Jun 16, 2026
反転攻勢

城門が開かれ、
反撃が始まった。

ロボットたちも、
出陣している。

早速、あちこちで空中戦が始まった。
何だこりゃ。
と言っている。

お前は去年は
仲間じゃなかったのか。
悪いな。
事情が変わったんだ。
とアーキスは言いながら
噛み付いている。

まずはお城の庭園から
駆除しましょう。

この銃、けっこう破壊力あるのね。
とドロレスが言っている。
夢食いモンスター専用の
銃だからね。

こいつは何なんだ。
夢食いでも人間でもなさそうだな。
私はミトラ。
恨みはないけど、
かかってくるなら受けて立つわよ。
望むところだ。
モンスターたちは
突進してきた。

ミトラは頭部の覆いを閉じると、
鉄球を振り回した。
背後から迫ったモンスターを
ヒゾッコが追撃している。

セリーヌはフェルミに
銃の扱い方を教えている。
あなたは戦闘用に作られた
ロボットなんでしょ。
軍からすぐに逃げ出したので、
軍事訓練を受けてないんですよ。
解説)
続きます。
Jun 15, 2026
新たな助っ人

結界の力が弱まり、
モンスターたちは
ひたひたと進み。

お城の周囲の森にも
侵入してきた。

我が物顔で
飛んでるなあ。

まだお城には入ってこれないのね。
でも時間の問題だよ。

応接間にみんな集まっている。
サラは?
フミコという方を
呼びに行かれました。
とオウルが答えた。
私もバーボンハウスに戻って
仲間を呼んでくるわ。
こっちも物量で対抗しないと。
とツナが言った。
あなたは人間でしょう?
フィギアの精霊なら、
この世界で消されても
本体から再生できるけど、
人間のお仲間だとそうは行かないわよ。
とシモーヌが言った。
私たちの仲間はほとんどロボットなの。
だから壊れたら修理できるのよ。
仲間たちは荒廃した未来の世界で
生き抜いてきた連中だから、
戦闘にも慣れてる。
鏡の扉を借りるわね。

ツナが出かけたのと入れ違いに、
サラがフミコを連れて戻ってきた、
フミコにエリーゼの危機のことを言ったら、
快くきてくれたの。フミコは
昔、魔族のリーダーだったこともあるから、
頼りになるわよ、とサラが言っている。
助かるわ。
お城の周囲にはった
結界が消えかかっているの。
すぐに補強しましょう。
とフミコが言った。

ツナもバーボンハウスから
仲間を連れて戻ってきた。
みんな連れてきちゃったの?
とナディアが呆れている。
これでも戦闘要員だけよ。
バンクやイリスやドーダたちには留守番してもらった。
ざっと右から紹介すると、
砲塔型ロボットのコーダに犬型ロボットのソーダ。
大きいのが戦闘用サイボーグのミトラ、
ミトラの肩にのってるのが昆虫型のジョンとポール。
戦闘用ロボットのフェルミに、
サイボーグの恋町舞子に、レイチェルにドロレス。
宙に浮かんでるのが蝙蝠型ロボットのヒゾッコよ。

フェルミ、未来の世界では
あなたと同じタイプのロボットと
私たちは散々戦ったのよ。
とナディアが言った。
そうらしいですね。
でも私は初期型で軍を脱走したので、
戦闘は初めてなんです。
ナディアさあ。
トラウマになってるのは
私も同じだけど、
この際、解消する良い機会だよ。
とツナが言った。

ドロレスさん、あなたは人間なのでは?
いいえ、こう見えて私はロボットなんです。
多分ご存知ないと思いますが、
シェリー博士が作ってくれたんです。
サイボーグのミトラは脳は人間なんですよ。

一同は広間に集まった。
ドロレスとシェルは
再会を喜んでいる。
フミコが結界を補強してくれたから、
お城の防御は万全。
こちらから撃って出て、
周辺のモンスターを一気に殲滅しましょう。
レイチェルと舞子は
お城で待機して。
私も戦いたい。
あなたはロボット学者でしょ。
メンテをお願い。
とツナに言われている。
解説)
続きます。
Jun 14, 2026
ディアナたちの避難

