Sep 06, 2026
マーレの島で

たまきたちと別れて
島を一周した黒木とヴィヴィアンは
遺跡の上空にやってきた。
ハリーたちが
まだ広場にいるみたい。
ここで降りましょう。

二人は広場に降りてきた。
派手な着地の仕方ね。
と言われている。

コーチが良くて、
落ちずに空を飛べるようになりました。
と黒木が言っている。
箒にまたがる魔法はね。
昔は女性専用だったのよ。
現実世界では気をつけてくれよ。
人間に見られたら騒ぎになるからね。
わかりました。

大きな頭蓋骨ね。
何かビリビリ感じるわ。
とヴィヴィアンが言っている。
あなたもそう?
あ、すごいイメージを感じる。

ヴィヴィアンは脳裏に浮かぶイメージを
二人に可視化してみせた。
これは何?
これは魔王を自称している
メイヴっていう夢食いよ。
忘れもしない、
まだあなたたちと知り合う前の、
3年前の7月のこと、封印が解かれて、
町の広場に出現して、CGを滅ぼそうしたから、
私が戦って追い払ったの。

そんなことがあったのね。
メイヴは今でも迷いの森に住んでいるはず。
人間の世界に興味はないって言っていたけど、
この頭蓋骨はメイヴを召喚する呪具かもしれない。
どこでこんなものを。
沈没した船の中にあったものらしい。
アイスが海底でタコから貰ったバッグの中にあったのよ。
なるほどね。
誰の持ち物だったか不明なわけね。
どんな事情があったのかわからないけど、
この頭蓋骨が見つかった以上、
何かの拍子でメイヴが呼び寄せられたり、
探しにくる可能性もあるわ。
それは厄介ね。いっそのこと、
迷いの森に帰しちゃえば?
あそこは夢食いたちの巣窟でもある。
魔族でも立ち入るのは危険よ。

迷いの森の中には管理局もあるって言うから、
管理局の局員に頼んで、
事情を言ってメイヴに渡してもらうのが一番ね。
ちょうど管理局に勤めてるミラとバグが
町に住んでいるから、私が頼んでみる。
とヴィヴィアンが言った。
よろしくお願いするわ。
ヴィヴィアンは頭蓋骨を持って
広場から立ち去っていった。

シモーヌとフミコは、
ハリーたちに、ヴィヴィアンが頭蓋骨を
返却しにいったいきさつを話している。
なるほどねー。
あれからもう3年になるのか。
私はその出来事を目撃してはいないんだが、
アイスから話は聞いている。
ヴィヴィアンも自分と拮抗する
魔力を持った相手と初めて戦って
当時は相当ショックを受けたようだった。
ヴィヴィアンは魔王を自称する夢食いだって
言ってましたが、そんな夢食いがいるんですね。
ただの夢食いじゃないよ。
これは想像だが、もしかすると、
君たちが戦ったという相手と同類なんじゃないか。

その頃、海辺の散歩を終えた
サラとエリーゼたちは、
遺跡に戻る途中で
釣りをしていた軍曹たちに出会った。
あ、サラさん。
ちょうど船に戻る途中です。
休憩して行きませんか。

一行はエクレア号に乗船した。
サラはエリーゼとケイトを
船長に紹介している。
これはこれは、
お初にお目にかかります。
おや。エリーゼさん、あなたは私と同じ、
幽霊なんですね。
そうなんです。
すぐわかりました?
それはもう。
影が薄いですから。
船長はそうは見えないわよ。
とサラが言っている。
解説)
続きます。
Sep 05, 2026
たまきとローラ

たまきは水着を着替えて
ジェニーたちの部屋に帰ってきた。
島はどうだった?
楽しかったわ。

ところでそれは何?
たまきの留守中に
ドルフィンの倉庫から
レンタルしてきたの。
大リーグの野球チームのユニホームを
かたどったフィギアよ。

たまきが留守してた8月の間、
大リーグ中継を見るのが
流行ってたの。
応援してるチームが負け続けると、
まいっちゃうよ。
と文学青年が言っている。

それでこれはどこの誰の
ユニホームなのかしら。
倉庫にはこれしかなかったの。
背中に名前が書いてあるでしょ。

黒猫に変身しているマリアは、
蚊取り線香で遊んでいる。

あ、忘れてた。
これはお土産だよ。
磯の香りがするわね。

ローラも海賊船エクレア号から、
ペンギン前に帰ってきていた。

急にいなくなったと思ったら。
突然たまきに呼ばれて、
海賊船でパーティ用のお寿司を握ってたんです。
ふーん。
あなたよく呼ばれるわね。
それで、
パーティの終わった夜に
その船の船長から聞いた話なんですが。

