珍しい動物・1966年・文童社刊』より。

http://www.haizara.net/~shimirin/on/akiko_02/poem_hyo.php?p=3



野口シカ 投稿者:POEM 投稿日:2009/02/21(Sat) 10:42 No.1662  
野口シカの手紙
明治45年1月21(3?)日付

おまイの。しせ(出世)にわ。みなたまけました。わたくしもよろこんでをりまする。
なかた(中田)のかんのんさまに。さまにねん(毎年)。よこもり(夜篭り)を。いたしました。
べん京(勉強)なぼでも。きりかない。
いぼし。ほわ(烏帽子=近所の地名 には)こまりおりますか。
おまいか。きたならば。もしわけ(申し訳)かてきましよ。
はるになるト。みなほかいド(北海道)に。いてしまいます。わたしも。こころぼそくありまする。
ドかはやく。きてくだされ。
かねを。もろた。こトたれにこきかせません。それをきかせるトみなのれて(飲まれて)。しまいます。
はやくきてくたされ。はやくきてくたされはやくきてくたされ。はやくきてくたされ。
いしよ(一生)のたのみて。ありまする。
にし(西)さむいてわ。おかみ(拝み)。ひかしさむいてわおかみ。しております。
きた(北)さむいてはおかみおります。みなみ(南)たむいてわおかんておりまする。
ついたち(一日)にわしおたち(塩絶ち)をしております。
ゐ少さま(栄昌様=修験道の僧侶の名前)に。ついたちにわおかんてもろておりまする。
なにおわすれても。これわすれません。
さしん(写真)おみるト。いただいておりまする。はやくきてくたされ。いつくるトおせて(教えて)くたされ。
これのへんちちまちて(返事を待って)をりまする。ねてもねむれません。

http://www.haizara.net/~shimirin/on/akiko_02/poem_hyo.php?p=33



中野重治 投稿者:POEM 投稿日:2009/02/21(Sat) 10:39 No.1661  
今夜おれはおまえの寝息を聞いてやる   中野重治
                            
今夜おれはおまえの寝息を聞いてやる
おれはおまえがおまえの仕事に忠実であることをほめてやる
おれが警察から警察へまわされていたとき
おまえはささやかな差入れものをかかえて次々とまわって来た
それは白い卵をかかえて巣移りする蟻のようだった
しかしそのためおまえがおまえの仕事を少しでも怠るのであったらば
おまえの心づくしを受け取ることがおれにできなかったろう
やがておれが刑務所へまわったとき
おまえはふたたび手を振ってやって来た
しかしもしおまえが
おれたちの引き裂かれたことをおまえの仕事を高めるモメントとしているのでなかったならば
おれは面会所で編笠を取ることができなかったろう
おまえはいつも仕事に忠実であったし今も忠実である
おまえはあした仕事を追うて川越へ行く
おまえは一人でさっさと支度をし
いまはかすかな寝息をたてている
おれはおまえの寝息をかぞえ
おまえの寝息の正確なことをほめてやる
正確な寝息は仕事にまめまめしいもののものだ
おまえはおまえの仕事に常にこまめやかに
それ一つでいい
かつて引き裂かれたおれたちはまた引き裂かれるかも知れない
しかしおれたちがおれたちの仕事にそれぞれ忠実であるかぎり
おれたちを本質的に引き裂く何ものもない
すべての手段を奪ったものも献身による手段を奪うことはできない
おれはおまえの寝息をかぞえてその安らかなことをほめてやる
未来にわたって安らかにあれ
仕事に忠実であることの安心の上に立って