ディアナはカマキリと共に
森に向かっていた。
お花畑は戦場になったわね。
ここも危ないわ。

寝ていた大トカゲを起こした。
夢食いのモンスターが群れをなしてきてるの。
山の洞窟に逃げましょう。

しかし見つかってしまった。

群れを追ってきたアーキスとナディアが
立ち向かってくれた。
ナディアは、空から弓のセットを
地上に落としている。
それは、セリーヌの弓よ。
夢食いモンスター用に作られた武器なの。

ディアナは弓を手に取ると矢を放ち、
襲われていた大トカゲを
助けている。
あ。
と言い合っている。

ディアナ様
ありがとうございます。
頑張って。
目指す洞窟はすぐ先よ。

あそこに避難するの。
うす。

一行は洞窟の中に逃げ込んだ。
しかしモンスターたちは
突入する様子だ。

その時マルテが立ちはだかった。
なんだあのタコは。
という声がする。
一瞬、激しい閃光が広がり。

モンスターたちの姿は消えてしまった。
どうなったんです?
見ての通りだよ。

なんだ、君はシモーヌじゃなかったのか。
私は鹿のフィギアの精霊のディアナ。
人間の姿にしてもらった時、
シモーヌとそっくりの顔にしてもらったの。
みすずの家でお会いしたでしょう。
執筆に夢中だったからな。
そうか、それで、
私の草稿はどうなった?
シモーヌたちとは別行動してたので、
私は知りませんん。
そうか。
解説)
続きます。
Jun 13, 2026
お花畑の戦い

翼をもつモンスターたちの
一群がやってきた。

ディアナは飛行用器具を
装着して飛び立った。

激しい空中戦が行われている。

お花畑でも地を這うモンスターたちが
弾幕を抜けて襲ってきた。

立ち止まっていたら
囲われて標的にされる。

シモーヌは派手な魔法の呪文を唱えて、
モンスターたちを消滅させていた。

シノは前方の敵を倒した直後、
背後から襲われている。
だめだ間に合わない。

シノはシェルの中に閉じこもった。
モンスターはセリーヌの銃弾を浴びている。
か、硬すぎる。
とモンスターが言って、
消えていく。

随分倒したけど、
キリがないわね。
一旦お城に戻りましょう。
解説)
続きます。
Jun 12, 2026
不穏な動きと対策

夢食い蜘蛛は、
湖の湖畔に来ていた。
あれがカマキリが言っていた
恐竜型の遊覧船か。
どこにもフクロウの姿が、
見えないぞ。

蜘蛛は遊覧船に乗り込むと、
小島を目指した。

船は小島に到着した。
もう飛び立っている
モンスターたちがいる。

人面蜘蛛様。
集合時間に遅れてすみません。
どこに出現するか
選べないんだから仕方ないわね。
どうやってここに来たの?
遊覧船を拝借しまして。
なんだと。船があるのか。
でかしたやつだな。おやまたお前か。
ふむ。さっそく、その船を使って
上陸しよう。
とローゴスが言った。
モンスターたちは歓声を上げている。

ローゴスや、地を這うモンスターが、
続々と上陸している。

サラとナディアがお城を出て
歩いていた。
お城の周辺に結界を張ったって
シモーヌが言ってた。
でも効力は長続きしないらしいわ。
それで私たちは、
お花畑で待ち受けるっていうわけね。
あ、お花畑はこの先でしよ。
この辺でいいから、
サラはお城に戻ってよ。

セリーヌとツナも城門を出て
歩いていた。
どのくらいの数で来ると思う?
アスラーダっていう死霊が
どれだけ仲間を集めるかによるわね。
相手が普通の夢食いなら、
みんなに配布した武器で十分戦える。
ただローゴスに無効なのは
去年でわかってるから、
あいつが来ないことを祈るわ。
シモーヌの魔法頼みっていうことか。
それに死霊に武器は有効なの?
死霊なんて相手にしたことがないけど、
無理な気がする。

お花畑にみんな集まっていた。
ここは見晴らしがいいから、
迎え撃つには絶好ね。
敵からも丸見えだけど。
ナディア、何か見える?