クリスタルパールの採取できる島に、
何億年も生きている翼竜がいるそうなんですよ。
船にやってきて、女性の姿になって
自分からそんな話をしたっていうんです。
信じられます?
ふーん。
そういう姿の生命体がいるとは
聞いてたけど。
とバグが言った。
彼女の話は多分本当のことよ。
でも管理局としてはノーコメント。
別に秘密にするわけじゃないけど、
私たちの管轄の対象じゃないの。
とミラが言った。

これはお土産ですか?
とバケツの中の風変わりな魚類を見て
はるなが尋ねた。
そうなの。食べられるかどうか、
試してみて欲しいって言われて、
もらってきたんだけど、
これから調理するつもりよ。
試食を楽しみにしてね。
解説)
続きます。
Sep 04, 2026
広場で

広場にはバービーたちが来て
賑わっていた。

ルルは今日も向日葵に水をやっている。
何となく
長持ちしそうな気がする。

子供達はソフトクリームを
買いにきている。
レイ。
お店に戻ってきたんだね。
またよろしくね。

マンゴー亭では
アンナもアルバイトを再開していた。
舞に夏木さん。二人とも
留守中ご苦労様。

やっぱり肉まん運ぶより
お客さんの方が楽でいいわね。
ポーズが違うだけよ。
そうかなあ。

アイスは佳奈たちと話していた。
アイス先輩。
お貸ししたCGの装備は使えました?
と佳奈が尋ねている。
ええ、すごく役に立ったわ。
旧式の毒ガス対応だけどアクアラングになるから、
スキューバダイビングにも使える。
おかげで海底で沈没船を見つけたの。

これはお土産よ。
耳に当てて寝ると、
潮騒が聞こえて海辺の夢が見られる貝なの。
ありがとうございます。
最近寝つきが悪かったんです。

マービーは、
バーバラやBBたちに囲まれて
話しかけられていた。
あなたが噂の
月初めのコンテストの
優勝者ね。
ええ。
流石に素敵なドレスね。

顔立ちが、
私の祖母の若い頃にそっくり。
そうなんですか。
遠い親戚じゃないかしら。
それはないと思います。
実は私人間じゃないんです。
ふーん。
でもあり得るわよ。
きっと。
解説)
続きます。
Sep 03, 2026
空と海辺と

黒木の練習は続いていた。
そうそう。
その調子よ。

あらら。
集中して、
箒と一体となるのよ。

随分上達したみたいね。
おかげさまで。

どこに行くんですか。
もっと高みに。

気持ちいいですけど、
この高さだと、
落ちたら完全アウトですね。
箒にしがみついていれば
大丈夫よ。
島を一周しましょう。

その頃、
サラとエリーゼとケイトは
浜辺を散歩していた。

随分遠くまで来たわね。

木陰があるわ。
ここで一休み。
サラ、空に人が。

黒木さーん。
とサラは呼びかけている。

ヴィヴィアンさんに
指導してもらって、
箒に乗って空を飛ぶ
魔法の練習をしてたんです。
いいなあ。
私たちは散歩中。
解説)
続きます。
Sep 02, 2026
花火の翌朝

コンテストの発表が行われている頃、
マーレの島の広場では、
まだみんなが朝食を食べていた。

昨夜は魔族の魂たちが大勢来ていたわね。
亡くなった私たちのご先祖もいたのかしら。
多分ほとんどは、
この島の出身者たちの魂でしょう。
そういえば、シモーヌのお婆さまの姿も
ちらっと見かけたような気がしたわ。
とマーレが言った。
そもそもこの島は、
大航海時代に海賊が発見したと言われるが、
そのシモーヌの祖母が死ぬ直前に見た、
忘れられた夢の世界とも重なっているんだろう。
花火のアンコールは、
泉に住むアンモナイトが貝たちの代表として、
黒木氏に依頼しに来たというが、
もともと彼女が強く望んだんじゃないのかな。
それはあり得るわね。

