May 22, 2026

蜘蛛の行方

a1

木の葉が一枚、迷いの森から川を流れてきて
森林公園の人工の滝を落ちていった。
蜘蛛が身を縮めて
木の葉にしがみついている。


a2

落下した木の葉は滝壺の石の上に
ぺたりとへばりついた。
蜘蛛は手足を伸ばして
木の葉から這い出した。

ケイトもこうやって
現実世界に来たってわけか。


a3

蜘蛛は公園の中を這い回っている。

あの二人の女は、何という名前だったかな。
彼女たちがケイトと一緒だったんだから、
どこかこの近くで出会ったんだろうけど、
どうやって居処を探せばいいんだ。
確か一人の女は魔族で、
一瞬の魔法で俺の仲間を消してしまったな。
魔族は絶滅危惧種と言われているが、
あれほどの魔族なら有名かもしれない。
しかし全く無茶な話だよ。


a4

蜘蛛はベンチで休憩している
二人の男女を見つけた。


a5

あら、大きな蜘蛛よ。

うん、おや、この蜘蛛は、
普通の蜘蛛じゃないな。
夢食いか。


a6

なんですぐバレるんだ。
お、お前はもしかして。

私も夢食いだから、
同類はすぐわかるんだよ。
と男は言った。

そんなグルーチョ・マルクスみたいな顔の
夢食いは知らないぞ。


a7

わはは。そうだったか。
私は変装しているんだよ。
去年のハロウィーンの時の変装のままなんだ。
この顔が気に入ってしまってね。
私の名前はサルバドール。

サルバドールって言えば、
有名な夢魔じゃないか。
素質のある芸術家の夢に取り憑いて、
インスピレーションを与えて才能を開花させるが、
最終的に破滅に至らしめることもあるという。
あんたがあのサルバドールなのか。

ここ2年ほどは仕事を休んでいるがね。
ハリーという高名な魔族と出会って、
今では彼の魔術劇場に厄介になっているんだ。
今日は、魔術劇場で日頃世話になっている、
デュアンと一緒に、公園に桜見物に来たというわけだよ。


a8

蜘蛛はテーブルに飛び移った。

お洒落なストライブの蜘蛛さんなのね。

おまえは人間の女だろう。
俺が怖くないのか。
俺が話しても驚かないのか。


a9

私は見かけで判断しないの。
変わった魔法生物をたくさん知っているし、
魔術劇場に遊びに来る
百猫の王シュレディンガーとも友達。
それに「シャーロットの贈り物」は愛読書よ。

なんだなんだこの展開は。
そんな有名な夢食いも知り合いなのか。


a10

どんな事情で現実世界に来たのか知らないが、
お前も夢食いなら、住む家もないんだろう。
よかったらハリーに紹介してやるよ。
頼めばきっと魔術劇場に泊めてくれるよ。

そうなさいよ。
とデュアンも言った。

うう。
それはありがたい。
よろしく頼むよ。



解説)
続きます。
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May 21, 2026

みすずの家で

a1

三人は鏡の扉を抜けて
みすずの家にやってきた。

シモーヌは早速エリーゼを
みすずに紹介している。

フミコのお知り合いですって?
フミコだったらミミコの世話をしてるわ。


a2

フミコは赤い人形を下げたエリーゼの姿を見て、
驚いている。

2年ぶりの再会ね。


a3

この人形、ケイトって言ったっけ。
精霊は深く眠っているみたい。


a4

フミコが手をかざすと、
身震いしてケイトは起き上がった。

ここはどこでしょう?

また言ってる。

いつも説明が難しいわね。
ここは忘れられた夢の世界よ。

あ、あなたはフミコ。
成仏したんじゃなかったの?

成仏って、ケイトは仏教徒だったっけ。
あなたたちの方こそ、
幽霊になって出てきたのかしら。


a5

ケイトはミミコと遊んでいる。

お茶の用意ができたので、
応接間に来ない?
とみすずが声をかけにきた。


a6

みんなは応接間でくつろいでいる。
ディアナも呼ばれてエリーゼに紹介された。

ここは私たちが住んでいる、
「忘れられた夢の世界」よ。
夢食いや精霊や人間やロボットも
一緒に暮らしているけれど、
幽霊のお客様は初めて。
とみすずが言っている。


a7

ことのあらましを聞いたフミコが言った。
ケイトが公園で拾われたおかげで、
こんなふうに二人と再会できたのね。
これもエリーゼとケイトの深い結びつきがあったから。

私のためにケイトの精霊の宿った人形を
現世から運んでくれたのはフミコ。
そこまで辿ればあなたに救われたのよ。
とエリーゼが言った。

でもその深い結びつきが、
あなたたちをその状態にとどめているとも言える。
因果の支配する現象の世界に。


a8

エリーゼとケイトの関係は、
私とディアナの関係によく似てるわ。
ディアナも私が大事にしていた鹿のフィギアに
宿った精霊なの。
ここは亡くなった祖母の見ていた夢の世界。
魔族だった祖母は生前の思い出を込めて、
この消えない夢の世界を作り上げた。
この世界との結び目にもディアナがいたわ。
とシモーヌが言った。