見える見える。
うじゃうじゃいるよ。
解説)
続きます。
Jun 11, 2026
助っ人を呼ぶ

鹿せんべいを食べに、
お城に戻ったピリカたち。
ピリカはシモーヌに報告している。
お花畑のカマキリが
蜘蛛に出会ったって言ってたわよ。
シモーヌが呼んだのかって。
私は呼んでないわ。
それはきっと夢食い蜘蛛よ。
食べられたのにまたやってきたんだわ。
とシノが言った。
ということは、
アスラーダが夢食いを連れて、
この世界に来るっていうことね。

シノはシェルに乗り込んだ。
かっこいいね。
とピリカに言われている。
サラはシモーヌに、
私、援軍を連れてくる。
と言っている。
当てがあるの?
ヴィヴィアンとアイスは
航海に出て連絡が取れなくなっているけど、
「忘れられた夢の世界」の
東の砂漠で探索したり警護している、
モンスターハンターたちがいるの。
一年前にも夢食いのローゴスを倒したのよ。
わかった。
私はアーキスに声をかけるわ。

シモーヌたちは城門を出た。

どうした。
シノは勇ましい格好だな。
あなたの食べた夢食い蜘蛛が
また侵入したらしいのよ。
エリーゼの居場所を報告したとしたら、
アスラーダが、
夢食いを引き連れてくるかもしれないの。
見つけ次第駆除してちょうだい。
おお、戦いか。
望むところだ。
ディアナは、
カマキリや森の大トカゲに
避難するように言ってきて。
あ、洞窟の福郎とマルテにもね。
わかったわ。

サラはアイスから
教えてもらった呪文を唱えている。

サラは「忘れられた夢の世界」の
東の砂漠にあるセリーヌの家に
出てきた。
おやサラか。
こんな最果てに来るとは珍しいね。
緊急事態なの。
シモーヌの作った「常春の国」っていう世界が、
夢食いに襲われるかもしれない。
助けてくれない?
それは、私の専門ね。
と、恐竜図鑑を読んでいた
モンスターハンターのセリーヌが言った。

砂漠の家には留守番にラルゴを残して、
セリーヌとナディアとツナが、
サラと一緒に移動してきた。
サラ様、オウル様が
昼寝からお目覚めになって、
広間におられます。

広間には、フクロウたちが
集められていた。
みなさん、この中にはこれまで、
夢食いに襲われたことのあるものは
いないと思います。
普通シモーヌ様のような
魔族の見る夢や魔族の作った世界には、
夢食いは侵入してこないと言われますが、
それが今起きようとしているのです。
恐ろしや恐ろしや。
という声がする。

もし襲われて体が消え去ることがあっても、
シモーヌ様がきっと復活させてくださいます。
私の場合がそうでした。
だから怖がらずにお城に閉じこもっていましょう。
それに、サラさんが
別世界から助っ人を呼んできてくれました。
夢を支配したがる暴力的な夢食いを専門的に退治する、
モンスターハンターと呼ばれる夢食い。
そんなセリーヌさんと、
お友達のナディアさんとツナさんです。
ご健闘をお祈りしましょう。
頼もしや頼もしや
という声がする。
なんかすごく期待されてるみたいね。
とツナが言っている。
解説)
続きます。
Jun 10, 2026
お花畑で

蜘蛛は仲間の蜘蛛たちから
呼びかける信号を受信したが、
それは小島から発信されていて、
行き着けなかった。

あの怪鳥に見つかると、
また食べられちゃう。

蜘蛛は近場の花畑の中に
隠れることにした。

しかし、昼寝していたカマキリに
見つかってしまった。
あんたは誰?

もしかしてあんたは
蜘蛛のフィギアの精霊なのかい?
え、まあそんなとこです。
シモーヌ様がフィギアを見つけて
精霊を送ってくれたんだね。
そ、そうなんです。
あの。湖の小島にいきたいんだけど。
あそこは無人島で誰もいないよ。
どうしても行ってみたいんなら
恐竜型の観光船が湖を周回してるから、
船頭をしているフクロウたちに頼んで
乗せていってもらったら?
そうなんですね。

その頃、お花畑の水飲み場では、
お城から出かけたピリカが
エドとディアナに出会っていた。
シモーヌたちと一緒にお城に来たの。
鹿せんべいのお土産があるのよ。

ピリカは人間の姿に戻って、
エドの背中に乗せてもらっている。
エリーゼとケイトが
お城に住むらしいよ。
どんどん住人が増えているのね。
賑やかになって結構なことだわ。

