Sep 22, 2025
スーラと一緒に そのはち

こんな感じのところだけど、
気に入ってくれたかしら。
もちろん。
今のリンリンさんって、
チンパンジーですよね。
それにカウンターにはペンギン頭の人が。
そう。
事情を話しておくとね。
このホテルを運営しているのは、
魔法の影響で賢く生まれたチンパンジーやゴリラや、
ヴィヴィアンの魔法によって
人間の姿になった魔法生物たちで、
犬猫猿鳥同盟っていうの。
ホテルの支配人は滅多に顔を出さないけれど、
マリアっていう魔族の娘さんよ。
ホテルの宿泊客は魔族の人間か、
裏の広場にある転送装置から来る宇宙からの観光客で、
普通の人間は滅多に泊まりに来ない。
そういう環境だけど、
普通の人に会いたければ、近くにマークの村がある。
さっきのフラハの家に行って、
頼めば、喜んで案内してくれるわよ。
ここを拠点に人間の姿の生活を楽しんでね。
私はこれから戻るけど、
その前に、ここに泊まっている
ハリー夫妻に挨拶をしに行きましょう。
あなたを紹介するときっと喜ぶわ。

二人はハリー夫妻が宿泊している部屋を訪ねた。
あら、珍しいお客様ね。
ハリー、サラが来たわよ。
とハリーの妻のカーミラが言っている。

自己紹介を済ませたスーラと、
ハリー夫妻との会話が弾んでいる。
水の精霊バルとは親しくしているが、
元素の精霊がみんな人間の姿をしてるとはね。
ヴィヴィアンさんの魔法のおかげなんですよ。
私たちは本来はそんな変身能力は持たないんです。
それで人間界をいつも見ていて、
私も憧れたりもしていたんです。
そういえば、バルもヴィヴィアンの魔法で
水たまりの氷から人間の姿になったんだったな。
ヴィヴィアンは私たちの大事な一人娘だが、
悪魔になってから、好き勝手に魔法を使っている。
もう手に追えなくてね。
あのー、私そろそろおいとましますね。
とサラが言った。
あらもう帰っちゃうの?
とカーミラが言った。
ええ。積もる話はまた今度。
ハリーさんたちは町には来られないんですか?
ハロウィーンには行くつもりよ。
じゃあその時お会いできるかもしれませんね。
では、スーラさんをよろしく。
了解。ヴィヴィアンに会ったら
たまには顔を出すように私が言ってたって
言ってね。

サラがホテルを出ると、
リンリンが気がついて追いかけてきた。
サラさん、
ちょっといいでしょうか?
ええ。
もうすぐハロウィーン月間ですね。
今年も仮装コンテストやるんでしょうか?
僕たちにとっては、変な目で見られずに、
人と交流できる年に一度のイベントなので、
みんな楽しみにしてるんです。
そうなんでしょうね。
仮想コンテストのことは特に聞いてないけど、
あなたたちがそう言ってたってルビーに話しとく。
ありがとうございます。
じゃあ、お気をつけて。

時は省略するかのように流れ、
サラは自分の部屋に戻ってきた。
おかえりーと言われている。

部屋にはたまきが来ていた。
相変わらず、
忙しそうだね。

二人は話している。
サラのアドバイスのおかげで、
YouTube動画「広場の四季」ができたのよ。
そのお礼と感想を聞きに来たの。
お礼なんて。
広場の年中行事を
まとめたら面白いんじゃないかって
思いついただけよ。
作品はコンパクトに
よくまとまってたじゃない?
年中行事って言えば、
もうすぐハロウィーン月間だね。
とジェットが言った。
またひと月のお祭りイベントが始まる。
そうだ、仮装コンテスト今年もやるんでしょうね。
ルビーに魔法生物たちが
楽しみにしてるって、伝えに行かなくちゃ。
とサラが言った。
私も付き合うわ。
ルビーたちの感想も聞きたいし。
とたまきが言った。
また出かけるんだ。
いいなあ。
とジェットは思っている。
解説)
続きます。
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