シモーヌとフミコもテーブルで話していた。
この頭蓋骨にすごくパワーを感じる。
フミコが胸に下げている、
その頭蓋骨によく似ているわね。
このアクセサリーはね。
2024年のハロウィーンの後、
ダリオさんから着付けをしたお礼に頂いたもの。
ダリオさんは別世界から来た魔族で、
アフリカの先住民が使っていたものだって言ってたわ。
身につけていると呪力を増大してくれるの。
この大きな頭蓋骨の由来はわからないけど、
私も強いパワーを感じるわ。

サラはケイトを抱くエリーゼと立ち話をしていた。
あなたたちはこの島にはじめてきたのね。
せっかくだから、島を案内しましょうか。
お願いします。
私ずっと病気をしていて、
子供の頃に死んじゃったので、
生きていたとき
海を見たことがなかったんです。

きれいな泉ですね。
よくマービーが来て遊んでいるけど、
今はアイスと出かけていて誰もいない。
海辺まで降りていきましょう。

三人は岩場を越えて
海辺に出てきた。
う。うみ。
これが海なのね。
ケイト、あなたの体は毛糸だから、
濡れると大変よ。

その頃、黒木とヴィヴィアンは
山道を登っていた。
ヴィヴィアンさん。魔法の練習に
お付き合いいただいて
感激です。
私は基本的に暇だから気にしないで。
昨晩ハリーさんから
2冊になったからと言って、
魔術書の赤本を貸していただいたので、
さっそく徹夜で呪文を覚えて、
箒もマリアさんからお借りしたんです。
マリアは魔族なのに、
黒猫に変身する魔法と
箒に乗って空を飛ぶ魔法しか
覚えてないからね。

二人は低い山の山頂に到着した。
あのあたりが良さそうね。
落ちても草地だし。

さあ始めましょう。
あのー、呪文の最初の言葉、
覚えてますか。
もう忘れたの?
島に棲息するクリプトドンが
興味を惹かれて見にきている。
解説)
続きます。
Sep 01, 2026
コンテストの発表

翌朝、起き出してきたアンナとレイは、
デュアンに挨拶している。
おはよ。
また寝坊しちゃった。
おはよございます。

トマソンも起きてきた。
あなたも着替えたのね。
はい。
またオブジェの制作に励みます。

もう広場にお帰りですか。
ええ。1ヶ月も休みをとったからね。
またマンゴー亭でアルバイトよ。
ハリー夫妻は?
島の遺跡の広場で
朝食を摂られています。

アンナたちはハリー夫妻に
島に招待してもらったお礼の挨拶してから、
マンゴー亭に戻ってきた。
留守中にウェイトレスをしていた今井舞が
気がついて出迎えている。
1ヶ月お疲れ様。
帰ってきたのね。
島の休暇はどうだった?
楽しかったわ。
こっちは?
すごく暇だった。

広場ではルビーたちが話していた。
今日は月初めのコンテストの発表の日よ。
参加賞の準備もできてるけど、
肝心の優勝者がまだ決まってないのね。
観光客もあまり来なかったし。
来ても帰っちゃったし。

そこにアイスがマービーを連れてやってきた。
アイスはルビーたちの話を聞いていたようだ。
そんなことだと思って、
助っ人をお連れしたわ。

ルビーはマイクを手にして、
恒例のアナウンスを始めた。
みなさん。
7月のコスプレコンテストの
優勝者を発表します。
厳正中立な審査の結果、
優勝したのは、はるか遠いところから
観光でおみえになったマービーさんです。
ルビーいつもよくいうなあ。
とリタは思っている。

マービーは万雷の拍手と歓声に包まれて、
優勝トロフィを授与されている。

先月はマーレがもらっていたわね。
よくわからないけど、
あなたたちの毎月恒例の行事みたいだから、
喜んでいただくわ。
そうなんですよ。
ご協力感謝します。
マンネリみたいに思われるかもしれませんが、
こういうセレモニーを
続けることに意義があるんです。
解説)
続きます。
Aug 31, 2026
花火の饗宴 そのに

色とりどりの花火の幻影が、
賑やかに島の夜空を彩っていた。

ハリー夫妻はマーレと一緒に、
島の山頂から眺めることにした。

あら、あそこに随分人影が。
みんな魔術劇場から来たのかしら。
特に声をかけていないはずだよ。
あれは、故郷の島に里帰りしてきた
魔族の死者たちの魂よ。
とマーレが言った。