一行はカマキリと出会った。
さっき蜘蛛と出会いましたよ。
それは妙ね。
シモーヌが住民を増やしたのかしら。
蜘蛛って、夢食い蜘蛛じゃない?
さっきお城でシノが話してたのを聞いたわ。
食べられちゃったって言ってたけど、
また来たのかしら。
とピリカが言った。

その頃、湖の小島には、
夢食いたちが、どんどん出現していた。

なんだここは。島の中じゃないか。
エリーゼは森に囲まれた城にいるんだろう。
とローゴスが言っている。
仕方がないのよ。
私はここに飛ばされちゃったんだから。
ここが集合場所なの。
と人面蜘蛛が言った。
また島の中に出たのか。
俺は去年もこうだったよ。
俺は泳げないんだ。
と巨大なドラゴンのような
夢食いモンスターは言った。
わはは。
俺たちは空を飛べるから、
先に行って住人をみんな食い殺してやるよ。
と翼をもつモンスターが言った。
うむ。まあ任せたよ。
いつものパターンだしな。
とローゴスは言った。
解説)
続きます。
Jun 09, 2026
お城で

サラたちは常春の国のお城に
到着した。
お戻りになられましたか。
オウル様がお待ちです。
とミネルバが言っている。

エリーゼたちは
応接間に案内された。
オウル。待たせちゃったわね。
おお、シモーヌ様。
こちらの方たちも
お見えになられました。

あら、シノにシェルじゃないの。
どうしてまた。
とサラが言った。
この世界には、
ディアナに付き添ってもらって、
初めてきたんだけど、
ちょっと訳があったの。
そう言って、シノは
エリーゼの居場所が知りたという、
夢食い蜘蛛を案内してきたことや、
蜘蛛はアーキスに食べられてしまったことを話した。
それじゃ、
今頃報告してるわね。

私のために、この世界が
危険になっちゃったっていうことですね。
なんて言っていいか。
とエリーゼが言った。
アスラーダは、どこに行っても
あなたを追いかけてくるんでしょう。
それがたまたまここだっていうだけよ。
いつかは決着をつけないと。
私もアーキスもいるし大丈夫。
とシモーヌが言った。

ミネルバから、エドとディアナが
お花畑にいると聞いたピリカは、
小鹿の鹿の姿に変身した。
私、鹿せんべいがあるからって、
二人を呼んでくる。

そうそう。
お二人のお部屋のご用意ができてます。
ご案内しましょう。
とミネルバが言った。

エリーゼたちは
寝室に案内された。

ふかふかのベッドね。
ここならよく眠れるわよ。
アスラーダが来たら
私がすぐ起こすから大丈夫。
とケイトが言っている。

ついてきちゃったのね。
とシモーヌが言った。
窓際にユリイカがいるのが、
サラにもはっきり見えた。
ふーん。
あれが噂のお化けか。
とてもイカには見えないなあ。
とサラが言っている。
解説)
続きます。
Jun 08, 2026
鹿せんべいなど

ペンギン前のテーブル席で、
シモーヌはローラに
鹿せんべいをわけてもらった。

ちょうどよく
ストックがあったわね。
需要があるのよ。

あ、ところで、ミラ。
死霊を退散させる方法ってわかる?
そういうことは、
あなた方の方が詳しいんじゃない?
結界をはったり、
護符を付けたり。
管理局は管轄外よ。
どこかの惑星の文明社会が
存亡の危機に陥るような
事態になれば動くけど。
シモーヌさん、
取り憑かれたんですか?
そうは見えませんけど。
とバグが言った。
私じゃないのよ。

シモーヌは、鹿せんべいをもらって、
帰り道に高台の休憩所を通りかかった。
ピリカが、
その袋、鹿せんべいでしょ。
と言っている。

よくわかったわね。
需要ってピリカのことか。
匂いでわかるの。
これはエドへのお土産だから、
わけてあげられないのよ。
ふーん。
じゃあ一緒に行って、
エドと一緒に食べる。

シモーヌとピリカは、
サラたちの部屋に到着した。
あら、まあ。
珍しいお化けが。
二人にはお化けが見えるようだ。

私が見えるんですね。
とお化けが言った。
私は子鹿のフィギアの精霊だから。
私はピリカっていうのよ。
あなたのお名前は?
ユリイカ。
と言います。
イカのお化けなの?
いいえ。
ホタルイカのお化けです。