――『中野重治詩集・1935年・ナウカ社刊』より――

http://www.haizara.net/~shimirin/on/akiko_02/poem_hyo.php?p=12



百万本の薔薇 投稿者:千美 投稿日:2009/02/13(Fri) 09:48 No.1639  

……という歌をご存知の方も多いことでしょう。このモデルとなったグルジアの画家は「ニコ・ピロスマニ(1862〜1918)」であり、フランスの女優「マルガリータ」が彼の町を訪れた時に、彼女を深く愛したピロスマニは、その愛を示すために彼女の泊まるホテルの前の広場を花で埋め尽くしたという。この実話はロシアの詩人アンドレイ・ヴォズネセンスキーの詩によって有名になり、ラトビアの作曲家が曲をつけ、モスクワ生まれの美人歌手が歌い、世界的にヒットした悲恋の歌です。日本では「加藤登紀子」によって歌い継がれています。

http://www.pirosmani.org/marias/



Re: 百万本の薔薇 リベル - 2009/02/14(Sat) 04:29 No.1641  

>日本では「加藤登紀子」によって歌い継がれています。

不肖未熟ながら、カラオケにて歌い継いでおりまする・・・^^

まあ十八番の一つで御座いましょうか(赤面)

昨日ダイエーで「今朝採れたバラ、5本で200円」というアナウンスを聞いて買い求めました。百万本ならば、4000万円にあいなりまする^^



Re: 百万本の薔薇 千美 - 2009/02/14(Sat) 11:02 No.1642  

おお。リベルさんの十八番の一つであったとは!

カラオケは3度くらい友人に連れていっていただいたことはあります。しかしいざとなると歌えるのは、盲目の歌手「長谷川きよし」の「黒の舟歌」しかありませんでした。

これ↓は「忍冬(すいかずら)」と2曲入っていますが、後半に聞けます。この歌は「加藤登紀子」も歌っていますね。

http://www.youtube.com/watch?v=nJJLDDl_dGs

http://www.youtube.com/watch?v=QaxqfLm1mmA



Re: 百万本の薔薇 千美 - 2009/02/14(Sat) 11:21 No.1643  

肝心なものを。。。

http://www.youtube.com/watch?v=4D6qhcYHabk

明日はこわ〜い原稿〆切なのに、遊んでいてはいけませぬ(^^)。



Re: 百万本の薔薇 KTM - 2009/02/14(Sat) 21:10 No.1644  

〆切りの後には、

百万本の薔薇の花を〜あなたにあなたにあなたにあげぬ〜(笑)♪



Re: 百万本の薔薇 KTM - 2009/02/14(Sat) 21:22 No.1645  

でも、よろしく!
がんばって!

書き直しているうちに上の2行が抜けてしまいました。



Re: 百万本の薔薇 千美 - 2009/02/14(Sat) 22:35 No.1646  

う。う。う。今からプリントします。

どうやら書き上げた。傑作だぞ♪

「ぬ〜♪」は「る〜♪」の書き間違いでしょ♪♪♪



パスカル著作集・第四巻 投稿者:千美 投稿日:2009/02/13(Fri) 17:14 No.1640  
「パスカル著作集・第四巻・プロヴァンシアル・教文館:1980年6月刊」をやっとつかまえました。お隣の市立図書館からまわってきました。まだちょっとしか読んでいませんが、嬉しいからご報告。
(あぁ。苦労しました。)

奥付を見たら「配給元・日本キリスト教書販売株式会社」というものがあります。
「発行所・株式会社教文館」とも。「配給元」と「発行所」はどう違うのか?



深夜のメモ 投稿者:千美 投稿日:2009/02/11(Wed) 02:09 No.1636  

理性、判断力はゆっくりと歩いてくるが、
偏見は群れをなして走ってくる。
(ルソー 《エミール》より。)

ぱらぱらと拾い読みしていたら、出会った。



Re: 深夜のメモ 理性は孤高を持して歩む - 2009/02/12(Thu) 17:22 No.1637  


>理性、判断力はゆっくりと歩いてくるが、
>偏見は群れをなして走ってくる。

理性⇔偏見
歩く⇔走る

と対句でくれば、

単独あるいは孤高⇔群

ざんしょね。フランス語は知らないけれど。



Re: 深夜のメモ 千美 - 2009/02/12(Thu) 18:46 No.1638  

>理性は孤高を持して歩む

なるほどね。ザンショネせんせい(^^)。



プロヴァンシアル 投稿者:千美 投稿日:2009/02/07(Sat) 21:41 No.1630  

過去ログで紹介しましたK氏の「パスカル著作集(全7巻・別巻2)田辺保訳:教文館刊:1980年初版」ではなくて、「田舎の友への手紙―プロヴァンシアル―:森有正訳:白水社」というものが県立図書館にあることをネットで探しあてて、地元の図書館に回送して頂きました。