お二人はお顔がそっくりなのね。
私もエリーゼそっくりに
変身させてもらえないかな。
とケイトが言った。

それは無理。


a9

応接間での話し合いが終わった後で、
フミコとエリーゼは湖畔に散歩に出かけた。

あなたは親切な幽霊だと思っていたけど、
何千年も前に亡くなって、
ずっとあの世界にいた魔族の魂だったなんて、
驚いたわ。そんなに長い間消滅しなかったのは、
やはり現実との強い結びつきがあったの?

私は古代の魔族の娘として生まれ、
戦争が起きた時リーダーだったの。
それで私が死んだ時、仲間たちが
魔族に伝わる復活の呪文を唱えた。
その時は復活できなかったけれど、
その呪文は書き残されて伝えられたのよ。
数千年ののち、その呪文を唱えてくれた人がいたの。
私たちの都は滅びたけれど、
都の森には私の復活を信じて待っている者もいた。
グリーンマンって言うんだけどね。
数千年前、私の魔法によって生まれた森の精霊よ。
彼が私の頭蓋骨を守っていてくれたの。


a10

何千年もあなたを待っていたなんて、
すごい結びつきね。

彼は守護霊みたいに、
私のいるところに、どこでもついてくる。
この世界にも来ている筈よ。
恥ずかしがり屋で、姿はなかなか現さないの。

私も、アスラーダっていう
ストーカーみたいな死霊に
付き纏われているの。
アスラーダもそんな内気なタイプだといいんだけど。


a11

エリーゼは現実世界より、
こういう夢の世界のほうが住みやすそうね。
ケイトも元気になって生き生きしてる。
シモーヌ、これからどうするの?

オウルの様子を見に行ってくる。
私を危ういところで助けてくれた、
お礼も言わなくちゃ。

じゃあ、私も行くわ。



解説)
続きます。
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May 20, 2026

新興地区の散歩

a1

三人の会話は続いていた。

マンスフィールドさんが、
赤い人形の話をしていたわね。
あれはあなたたちのことなんでしょう。
あなたが亡くなってから
ケイトはどうしたの?

ケイトは私と一緒にお墓に葬られたの。
私には身寄りがなかったし、
動いたり話したりする噂がある人形は、
みんな怖がって引き取り手がなかったから。
それにそれがケイトの望みでもあったの。

じゃあどうやってケイトは?


a2

もうずいぶん昔のことよ。
私が亡くなって
あの世界に招かれた時、
とても親切な死者の魂に出会って、
その人がお墓の中のケイトの人形本体を
あの世界に呼び寄せてくれたの。
そんなことができるなんて、
信じられなかったけれど、
特別な力を持つ霊魂っているのよ。

その霊魂って、今も
あの世界のどこかにいるの?

2年前に突然いなくなったの。
井戸を通って幽明界に行ったのか、
現実世界との結びつきが消えて、
魂が解放されたのかもしれないわ。


a3

ここ見晴らしがいいわね。

この新興地区は発展してるみたい。
私も来たの久しぶりだし、
もう少し散歩してみましょうか。


a4

お勘定お願いします、
と言っている。


a5

店を出ると、
三人は足の向くまま
繁華街を歩き始めた。


a6

いろんなお店があるわね。


a7

なんか最近天気がいいわね。
もう初夏の気分。


a8

さっきの話の続きだけど、
親切にしてくれた霊魂って、
名前をフミコって言うんじゃない?
とサラが言った。

え、どうしてわかったの?

やっぱり言ってみるものね。特別な力を持っていて、
2年前に突然いなくなったって言ってたから。
フミコのことじゃないかなって。
フミコは2年前の7月に現実世界で蘇ったの。
今は「忘れられた夢の世界」って呼ばれてる所にいるわよ。


a9

三人はフミコの話題で盛り上がり、
話しながら歩いていて、いつの間にか、
新興地域の外れまで来ていた。

フミコと知り合いだったとは驚きね。
じゃあ、忘れられた夢の世界の
みすずの家に会いに行きましょう。
とシモーヌが言った。

いったん倉庫に戻るの?

その必要はないわ。


a10

シモーヌは呪文を唱えて、
鏡の扉を出現させた。

こんな道端に扉を出しちゃって、
大丈夫?