ユリイカはほんのりと発光した。
サラは驚いて立ち上がっている。
サラにも見えるの?
あかりみたいなものだけ。
これって人魂なの?
そんなふうに呼ぶ人もいるけど、
イカだったなら、イカ玉ね。
こんなふうにお化けが見えたのは、
生きていた頃以来。
とエリーゼが言った。
よく遊んだわね。
こういうのはたいてい無害なのよ。
ただぼーっとしてるのが多いけど、
話しかけて仲良くなると遊んでくれる。
とケイトが言った。
私はお化けには詳しくないけど、
多分「常春の国」にいけば、
あそこは精霊たちのために作った世界だから、
サラにも姿が見えるはずよ。
とシモーヌが言った。

シモーヌは呪文を唱え、
一行は「常春の国」に出発した。
ちょっと遅くなっちゃったわね。
オウルが昼も眠らずに
待っているはず。
解説)
続きます。
Jun 07, 2026
紫陽花など

サラたちは、常春の国に戻るため、
マンゴー亭から出てきた。

広場ではルルが花の手入れをしていた。
これは?
今は紫陽花の季節でしょう。
見頃だから広場に飾ろうと思って。

素敵ね。
私、エドの好物の鹿せんべいを
ローラからもらってくる。
サラの部屋で落ち合いましょう。
とシモーヌが言った。

サラは紫陽花の小鉢を、
ルルからわけてもらった。
それどうするの?
お部屋に飾るのよ。

サラとエリーゼは部屋に戻ろうと
階段に向かって歩いている。
あ、あそこに。
と人形のケイトが言った。
本当だ。久しぶりね。
と、エリーゼも言っている。

二人ともどうしたの?
何も見えないわよ。
とサラが言っている。
白っぽいお化けのようなものは、
エリーゼとケイトだけに見えるようだ。

サラたちは部屋に戻ってきた。
お帰りなさい。
あら、きれいな紫陽花ね。
とメアリーに言われている。

どうしたのこれ。
ドルフィンの倉庫の裏で
ルルが手入れしていたらしいんだけど、
満開の季節だからって、
小鉢に入れたのをわけてくれたの。
それはどうしたんですか。
とジェイソンが言った。

なんのこと?
サラの横に座っている白っぽいものですよ。
お化けみたいだけど。
メメもメーメーと言っている。

サラはなんのことかわからず、
戸惑っている。
あなたたちにも見えるのね。
その子は、何かの幽霊。
私たち死者や精霊にだけ見えるみたい。
広場で出会ったんだけど、
ずっとついてきたのよ。
とエリーゼが言った。
解説)
続きます。
Jun 06, 2026
アスラーデの計画

ここは迷いの森から通じている
異世界の一つ。
アーキスに食べられた蜘蛛は。

振り出しに戻るように、
この世界に戻されてきた。

おお、戻ってきたのね。
エリーゼの居処はわかったの?
はい。
直接確認することはできませんでしたが、
「常春の国」というところに住むようです。
その世界には夢食いの怪鳥がいて、
侵入者を防いでいるようで、
俺も一瞬で食い殺されてしまいました。
そーだったの。
それは大変だったわね。

近くで話を聞いていたローゴスが言った。
夢食いの怪鳥だと?
そいつは一年前に「忘れられた夢の世界」を
侵略した時、仲間だった奴じゃないか。
みんな出現場所を選べないので、
ちりぢりになったようで、
とうとう会えずじまいだった。
「常春の国」という世界で、
守護者になっているということは、
どうなっているんだ。
二つの世界は、
魔族の使う鏡の扉で、住人たちが
行き来しているようなんです。
俺は「忘れられた夢の世界」から、
魔族の作った鏡の扉で行ったんです。
ふーん。
鏡の扉は便利そうだが、
俺たち夢食いには縁がないな。
あいつにそんな魔法が使えるわけがないから、
二つの世界には、
どこかに別の通路があるんじゃないか。
まあ目的地はわかったわけだから、
どうでもいいが。