久しぶりだわねえ。
などと話している。

海辺でも、沢山の貝の精霊たちの魂が、
花火を眺めていた。
黒木に大きくしてもらった
アンモナイトも花火を眺めている。

やがて時はすぎ、
いつまでも続くと思われた花火も
次第に薄れてった。
キャプテン。
船の明かりがあちこちで
ともりはじめましたよ。

たしか、クリスタルパール探しの航海に
出航すると決めた時にも、
同じことが起きましたね。
エクレア号の船魂たちが
喜んでいるんだよ。

楽しかったなあ。
甲板で囲む焚き火の炎も綺麗ね。
突然、燃えはじめたけど、
これも魔族の魔法なの?
私たちはこの船のクルーの亡霊です。
と炎が言った。
なんだ仲間だったか。
人魂だったのね。
あまり近づかないでください。
焼き餃子になりますよ。
冗談も言うのね。

食堂では、クックドゥーたちが
遅い夕食をとっていた。
突然の寿司パーティも花火大会も
滞りなく終わったみたいね。
ローラさん。
この船で調理係を頼めませんか。
クリスタルパールを沢山差し上げますよ。
それはちょっとね。
宇宙ステーションに
お寿司を握りに行った時にも、
頼まれたんだけど、
私は縛られるのが苦手なの。
それは残念だなあ。
でも何かの催しをする時に
また声をかけてくれれば
手伝いにくるわよ。
解説)
続きます。
Aug 30, 2026
花火の饗宴

寿司パーティが終わり
夜空に花火を描く魔法が始まった。

エクレア号の甲板では
幽霊たちが花火を見ていた。
始まったね。
生きていた頃、花火を見たことあった?
僕はないよ。
すぐエリーゼに食べられちゃったから。
あなたは餃子だったからね。

島の広場でも、
みんなこぞって花火見物をしていた。
黒木の唱える呪文をアイスも補助している。

僕はまだ、呪文を覚えたばかりで
レパートリーが少ないんです。
魔族の皆さんもどうぞお願いします。
このアーチの上に登れば、
描きやすそうよ。
とシモーヌが言っている。

シモーヌとアイスが
アーチの上に登って呪文を唱えている。

フミコも楽しんでいる。

ヴィヴィアンも参加したら?
こんな時だから、思い出の封印を解くのよ。
そーねえ。

ヴィヴィアンは呪文を唱えた。
あ、すごい。
あれはなあに。
超新星の爆発。

今のみた?
すごく綺麗だったね。
あいつはなあ。
やることが。
解説)
続きます。
Aug 29, 2026
寿司パーティ

たまきたちはエクレア号で
釣りをしていた。
調子はどうですか。
古代魚みたいな、
よくわからない魚しか
釣れないの。
タコもいるじゃないですか。
これは、この前放してあげた子で、
自分から船に登ってきたのよ。
とてもたこわさにはできないわ。
食材は魔術劇場から現実世界に戻って
町の魚市場で買ってきましょうか。
そうした方が良さそうね。

結局、町の魚市場から仕入れたネタで、
ローラは寿司をこしらえていった。
魔術劇場から来たデュアンも手伝っている。
これはおいしそうですね。
それはなんですか。

これは舟盛りって言って、
舟型の容器にお刺身を盛り合わせたものよ。
洒落てますなあ。

やがて夕暮れ時になり、
遺跡の広場で寿司パーティが始まった。

フミコとシモーヌとエリーゼが、
アイスと話している。
フミコ、大昔に生きていた頃、
この島の魔族たちの
夏の祝祭日の花火のことは知ってた?
噂で聞いたことはあったけど、
私が住んでいたのは
アフリカの奥地だったからね。
それに空模様を変えて見せる魔法は
禁じられていたの。
どうして?
私たちはレプティリアンと交流があったでしょ。
彼らの乗る飛行船の運行の妨げになるからよ。

サラはアンナたちのテーブルで
話していた。
トマソンさん、
泳げるようになったんですってね。
まだ少しだけですが、
お二人の特訓のおかげです。
今度は僕が6倍のサイズの
オブジェの作り方をお教えしますよ。
そんなこと全然しなくていいのよ。

別のテーブルでは
黒木とたまきとヴィヴィアンが話していた。
ヴィヴィアンはすごい魔力を持ってるから、
花火を出現させる魔法も得意なんでしょう?
とたまきが尋ねている。
幼い子供の頃にハリー夫妻に引き取られてから、
泣いてばかりいる私のために
ハリーが呪文を教えてくれたのが最初よ。
できたのは小さな花火だったけど、
とても綺麗だった。
私には半分ヴァンパイアの血が流れていて、
子供の頃は夜しか活動できなかったの。
その頃を思い出しちゃうから、ずっとやってない。
思い出はいろいろなのね。