使ったらすぐ消える設定だから大丈夫よ。
人目につかないうちに行きましょう。



解説)
続きます。
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May 19, 2026

赤い人形 そのきゅう

a1

三人でマンスフィールドさんの倉庫に
向かうため、シモーヌが呪文を唱えている。


a2

倉庫の鍵を貸してもらったけど、
屋内に抜けてきたから必要なかったわね。

魔法を使うのは秘密だから、
これでいいのよ。


a3

精霊の宿ったフクロウのコレクションは
どこだったかしら。


a4

あったあった。


a5

シモーヌは、オウルのぬいぐるみに、
常春の国に送るための、
呪文をかけている。

このコーナーは
不思議な雰囲気。

何か感じる?
精霊の宿った置物が勢揃いしてるのよ。


a6

さてと。
これでオウルを送れたわ。
これからどうしましょう。

せっかく来たんだから、
ちょっと散歩でもしない?
とサラが言った。


a7

三人は倉庫を出た。


a8

このあたりは倉庫街なのね。
お昼時なのか誰もいない。


a9

ちょっと賑やかになってきた。
もうここは隣町の新興地区よ。
お腹空かない?

a10

このお店知ってる。
2階が簡易食堂になってるのよ。
とサラが言った。

ふーん、いつ来たの?

去年の7月の初め。
マンスフィールドさんとディアナと
ジョー軍曹と4人だった。


a11

三人はコーヒーと肉まんを
注文して休憩している。

エリーゼ、
久しぶりに現世に戻った感想はいかが?

知らない町だけど、
普通に生きている人の姿が懐かしいわ。

肉まんはマンゴー亭の方が
美味しいわね。
とシモーヌが言った。

去年来た時も、
ここでコーヒーと肉まんを頼んで、
ジョー軍曹が同じこと言ってた。
とサラが言った。



解説)
続きます。
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May 18, 2026

赤い人形 そのはち

a1

シモーヌたちはサラたちの部屋に
戻ってきた。

おかえりー。

こちらは、エリーゼさんよ。
あ、ケイトは本体に戻ったのね。
エリーゼさんの姿は見える?

何言ってるの?
よく見えるわよ。
どうぞよろしく。
私はメアリー。
そこにいるのはジェット。


a2

こちらはジェイソンとメメ。
棚の上の頭部のオブジェは
骸骨のお父さんよ。

ああ、ケイトの本体を
預かってくださっていたのね。
それに、あなたたちは。
とエリーゼが言った。

おお、あなたはもしかして。
と骸骨のお父さんが言った。

メメもしきりにメーメーと言っている。

私たちと同じ身の上なんですね。
とジェイソンが言った。


a3

シモーヌに、魔法で深い眠りから
起こしてもらったケイトは
エリーゼと話している。

エリーゼ、眠りから覚めたのね。
私も眠ってたみたいだけど、
ずっと会いたかった。

私もよ。


a4

とりあえず広場に案内するわ。
そこでマンスフィールドさんに断ってから、
彼女の倉庫に行って、オウルっていう
ぬいぐるみのフクロウの精霊を常春の国に送るの。

オウルはアスラーダにやられちゃったけど、
シモーヌを助けて活躍してくれたのよ。
とケイトがエリーゼに言った。

それは私からもお礼を言わなくちゃね。


a5

サラとシモーヌとエリーゼとケイトが
広場に出かけた後、メアリーたちが話している。

ふーん。あのエリーゼっていう人、
幽霊だったの。それで、
あなたたちと同郷だったの?

同郷って言っていいのかどうか。
亡くなってから長い間
同じような場所にいたのは確かなんです。
それですごく懐かしくて。

死霊って言えば、
海賊船の船長のクックドゥーもそうだったわね。
でもなぜエリーゼさんだけ、
骸骨じゃないのかしら。

見かけだけかもしれませんよ。
怖いですか。

あなたたちの本当の姿、
見慣れているからねー。


a6

三人は広場にやってきた。


a7

かわいい人形ね。
あなたもなんだか透き通るようお肌。
コンテストに参加しませんか?
と舞が言っている。

なんですかそれ。


a8

サラたちはマンスフィールドさんに
声をかけた。


a9

あのー。倉庫に行ってみたいんですけど。

全然構わないわよ。
あそこの展示は一般にも公開してるから。
入り口の鍵を貸してあげる。
あら、その毛糸の赤い人形。
リリスが言ってたケイトっていう人形なのかしら。

そうです。
リリスと話したんですか。

そうなの。赤い人形のことを聞かれたんだけど、
私が思い出したのは、
不思議な少女と赤い人形の話。
いろんな人が、赤い人形が少女と話をしたり、
人形が紅茶の道具は運んだりしてるのを目撃して、
その界隈で噂が広がり、
人形が病気になった少女を
看病していたっていう人まで出てきて、
人形コレクターの間でも話題になったらしいの。
でもずっと昔のことよ。