蜘蛛はアスラーダに報告した。
全然当てにしてなかったんだが、
よくエリーゼの居処を見つけてくれたな。
夢食いの協力者も増えたことだし、
今度こそ、エリーゼを眠らせて
魂を喰らってやることができそうだ。
成功したら、その「常春の国」は、
お前たちにくれてやろう。
元々シモーヌという魔族が
生み出した世界で、
フィギアのフクロウたちの暮らす、
とてもいいところみたいなんですよ。
お城も庭園もあって。
私にはそんな世界は興味がない。
どうせ人形遊びの好きな魔族の
妄想みたいな世界なんだろう。
ところで作戦なんだが、
まずは集合場所を決めておく。
そこにエリーゼをさらってきて、
繭の中で眠らせるのがお前たちの役目だ。
繭に閉じ込めて眠らせることはできるけど、
さらってくるのは私たちには無理よ。
と人面蜘蛛が言った。
そこをなんとかするんだ。
邪魔する奴はみんな消してしまえ。
そのためにローゴスたちがいるんだ。
その世界のどこに出現するかは決められないが、
人面蜘蛛。
お前の出現した場所を集合場所にしよう。
だから最初に行ってくれ。
待って、それは無茶よ。
もうちょっと考えたほうが。
と人面蜘蛛が言った。
無視してアスラーダは呪文を唱えた。

次の瞬間。
気がつくと人面蜘蛛は草地にいた。
ここはどこかしら。
話の流れから言って、
「常春の国」らしいわね。

そこは「常春の国」の
湖に浮かぶ小島の草原だった。

人面蜘蛛の不思議な力に引き寄せられて、
手下の蜘蛛たちが、次々と出現していった。
ここが集合場所になるのね。

人面蜘蛛様。
ここはどうも湖に浮かぶ小島のようです。
私たちは島から出られませんよ。
と蜘蛛たちが報告している。
だから無茶だって言ったのに。

人面蜘蛛の引き寄せの力は万能でなく、
一匹だけ、別の場所に出現してしまった蜘蛛がいた。
それは、散々エリーゼ探しの冒険をしてきた蜘蛛だった。
人面蜘蛛様も、
仲間も誰もいないなあ。
と言っている。
解説)
続きます。
Jun 05, 2026
常春の国で

シノと蜘蛛を乗せたシェルは、常春の国に抜けてきた。
初めての訪問なので、自分が付き添うと言って、
ディアナもついてきてくれた。
おお、これはディアナ様。
お連れはお客様ですか。
とミネルバが言っている。

こちらはシノとシェル。
「忘れられた夢の世界」での、
私のお友達なの。
よろしくね。
それはそれは。
こちらこそどうぞよろしく。
オウル様は珍しく起きておいでです。
早速ご案内しましょう。

ディアナはオウルにシノたちを紹介した。
それで、サラやシモーヌと、
エリーゼとケイトはいないの?
皆さんは、
エリーゼさんたちに住民を紹介するといって
出かけられましたが、
エリーゼとケイトさんは
ここにお住まいになられると
いうことでしたので、
戻ってこられると思います。
今、お二人のお部屋の準備中です。
それで起きてたのね。
エドは、元気?
はい、野原を駆け回ってます。

ディアナは鹿の姿に変身した。
私、エドに会ってくる。
向こうの世界では恐竜がいるので、
安心してサバンナを走れないのよ。
シモーヌ様たちが戻られたら、
お呼びしますよ。

広間では、
フクロウたちが忙しそうにしていた。
エリーゼとケイトのための
部屋の準備をしているようだ。
すごいお客様ですな。
あの方もフィギアの精霊でしょうか。
とミネルバが言っている。
そうじゃなくて、シェルは、
本物のシェルター型のロボットなのよ。

一行は城の外に出た。
私はお花畑に行って、
エドに会って走り回ってくる。
あなたたちはどうする?
走るのはどうも苦手です。
とシエルが言った。
じゃあサラたちが戻るまで、
庭園でも散歩してらっしゃいよ。
噴水が綺麗よ。
とディアナが言った。

デイアナと別れた後、
シノたちが庭園を見て回っていると、
夢食い蜘蛛がシェルの中から、
這い出してきた。
ふー。ここも住みやすそうな世界ですね。
じっとシェルの中に潜んでおりましたが、
おかげでエリーゼとケイトが
ここに住むらしいことがわかりました。
それは役目が果たせて良かったわね。
あとは報告するだけね。
でもそうなると、やがては、
アスラーダがやって来るのかしら。