シモーヌとフミコが来てくれたのね。
それにヴィヴィアンも。
ジャンヌやマリアやマーリンにも声をかければ
よかったかしら。
今回は、急なことだしね。
お箸とお醤油まだかなあ。

幽霊たちは花火が待ち遠しくて
エクレア号の甲板に移動してきていた。
呼ばれたユリイカも加わっている。
けっこう花火の噂が広がってるみたいだけど、
他の幽霊たちは?
島に戻ってきた貝の精霊の魂や
魔族の魂たちと一緒に、
島の茂みのあちこちで待機してるみたい。
草葉の陰にいるのか。
ここは特等席ね。
解説)
続きます。
Aug 28, 2026
願いを聞いて

遺跡の広場では、
アイスとマーレが、パールのことや、
タコからもらった魔族の遺留品について、
ハリー夫妻に報告して話し込んでいた。

魔族の魔術書には赤と黒の2冊があって、
これは赤本と呼ばれるものだ。
主に煎じ薬の調合の仕方や
箒にのって空を飛ぶ方法などが書かれている。
私も黒本と揃いで持っているが、
呪文について書かれている黒本は、
今は魔法を練習中の黒木氏に貸してあるんだ。
いずれにせよ魔族にとって貴重なものだよ。

このワンドや頭蓋骨についてはどう?
このワンドを古代の魔族が使っていたのを
私は覚えてるんだけど。
とマーレが言った。
このタイプのワンドのことは
魔術書には書かれていないよ。
古代に戦争があったと聞いているが、
それ以前に使われていたものなのだろう。
フミコなら何か知ってるかもしれないな。
フミコさんって、古代のアフリカの魔族の都で、
リーダーだった人なのよ。
その頭蓋骨とそっくりで、もっと小ぶりなものを、
いつも首からかけている。
とカーミラが言った。

そこに泉からサラとたまきと黒木がやってきた。
アイスやっぱりここにいたのね。
実はあなたたちが船を出てから、
船の武器庫に幽霊たちが出現して、
花火が見たいって言ってたの。
それで彼らの願いを聞いて、
花火をもう一度夜空に描くことになったんだけど、
黒木さんがあなたにもまた手伝って欲しいって。
あの花火の魔法は古代の魔族の祝祭日の儀式に
使われていたらしいんです。
私の魔力だとまだ地味なのしか描けないので
よろしくお願いします。
と黒木も言った。

ハリーたちはさらなるサラたちの説明を聞いた。
だったら、今この島には、
亡くなった貝の精霊の魂たちが帰ってきているんだね。
この島に縁のある魔族の先祖たちの魂も
里帰りしているのかもしれない。
私も力を貸すよ。
とハリーが言った。
ハリーさん。
花火を空に描ける力を持つ他の魔族の人にも
参加してもらったらどうでしょう?
それで今夜も広場でパーっと宴会にして。
と、たまきが言った。
いいアイデアね。
数千年前に途絶えた御先祖の儀式の再現なんだから、
盛大にやりましょう。
とカーミラが言った。
私フミコを呼んできます。
とサラが言った。
では私はシモーヌに声をかけてくるわ。
とアイスが言った。

三人は魔術劇場に向かっている。
たまきはどこに行くの?
私は宴会の準備をしに行くのよ。
ローラを呼んでお寿司を握ってもらうの。
そこまでやるのね。

サラは鏡の扉を使って、
忘れられた夢の世界のみすずの家に出かけて、
フミコに声をかけた。

アイスは鏡の扉を使って、
常春の国のお城に行き、
シモーヌに声をかけた。
そうそう幽霊たちがあなたも呼びたいって
言ってたらしいけど、連絡は来た?
と、アイスがエリーゼに言っている。

たまきは鏡の扉を使って、サラたちの部屋に行き、
ペンギン前に行ってローラに声をかけてから、
エクレア号にやってきた。
たまきさん、そのお連れの方は?
ローラさんっていうの。
お料理がとてもお上手なのよ。
今晩花火を見物する前に島の遺跡の広場で
寿司パーティをすることになったの。
ここで調理することにしたから、
まずはネタになる魚を釣りましょう。
みなさんも頑張ってね。
それってけっこう無茶振りですね。
解説)
続きます。
Aug 27, 2026
幽霊たちの願い