解説)
続きます。
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May 17, 2026

赤い人形 そのなな

a0

エリーゼは二人に紅茶を入れた。

ケイト、さっきから、
おとなしいわね。

さっき泣きじゃくって、
私を呼び覚ましてくれたせいで、
力を使い果たしたのよ。
今は深く眠っている。
とエリーゼが言った。


a1

あなたとケイトは特別な関係みたいね。
ケイトはあなたの力を弱めるために、
二人が引き離されたとも言っていた。
それと、
ここはあなたの見ている夢の世界なんでしょう?
夢食いが夢の中に侵入するのは珍しいことじゃない。
でもアスラーダは、ここは冥界に近い夢の世界で、
あなたがもう死んでいるっていっていた。
とても謎が多いわ。
とシモーヌが言った。

うまく説明できそうもないけれど、
ここは私の見ている夢の世界というだけじゃないの。
それに、ケイトは否定したけど、
アスラーダが言ったように
私はもう死んでいるのよ。
とエリーゼが言った。

死んでいるって、
こうしてちゃんと話しているじゃない?


a2

この体は幽霊のようなもの。

私は幼い頃両親を亡くして
一人ぼっちになったの。
母が作ってくれた毛糸の人形、ケイトだけが、
私の友達だった。
彼女にいつも話しかけているうちに、
ある日、人形に精霊が芽生えて、
お話ができるようになったの。
それから私には精霊の声ばかりでなく、
亡くなった魂たちの声も聞こえるようになった。
生前の世界に執着して彷徨っている魂たち。
自分が死んでしまったことにまだ気付かない魂たち。
怖い幽霊みたいに言われるけど、
そんな人たちだけじゃないのよ。

私が病気になって死んだ時、
その霊たちが私の魂をこの世界に招いてくれたの。
それは私が病床で見た夢の続きだとも言えるけれど、
死者たちが魂のために用意されていた世界に
招いてくれたんだと思う。
ここには深い森と草原、その果てには
砂漠のような風ばかりが吹く大地が広がっている。


a4

もしここがそんな世界で、
あなたも招かれた死者の一人にすぎないんだとしたら。
夢食いの蜘蛛があなたを繭に閉じ込めて眠らせても、
この世界を支配することはできないんじゃない?
とシモーヌが尋ねた。

普通の夢食いにとってはそうね。
死者の魂を消すことは彼らにはできないから、
ただ邪魔だからという理由で私を眠りに閉じ込めた。
彼らはいつまでも消えない夢の器が欲しいだけなのよ。
でもアスラーダは別。
彼もすでに亡くなっている人の魂なの。
だった、というべきかしら。
今はモンスターみたいな姿になってしまったけれど。
奇妙なマスクをしていたでしょう。
あの下には髑髏の顔がある。


a5

アスラーダも夢食いの仲間じゃないの?
とサラがいった。

同じように夢に入り込む力を持っているけれど、
彼の目的は私の魂なのよ。
私と一体になれれば冥界の覇者になれると思っている。
彼にとって私は特別な存在らしいの。
それで夢食いの蜘蛛たちを利用して
私を繭の中に閉じ込め、
私からケイトを引き離してを燃やすように命じた。
私と一心同体のケイトが邪魔だったの。

じゃあなぜ、
あっさり引き下がったのかしら?

私が繭の中に寝ていると思ってやってきたら、
ケイトのおかげで私が目覚めたので、一旦諦めたのよ。
目覚めていれば私は自ら消滅することができる。
それを彼は一番恐れているの。


a6

繭の中で眠らされている状態を狙うなんて最低ね。
彼はまたやってくるんでしょう。
エリーゼ、この世界から離れて
現実世界に戻ってこない?
とシモーヌが言った。

そんなこと考えたこともなかった。
私は死者の魂なのよ。

生前には幽霊たちが見えて
話ができたって言ってたじゃない?
今度は立場が逆になるだけよ。
それと、お仲間もいるかも。
とサラが言った。


a7

シモーヌが呪文を唱えると、
中空に鏡の扉が出現した。

とりあえずサラたちの部屋に戻りましょう。
マンスフィールドさんの倉庫に行って、
オウルも常春の国に戻してあげないと。
とシモーヌが言った。


a8

ふむ。井戸の壁にへばりついていて、
話が聞けたぞ。
エリーゼ、お前への愛が
私をこんな姿でも生きさせているんだ。
諦めるわけにいかないよ。

さすがアスラーダ様。

なんだ、まだ夢食い蜘蛛がいたのか。
そうだ。お前、現実世界に行って、
あいつらの居所を確かめてくれないか。

私は夢食いですよ。
夢の世界ならともかく
人間たちの現実世界だなんて、
よほどの事情がないといけませんよ。
それにどうやって行くんです。

野原の川を下ればいいんだよ。
迷いの森を通っていけるはずだ。

そんなルートがあったんですね。


a9

夢食い蜘蛛は野原で小川を探していた。

いいこと聞いたな。
迷いの森に飛ばされてしまった
うちのボスにも報告しなきゃ。



解説)
続きます。
Posted at 21:02 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

May 16, 2026

赤い人形 そのろく

a1

お前たちは夢食いじゃないな。
人間と、さっき魔法を使ったのは魔族か。
こんなところまで来るとは、
お前たちも死に損ないか。
それにしても仲間を一瞬で消し去るとは。