その時、怪鳥が
ぐんぐん接近してくるのが見えた。
あ、あれは。

怪鳥は至近に迫って
ホバリングをしながら、
蜘蛛を嘴で咥えて
噛み砕いてしまった。
夢食い蜘蛛の姿が薄れていく。
あらら。
とシノが言っている。

お前たちも夢食い蜘蛛の仲間か?
あなたは誰?
俺はこの国を守っている
夢食いのアーキスだ。
私たちは「忘れられた夢の世界」から来た、
普通の旅行者よ。
サラに会いに、ディアナと一緒にきたの。
なんだと、ディアナやサラと知り合いなのか。
それがなぜ侵入者の夢食い蜘蛛と一緒にいたんだ。
「忘れられた夢の世界」で出会って、
サラに会いたいっていうから、
連れてきただけよ。
いきなり食べちゃうなんて、ひどくない?
俺は侵略者からこの国を守るのが
仕事なんだよ。
解説)
続きます。
Jun 04, 2026
みすずの家で

忘れられた夢の世界の
湖のほとり。

シェルに乗ったシノと蜘蛛が、
ジャングルを抜けて来た。

あれがみすずの家よ。
ふーん。あの家もなかなか
古色蒼然としていますなあ。

シノたちが家に行くと
ちょうどみすずに出会った。
あらシェル。
シノも一緒なんでしょ。
と言われている。

シノはシェルから降りた。
ディアナ、珍しくシノが来たから、
お茶にしましょう。
とみすずが言っている。

フミコも加わり、
応接間でお茶会が始まった。

サラ?
10日くらい前に、シモーヌと
エリーゼっていう幽霊の女の子と一緒にきたけど、
常春の国に行くって言って、
出かけて行ったわよ。
とディアナが言った。
そうなんだ。

シノはあちこち見て回るのが好きだったわね。
常春の国には行ったことがあるの?
まだ行ったことがないわ。
シモーヌっていう魔族が作った国で、
精霊だけが住んでいるんでしょう。
シモーヌっていう人にあったら
頼もうかと思っていたんだけど、
彼女と知り合う機会がなくて。
サラに聞いた話だと、
アーキスっていう夢食いも住んでいるらしいわよ。
元はローゴスの仲間だったけど、
今は改心して治安のために見張りをしてるんですって。
サラに会いたいなら、常春の国に行ってみたら?
鏡の扉の呪文は私が覚えてるから、
扉を開けてあげるわよ。
とフミコが言った。
シェルも行ってみたらいいわ。
あなたは別世界に行ったことがないんでしょう。
とみすずが言った。
私はロボットなのでそういうのは苦手で。
シノの家で留守番していますよ。
まあそう言わずに。
こういう機会も何かの縁よ。

シェルと一緒に行けるといいけど、
シェルは体が大きいので、
あの扉を通るのは無理でしょう。
とシノが言った。
だったら、特別に魔法をかけてあげる。

フミコが呪文を唱えると、
薄い煙がたちのぼり。
鏡の扉が巨大になった。
魔族はいいなあ。
とシノが言っている。
解説)
続きます。
Jun 03, 2026
ケントとの会話

ケントはサラたちと話している。
やあサラ、久しぶりだね。
お久しぶり。
もう先々月のことでしたけど、
森林公園の桜の記事読みましたよ。
あれで名所みたいになっちゃって。
随分人出があったらしいね。
あ、こちらはシモーヌさん。
パリでアンティークのお店をやっておられます。
それはどうも。
新聞社に勤めているケントです。
それで、何か見せたいものがあるとか。

ええ。このノート。
マルテっていう人の書いた
年代記の草稿なんですけど、
実は出版を考えているの。
お暇な時に読んでみてもらえないかしら。

ふーん。
サラから頼まれるなんて
何かわけがありそうだね。
もちろん面白ければ、うちから出してもいいけど。
歴史物か。舞台はどこの国?
それが火星なのよ。
私もまだ読んでないからわからないけど。