あなたたち、
どうしてここに。
この船はパワースポットになっているんです。

サラさん。
こういうのとお知り合いなんですか?
と軍曹が尋ねた。
ちょうど2ヶ月くらい前に、
忘れられた夢の世界の
北の火山島で会ったことがあるの。
彼ら、みんな私と同じ幽霊じゃないか。
とクックドゥーが言った。
そういえばそうね。

ああ、かの有名なキャプテン・クックドゥーさんですね。
突然お騒がせして申し訳ありません。
と猫の幽霊が言った。
ここに来た経緯をお話ししますと、
キャプテンのご存知の通り、
このエクレア号は、大航海時代に
嵐で沈没していったんは海の藻屑となりましたが、
骸骨姿で死霊として蘇ったあなたをのせるため、
夢の世界で幽霊船として復活しましたね。
そのご、あなたが航海をやめてしまったため、
エクレア号は亡くなった船員たちの魂と共に
ずっと夢の海を彷徨っていたのです。
ふむ、それは知っている。不憫なことをした。
だが、今はこうして戻ってきたぞ。
はい。それであなたが留守をしていた航海中に
彷徨えるこの幽霊船は、幽霊たちに人気の
パワースポットになっていたのです。
それは知らなかったが。
そこで、つい昨晩のことです。
マーレのいる貝たちの魂の故郷の島で、
何千年ぶりに魔族が花火を見せる魔法を使ったという話を聞きまして。
私たちも花火見物にやってきたのです。

それはご苦労様ね。
でも花火はもう終わったわよ。
とサラが言った。
それはそうなんですが、
魔族の方にぜひアンコールをお願いしに行こうと、
いうことなりまして、誰が行くかということで、
ここで騒いでいたわけです。
わざわざこんな世界まで来るなんて、
花火ならどこでも見られるじゃない?
魔族の生み出す魔法の花火は特別なんですよ。
本物の花火じゃなくて幻影であることの
哀れさや虚しさが幽霊たちの心を慰めるのです。

私は幽霊じゃなくてフィギアの精霊ですが、
昨晩の花火の美しさには、やはり心を打たれました。
と話を聞いていたジョー軍曹がいった。
わかったわ。
じゃあ私が黒木さんに花火のアンコールを
頼んでみてあげる。
まだ島にいるはずだから。
とサラが言った。
ありがとうございます。
私たちが頼みに行けば、
怖がられて断られるんじゃないかと思っていました。
と餃子の幽霊が言った。
サラさんはやっぱり優しい人だね、
エリーゼやユリイカのお友達のことだけある。
そうだエリーゼやユリイカも呼ぼうよ。
と犬の幽霊が言った。
あなたたちには
霊界の幽霊同士のネットワークがあるのね。
エリーゼは常春の国にいるはずよ。
ユリイカは私たちの部屋に出没するわ。
私は黒木さんに頼んでくる。
あと、その二人で重なる格好
怖いからやめたほうがいいわよ。

サラたちは船倉の武器庫から
上がってきた。
サラさん。島に行くのなら
ボートを出しましょうか。
鏡の扉を使って
魔術劇場経由で行くわ。
そのほうが早いから。
省エネなんですね。

サラは魔術劇場を通って
マーレの島に現れた。
デュアンがまた見送りに出ている。
黒木さんなら今日は
たまきさんと一緒に泉に行くと
言ってました。
ありがと、行ってみるわ。
あなたも島で遊べばいいのに。
ええ、お掃除済ませたら。
と言っている。

サラが泉に到着すると、
アンナたちが遊んでいた。
黒木さん。
その格好は。
ああ、これですか。
すごく居心地がいいんですよ。

サラは、エクレア号に出現したお化けたちが、
花火のアンコールを要望していることを
黒木に伝えた。
この島の夜空を彩る魔法の花火は、
古代の魔族が、祝祭の日に、
島に帰ってきた貝たちの魂を慰めるために
行っていた年中行事だったらしいのよ。
そうみたいね。
この泉に住んでいるオウム貝も、
貝の魂たちの代表として、
わざわざお礼を言いにきたわ。
とたまきが言った。
何千年ぶりのことなんだって。
その噂を聞いた幽霊たちも集まってきて
花火見物したいって言ってるのよ。
わかりました。
今晩もう一度やりましょう。
でもあんなに綺麗な花火を見せることできたのは、
アイスさんが手助けしてくれたからなんです。
と黒木が言った。
じゃあアイスにも声をかけるわ。
アイスはハリーに会いに行ったから、
今頃は広場にいるはず。
解説)
続きます。
Aug 26, 2026
船での出来事