仲間っていうことはあなたも夢食い?
ここはエリーゼとケイトの住んでいた
夢の世界でしょう。
侵略者は容赦しないわよ。
とシモーヌが言った。


a2

ここがエリーゼの夢の世界だと?
たしかにそうも言えるが、
正確ではないな。
ここはお前たちが想像するより
ずっと冥界に近い夢の世界だ。
夢食いばかりでなく、
死者の魂もやってくる。
何も知らないようだから教えてやるが、
エリーゼはすでに死んでいる。


a3

そんなの嘘よ。
とケイトが叫んだ。

ケイトはエリーゼに縋り付いている。

エリーゼ、エリーゼ。
すると、エリーゼの目が開いた。


a4

エリーゼはゆっくり立ち上がった。

おや、これは驚いた。
おまえ、目覚めたのか。


a5

私を繭に封じて眠らせておけば、
思い通りになると思ったのね。
ここから立ち去りなさい。
さもないと。
とエリーゼが言った。


a6

わ、わかったよ。
というとアスラーダは
井戸の中に
吸い込まれるように消えていった。


a7

この井戸は?

幽冥の世界に通じているのよ。

蓋をすることはできないの?

これは通路になっていて、
そういう仕組みだから。


a8

オウルは消えちゃったのね。
とサラが言った。

大丈夫よ。
オウルの精霊は、この世界で消えても、
元のフィギアの体に戻っただけ。
今頃はマンスフィールドさんの倉庫で
眠っているはずよ。
とシモーヌが言った。


a9

まずは自己紹介しなくちゃね。
こちらはサラ、私は魔族のシモーヌ。
私たちは川に流されていた赤い人形ケイトを拾って、
ケイトからあなたのことを聞いて、
ケイトの記憶を辿って、
現実世界からこの世界にきたの。

ケイトを拾ってくれた上に、
わざわざみなさんで私を助けてくれたのね。
とてもとても感謝します。
とエリーゼが言った。


a10

家の中は蜘蛛の巣だらけだけれど、
屋外にテーブルセットがあるはず。
こっちよ。
とエリーゼが案内している。



解説)
続きます。
Posted at 19:53 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

May 15, 2026

赤い人形 そのご

b1

大きな人面蜘蛛は
シモーヌたちににじり寄ってきた。

何あれ。


b2

大きな蜘蛛の上に
別の蜘蛛が乗っているみたい。

みんな離れて。
とシモーヌが叫んでいる。


b3

シモーヌが呪文を唱えようと
手をかざすと、
蜘蛛の放った黒い糸が、
その手に絡み付いてきた。


b4

強い力で引っ張り込まれたシモーヌは、
組み敷かれている。

お前は魔法を使えるのか。
その口を聞けないようにしてやる。


b5

その時、後ろからオウルが蜘蛛に飛びかかり
鋭い嘴で蜘蛛の首をちょんぎった。

やったねー。
とケイトが歓声を上げている。

蜘蛛の姿は次第に薄れていく。


b6

その時、
奇妙な姿のモンスターが
井戸の中から現れた。

おやおや、
チームプレイは素晴らしいものだな。


b7

モンスターが、
右手から紫色の光線を放つと、
オウルの体が切り裂かれた。
オウルの姿は次第に消えていく。

オウル!


b8

どうだ、いい感じだろう。
この光線は死骸線というのだ。

変な名前つけてるのね。
あなたは誰?


b9

私の名はアスラーダ。

アスラって、
阿修羅のことね。
興福寺の阿修羅像は、
もっと美形じゃないの?

ややこしいことを言うなよ。
あいつとは違うんだ。
私の名には語尾にダがついているだろう。

蛇足付きなのね。

私を怒らせるなよ。



解説)
続きます。
Posted at 19:46 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

May 14, 2026

赤い人形 そのよん

a1

一行は森の中に
分け行っていた。


a2

随分深い森ね。


a3

これは行き止まり?