今日、わくわくしながら受け取ってびっくり!昭和24年の本で、セピア色になった本でした。よくぞご無事で。。。しかしながら、この本はパスカル原文を翻訳したものではありませんでした。「森有正訳」ではなくて、全文彼の解説と考察でした。ううむ。もう一度仕切り直しです。記念写真を撮っておきました(^^)。



Re: プロヴァンシアル 千美 - 2009/02/07(Sat) 21:48 No.1631  

「第16の手紙」はこのようなものです。



Re: プロヴァンシアル 千美 - 2009/02/08(Sun) 11:06 No.1632  

もう1枚、記念撮影しました。
奥付の後、背表紙の内側には、昔はこのような貸し出し用の図書カードの記載がありました。紙ポケットの中のカードは図書館側が預かるものだった。



Re: プロヴァンシアル リベル - 2009/02/08(Sun) 17:18 No.1633   HomePage

よく突き止められましたね。

仰有るとおり「パスカル著作集・第四巻・プロヴァンシアル・教文館:1980年6月:価格:2,625円」というのを見付けました・

徹底的にルーツを探ろうというのは、私だけかと思っていましたが・・・シャッポを脱ぎました・・・^^



Re: プロヴァンシアル 千美 - 2009/02/08(Sun) 22:15 No.1634  

ありがとうございます。
どうしても気になって、こういう機会にこそ古くて新しいものに出会えるものではないか?と思いまして、探してみました。

上の「第16の手紙」の解説に書いてありますように、これらの手紙のなかで最も長い手紙のようですね。



Re: プロヴァンシアル 千美 - 2009/02/09(Mon) 18:25 No.1635  

こわごわと、この本を読んでいますが、「解説書」としては大変に優れた本です。持ち歩きはできず、自室の机の上に置いて、そっとページを繰るのですが。。。

「教文館」の「パスカル全集」が見つかる前にこれに出会ったということも思わぬ幸運だったかもしれません。



竹内好(再) 投稿者:金魚 投稿日:2009/01/30(Fri) 19:55 No.1628  
差別は被差別者の眼には見えるが、差別者の眼には見えない。けれども差別が本性をおかし、腐蝕作用をおこすのは双方に対してであって、一方に対してだけではない。ちがいは、自覚するかしないかだけである。


Re: 竹内好(再) 千美 - 2009/01/30(Fri) 22:42 No.1629  

お久しぶりです。これ↓は「ふくろう日記」からの転記ですが。

 『新しい自己の発展の途上にある少女や婦人は、ただ一時的に男性の無作法や作法の模倣者となり、男性の職業の反復者となるだけです。そのような不安定な過渡期ののちに、女性たちがこのような(しばしば笑うべき)仮装のおびただしい量と変化の中を通過したことが、ただ歪曲を迫る異性の影響から彼女らの本質を、浄化しようとするためであったことがわかるでしょう。女性の中には生が一層直接に、一層生産的に、一層親密に宿り住むものですから、肉体の果実の重みによって生の水面下に引き込まれた経験を持たぬ軽薄な男性、うぬぼれが強く性急で、彼が愛していると考えているものを実は軽蔑している男性よりは、女性の方が根本においては遥かに成熟した人間、一層人間的な人間になっているはずです。苦痛と屈辱の中を耐え通した、こういう女性の人間性は、女性がその外的身分の変化と共に、単に女性的にすぎない因襲を脱ぎ捨てた暁に明らかにあらわれてくるでしょう。(中略)そしてこのより人間的な愛(それは結ぶにも離れるにも、すべて限りなく思いやり深く静かに、善意をもって曇りなく行われるものでしょう)は、私たちが骨おり苦しんで準備しているあの愛、つまり二つの孤独が互いに守り合い、限界を破らず、挨拶し合うことにおいて成り立つあの愛に似通うものでしょう。』

ライナァ・マリア・リルケ(1875〜1926)「若き詩人への手紙」

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