なんか達筆すぎて読みにくい文字だなあ。
筆が躍っているようだ。
くにゃくにゃした手で
一生懸命書いたみたい。
え、なんとこれは。
どうしたの?
面白すぎる。
会社に戻って、じっくり読んでみるよ。
返事はその後でいいかなあ。
もちろんよ。

作者の連絡先とか略歴とかわかる?
疑問箇所があったら聞きたいんだけど。
匿名希望で、
連絡は私を介してお願いするわ。
ふーん。
やっぱり事情があるんだね。

ケントさん。
ちょっとプライヴェートなことをお尋ねしますけど、
あなたは魔族の方ですね。
とシモーヌが言った。
あ、わかりますか。
私も魔族なものなので。
それで、この草稿のお話、
もし出版のお手伝いをしていただけるとなれば、
おいおい事情はお話しますが、
かなり公にできないこともあるのです。
わかりました。

ケントは仕事に戻るために、
市街地に帰って行き、
広場でマリアとすれ違った。

マリアはマンゴー亭にやってきた。
ああ、マリア。
留守中に訪ねてくれったって聞いたけど。
ああ、あの時ね。
実は特に用事はなくって、
あなたの家に蜘蛛を案内してたのよ。

マリアは、夢食い蜘蛛が、
サラたちの居場所を知りたいというので、
部屋に案内したことや、
その夢食い蜘蛛は最終的に、
ドラコに食べられてしまったことなどを話した。
それでね。
最初はただの人探しだと思って手伝ったんだけど、
蜘蛛はドラコに食べられる直前に、
アスラーダっていう死霊が
エリーゼっていう幽霊の女の子を襲う目的で、
エリーゼやあなたたちを探していて、
自分はその手先だったって白状したわ。
人の良さそうな蜘蛛だったけど、
ボスの命令に従う習性は変えられなかったみたいで。

今頃報告してるのかしら。
エリーゼはどこに行っても狙われているのね。
それに夢食い蜘蛛が手下なんて。
アスラーダのことはよくわからないけど、
たぶんアスラーダには
エリーゼを眠らせる力はないのよ。
それで夢食い蜘蛛の繭に閉じ込める必要があるから、
協力してるんだと思う。
「常春の国」にはもともと蜘蛛がいないから、
夢食い蜘蛛が侵入したらすぐわかる。
やはり今のところ、あそこが一番安全ね。
とシモーヌが言った。
解説)
続きます。
Jun 02, 2026
コンテストの発表など

サラたちはケントに連絡して
マンゴー亭で待ち合わせすることになり
広場に出かけた。

こんにちわ。
あ、やっぱりタイミングよく来たわね。
これからコンテストの優勝者の発表をするところよ。
とルビーが言った。

ルビーは、マイクを手にして、アナウンスを始めた。
みなさん。先月のコスプレコンテストの
優勝者を発表します。
厳正中立な審査の結果、
優勝したのは人形のアクセサリーが
チャームポイントのエリーゼさんです。

エリーゼ、いつの間に参加登録してたの?
この前広場で、
舞っていう人に参加を勧められて、
代わりに登録しておくって言ってたので、
きっと参加したことになってたのね。

万雷の拍手に迎えられて
エリーゼはトロフィを授与されている。
私幽霊なんですけど。
気にしないで。

すぐに、コンテストの参加賞の
恒例イベントのチョコの掴み取りが始まり、
長蛇の列ができている。

サラたちはマンゴー亭で
ケントの到着を待つことにした。
エリーゼ、トロフィはどうしたの?
重いからドルフィンで
預かってもらいました。

エリーゼはルビーに声をかけられた。
さっきは助かったわ。
毎月コンテストの優勝者を発表してるんだけど、
このところ参加者は常連の住民ばかりで、
新規登録者がいなくて、困ってたところ。
あなたが来なかったら、
今月は該当者なしにするところだった。
そうなんですね。
エリーゼさんってとても幽霊には見えないわね。
霊界から来たの?
え、あ、まあ。そんなところです。
そのお人形も?
これは幽霊じゃないんですよ。
ケイトって呼んでます。
普通のお人形なのね。
そういう毛糸のお人形って、
毛糸をほどくと芯に何が入っているのかしら?
ケイトは話たかったが
黙っていた。

そうこうしているうちに、
市街地にあるデイリープラネットの支局から、
新聞記者のケントがやってきた。
解説)
続きます。