ここよ。
ここに私たちの小屋があったの。
壁が草木に覆われてるみたい。
左に行くと井戸があるはず。
とケイトが言った。


a4

井戸を見つけた。

気をつけて、
蜘蛛がいるわ。


a5

なんと大きな蜘蛛が
網の目のような繭の上にいる。


a6

繭の中に女性の姿が見える。

あれはエリーゼ、
とケイトが言った。


a7

シモーヌたちに気がついた
蜘蛛たちは襲ってきた。

シモーヌは身構えて、
咄嗟に呪文を唱えた。


a8

薄煙が立ち上り、
周辺は一瞬光に覆われた。

蜘蛛たちはひっくり返って
次第に姿が薄れていく。


a9

エリーゼ。
大丈夫?
エリーゼは身動きしない。


a10

その時、草むらから
人面の大きな蜘蛛が現れた。

よくもやってくれたわね。
と言っている。



解説)
続きます。
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May 13, 2026

赤い人形 そのさん

a1

シモーヌたちはケイトを連れて
応接室でオウルと話している。

そういうわけで、
新しい住人になるかもしれないケイトよ。
本人の希望をまだ聞いてないんだけど。

ここは住みやすそうなところだけど、
私はエリーゼのことが忘れられない。
エリーゼのいた世界に帰りたい。
とケイトが言った。

あなた、燃やされそうになって、
逃げてきたんじゃなかったの?


a2

そうなんだけど、どうしても、
エリーゼと一緒じゃなくちゃ駄目なの。

困ったわね。
それじゃ一緒に探しにいきましょう。

シモーヌ様、そんなことできるんですか。
どんな世界かもわからないんでしょう。
とオウルが言った。


a3

ケイトが、その世界の記憶の風景を
思い出して、心に思い浮かべてくれれば、
鏡の扉を使っていけるわ。

シモーヌさん。
あなたってすごい魔法使いなんですね。
頑張って思い出してみるわ。


a4

ケイトは記憶の風景を脳裏に思い浮かべた。
シモーヌが呪文を唱えると、
ありありとその風景が部屋の背後に現れた。


a5

シモーヌがさらに呪文を唱えると、
鏡の扉が中空に現れた。

さあ、行きましょう。


a6

四人は鏡の扉を抜けて
別世界に入り込んで行った。

オウル。
あなたも来ちゃったの?

それはもう。
創造主さまの護衛ができて
光栄です。


a7

随分広々としているわね。
ケイト、ここがどんな世界なのか、
聞いてなかったけど、
教えてくれる?

エリーゼと私が二人で暮らしていたの。
そしたら、ある日突然、
黒い蜘蛛の群れがやってきて、
エリーゼは囚われてしまった。
私たちは引き離されて、
蜘蛛たちが私を火にくべて
燃やすって相談していたから、
必死になって逃げ出したら
川に落ちちゃったの。

二人だけで暮らしていたとしたら、
それはエリーゼっていう人の見ていた
夢の世界かもしれないわね。
だとしたら、襲ってきたのは
夢食いの可能性が大きいと思うわ。
と側で聞いていたシモーヌが言った。


a8

夢食いって、あのアーキスみたいな
怪物ですか。
とオウルが尋ねた。

アーキスもそうね。
夢食いも色々いるみたいなのよ。
ところで、エリーゼが囚われている場所って
どこなのかしら?

あの森の中よ。
とケイトが言った。
大きな蜘蛛が何匹もいるの。
ほんとに助け出せるのかしら。


a9

それはやってみないとね。

三人は森に向かって行った。



解説)
続きます。
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May 12, 2026

赤い人形 そのに

a1

サラたちは森林公園から
部屋に戻ってきた。


a2

サラ、シモーヌ。
おかげで公園見物楽しかったわ。
私これから広場に行って、
マンスフィールドさんに
人形のこと、聞いてみる。
何かわかるといいけど。
と言って、サラは帰って行った。


a3

この人形どうしたの。

公園の川に落ちていたのを拾ってきたのよ。

赤い毛糸で
ぐるぐる巻きになってるのね。
これなら私にも作れるかな。

そうかもね。
この人形には精霊が宿っているの。
今は精霊は別世界に行っていて、
抜け殻状態だけど、
ここで保管することしたの。


a4

メメがしきりにメーメーと言っている。

あら。
どうしたのかしら。


a5

シモーヌは立ち上がって呪文を唱え、
鏡の扉を開けた。

私これから常春の国に行って、
人形の精霊に話を聞いてくる。
サラはどうする?

もちろん、一緒に行くわ。
何がどうなってるのか知りたいし。
あ、その人形は、
なくさないようにしてね。
とサラは、みんなに言った。


a6

ジェイソンは人形を首から下げた。

僕がしっかり保管します。

ジェイソン、さっきから
メメがメーメー言ってるけど、
何言ってるの。

懐かしくて嬉しがっているんですよ。
僕もなぜだか、懐かしいんです。

わしもさっきから
そんな感じがするんだ。
と骸骨のお父さんも言った。


a7

シモーヌとサラは、鏡の扉を使って、
常春の国のお城の一室に出てきた。

これはこれはシモーヌ様。

ミネルバ。
赤い毛糸の人形見なかった?

おお、その人形なら、
お城の入り口に倒れていたので、
客室のベッドに運んでおきました。
また新しい住人になる精霊なんですか。

まだわからないのよ。
話を聞きたいので
案内してくれるかしら。

はい。


a8

よく眠っているようね。
声をかけても応答がない。

また魔法で起こしましょう。
というとシモーヌは呪文を唱えた。
すると薄い煙が立ち上り。
あたりが一瞬クリアになった。


a9

人形はブルブル身震いして
飛び起きた。

おお、ここはどこでしょう?

また同じこと言ってる。

無理ないわね。
ここは精霊たちの暮らす常春の国よ。
気分はどう?

すごくスッキリしてる。
体もなんだか身軽な感じ。

今のあなたは精霊状態なの。
元のあなたの体は別の世界にある。
この世界では、その姿で生きられるのよ。

そうなの?魔法で作った世界なのね。
あ、あなたたちのこと覚えてる。
私また眠っていたのね。

そうみたい。
私はシモーヌ、隣にいるのはサラ。
あなたのお名前は?

ケイトっていうのよ。

毛糸って、
覚えやすそうな、いいお名前ね。

ケイトよ。



解説)
続きます。
Posted at 19:31 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

May 11, 2026

赤い人形

a1

ソローとリリスとトマソンは
お花見の場所に戻ってきた。

その人形は?


a2

人工の滝の岩の上に
落ちていたのよ。
上流から流れてきたみたい。
精霊が宿っているみたいなんだけど、
反応がないの。

深く眠っているみたいね。
とシモーヌが言った。


a3

シモーヌは人形を
そっと草の葉の上に横たえた。

上流っていうと、
迷いの森の方ね。
とサラが言った。


a4

あの人工の川は迷いの森から流れてくる、
夢見の水を利用して作られているって、
ジルさんから聞いたことがあります。
とソローが言った。

迷いの森から流されて来たのなら、
この人形、この世界のものじゃないわね。
迷いの森は異世界の交差点のようなところだって、
局長が言ってたわ。
とサラが言った。


a5

なんか怖そうな話してるなあ。
と喜六は思っている。


a6

起こしてみましょうか。

そんなことできるんですか。

ショックを与えるのよ。

そういうとシモーヌは
呪文を唱えた。
すると薄い煙が立ち上り、
あたりが一瞬クリアになった。


a7

人形はブルブル身震いして
立ち上がった。

ああ、ここはどこでしょう。

ここは森林公園の中よ。
と言ってもわかるかな?
あなたは川に流されてきたらしいの。


a8

ああ、私を拾って
救ってくださったんですね。
私は燃やされそうになって、
逃げてきたんです。

何か悪いことでもしたの?

エリーゼの力を弱めるために。
エリーゼと私は一心同体なの。
ああ、今頃エリーゼは。
というと人形は、
力が尽きたようで、
また眠り込んでしまった。


a9

何かのっぴきならない
事情があったみたいね。

これからどうしましょう。

まずもっと詳しく事情を聞くために、
この人形の精霊を、常春の国に送ろうと思うの。
精霊たちの世界に行けば、
きっと元気を取り戻すはず。
人形の本体はサラの家で預かって。

わかった。

あと、リリスとトマソンさんは、
赤い人形のこと、
マンスフィールドさんやハリーに
聞いてみてくれる?
コレクターや研究家の間で
知ってる人がいるかもしれない。

迷いの森の別世界から
流れて来たんでしょう?

そうなんだけどね。
あの人形、私たち人間の姿を見ても
全然驚かなかったし、
話しかけても普通に答えてた。
別世界って言っても、
誰かの見ている夢の世界かもしれない。



解説)
続きます。
Posted at 19:32 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

May 10, 2026

公園の散歩など

a1

ソローは、公園を
案内しましょうと言っている。

僕も一緒に行ってもいいかな。

もちろんよ。


a2

私は彫像のある花壇がみたい。
僕は人工庭園の名残だという、
人工の滝川が見たいなあ。
などと言いながら、
三人は出かけて行った。


a3

サラとシモーヌは、
喜六の魔法の練習を見ている。

バナナの皮を元の大きさにできたわね。
オレンジの皮も小さくしてね。

はい。

ゴミはまとめてもって帰らなくちゃ。


a4

シモーヌが口笛を吹くと、
巣箱から野鳥が飛んできて、
シモーヌの手に留まった。


a5

シモーヌさん、
もしかして野鳥と会話できるんですか。

そういう魔族もいるみたいけど、
私はダメね。
精霊が宿っていれば、
話は別だけど。
でも何を考えているかは、
なんとなくわかるものよ。

何考えているんですか?

お腹が空いたとか。
天気が悪くなるとか。


a6

その頃三人は、公園内を巡って、
正面の入り口付近に来ていた。

この綺麗な花壇も造花なんですね。

ジルさんの趣味で、
全体が人工庭園だったからね。
今では植林もしてるけど。


a7

もう一人の管理人エドワードに出会った。

エドワード、
これから人工の滝川を見に行くんだけど、
橋の上から見たいんで鍵を貸してくれる?

ああいいよ。
あそこまで行くなんて珍しいね。
行っても水量は減ってるよ。

a8

三人は人工の川が見えるところまでやってきた。
この向こう岸は、迷いの森で、
境界のフェンスがあるだけだから、
この橋を渡っても行き止まりだよ。
でも橋の上からは見晴らしがいいんだ。
と言いながらソローは橋の入り口の
柵の扉を鍵で開けていいる。

すぐそこが滝なのね。
確かに水が流れ落ちて
飛沫をあげる水音が聞こえる。


a9

三人は橋の上から
川の風景を眺めている。

あれ、あそこに何か赤いものが。

あれは人形みたいだね。

僕が河床に降りて取ってこよう。
とソローが言った。


a10

人形はわずかな滝の水流に流されて
下の石の上に移動していた。

いそいで取らないと、
川に流されちゃう。
とソローが言っている。



解説)
続きます。
Posted at 19:36 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

May 09, 2026

魔法の練習 そのに

a1

喜六の魔法の練習は
続いていた。

今のは怪しい光が出たでしょう。
もう少し肩の力を抜いてみて。
とシモーヌが言っている。

わかりました。
今度は、このバナナで。

喜六は肩の力を抜いて呪文を唱えた。
するとバナナは発光せず、
薄い煙が立ち上り。


a2

なんとバナナは
巨大なバナナに変化した。


a3

これってしっかり
中身が詰まってるわ。


a4

飲みかけのオレンジジュース持って来たけど、
これ絞った方が新鮮ね。


a5

それ食べすぎじゃない?


a6

シモーヌさんも
すごい呪力をお持ちだと、
ハリーさんが感心してましたよ。
この巨大化の魔法は使わないんですか。
とトマソンが言った。


a7

必要ないから、普段は使わないわ。
でも呪文は覚えてる。
久しぶりにやってみましょうか。


a8

シモーヌは静かに呪文を唱えた。


a9

薄い煙が立ち上り、
なんと巨大なチップスターの
筒が現れた。

おお、こういうオブジェ作るの、
すごく大変なんですよ。
とトマソンが言っている。

でも空っぽの筒は
ゴミが粗大ゴミになっちゃうだけから、
元に戻すわ。
そう言ってシモーヌは再び呪文を唱えた。


a10

その時、ざわざわと
草むらの揺れる音がして、
茂みから公園管理人のソローがやってきた。

あ、どうも。
覗き見するつもりはなかったんですが、
青い車が公園の裏口から入ったって聞いて、
様子を見に来たんです。
すごいものを見せてもらいました。


a11

今のは魔法ですか。
物を大きくしたり元に戻したり。
魔術劇場のハリーさんや
娘さんのヴィヴィアンさんが
魔法使いだっていうのは有名ですが、
シモーヌさんも。

そうなの、私たちは魔族って呼ばれている。
今見たことを誰かに話したら、
カエルにしちゃうわよ。
というのは冗談だけど、
内緒にしといてね。

わ、わかりました。
このジュースおいしいですね。

果汁100%よ。
とサラが言った。



解説)
続きます。
Posted at 23:21 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

May 08, 2026

魔法の練習

b1

三人は森林公園を見て回る前に、
桜のある場所で一休みすることにして、
サラはシートを広げようとしていた。

あら、車の音。


b2

トマソンと喜六の乗った
オープンカーが到着した。


b3

誰かと思ったら、
トマソンさんと黒木さん。

こんにちわ。

これから休憩するところ。
オレンジジュースと、
ポテトチップス持って来たから、
よかったら一緒に食べない?
とサラが声をかけている。


b4

五人は車座になって
会話している。

住民はみんな飽きっぽいから、
もうここに来る人は
いないんじゃないかと思ってた。
とサラが言った。

僕もそう思ってたんです。
それで喜六さんの魔法の練習場所に
いいかなと思って来たんです。
とトマソンが言った。


b5

どんな魔法?

物を巨大化する魔法です。
僕は「魔術の書」で
呪文を覚えたばかりなんで。
と喜六が言った。

そうか。喜六さんは
ハリーさんの持っていた、
「魔術の書」で呪文を覚えたのね。
是非、私たちにも魔法を見せて。
ここにいる人たちはみんな
魔族や魔法のことは知っているから、
魔法を使っても大丈夫よ。
とシモーヌが言った。


b6

わかりました。
やってみます。


b7

シートの中央にオレンジを一つ置くと、
喜六は呪文を唱えた。
するとオレンジは怪しげな光を放ち、
周囲に薄煙が立ち上った。


b8

おお。
成功したようです。


b9

これ本物よね。
とサラが言っている。



解説)
続きます。
Posted at 19:52 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
May 2026
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