エクレア号では、
ランチタイムを終えて
パールが去った後の余韻に浸っていた。

このオウム姿のトンピリビが、パールと同じく
別の宇宙から来た存在だったなんて驚いたわ。
でも私たちとは会話できないのよね。
マーレと私にだけは言いたいことが伝わるんだ。
テレパシーって言われるようなものかな。
パールのこと、聞いてみた?
うん、私も驚いたからね。
彼女の話は嘘じゃないって言ってたよ。
自分とパールは多少役目が違うんだって。
思えば、私が溺死する前も、死霊となって
蘇った後も、ずっと一緒にいたんだ。
不思議なやつだと思ってはいたんだが。

さて、この貰い物をどうしましょう。
この島の近くで見つけたものだから、
マーレが預かってくれる?
みんな魔族に関係するものしょう。
私が持っていても使えないし、
魔族の皆さんの役にてて。
じゃあ、ワンドや魔術書はハリーに言って、
魔術劇場で保管してもらいましょう。
頭蓋骨は古代の魔族が使っていた呪具みたいだから、
フミコに見せたら何かわかるかもしれないわ。

アイスは貰い物をバッグの中に収納した。
私これからハリーに届けにいってくる。
たぶんまだ島の広場にいるはず。
私もご一緒するわ。
昔見たワンドのことなども話しておきたいし。

二人が鏡の扉を使って魔術劇場に出かけた後、
ジョー軍曹がサラとクックドゥーのところにやってきた。
キャプテン。
下の船倉で不穏な物音や話し声が聞こえるんですが。
船倉で?
船倉の武器庫の中からのようなのですが、
鍵がかかっていて確かめようがないんです。

三人は武器庫のある船倉に向かった。
この船に武器庫なんてあったのね。
一応エクレア号は海賊船だからね。
ほとんど使ったことないけど。

クックドゥーたちは
船倉に降りて、鍵を開けて
武器庫の中に入って行った。
武器弾薬を収納した木箱や、
古めかしい大砲が置かれている。

ここから聞こえてきたんです。
何も異常はないようだが。
あ、あそこに。
とサラが言った。

大砲や木箱の奥から
サラには見覚えのある
幽霊たちが姿を現した。
あ、うるさかったですか。
と言っている。
解説)
続きます。
Aug 25, 2026
水遊びの続き

アンナたちは遺跡の泉で
遊び続けていた。

黒木さんも泳がない?
水着を持ってきてないので。
マーレからもらった
このオウム貝のベッドに入ると、
体が濡れてないのに気がついたの。
黒木さん、使ってみてよ。

あなたにもピッタリね。
さっそく素潜りしましょう。
本当に大丈夫なんでしょうか。

たまきと黒木は
泉に潜っていった。

きれいな風景ですな。
潜ってみてよかったでしょ。

泉の深い底の場所で、
先刻、黒木にお礼を言いにきた
アンモナイトを見つけた。
マービーも黒木の様子を見にきている。
こんにちわ。
先ほどはどうも。
マーレのオウム貝のベッドに
乗ってるんですね。
僕もそんなに大きくなれたらいいなあ。
黒木さんは魔族だから、
魔法で大きくしてくれるわよ。
とたまきが言った。
た、たまきさん。
またとつぜんそんなことを。
練習したんでしょ。
成果を見せるいい機会よ。

黒木が呪文を唱えると、
薄い水煙がたちのぼり、
アンモナイトの姿が巨大になった。
あ、ありがとうございます。
とアンモナイトは言っている。

私だけみたいだけど、
息が苦しくなってきちゃった。
たまきたちは水面に戻ることにした。
アンモナイトは手を振っている。

三人が水面に浮上すると、
トマソンがクロールで泳いでいた。
すごいすごい。
特訓の成果よ。
とアンナが言っている。
解説)
続きます。
Aug 24, 2026
ランチタイム

パールは質問攻めにあっていた。

宇宙連合のことを知っているのなら、
もしかしてあなたも
どこかの星から来た宇宙人なの?
とアイスが尋ねた。
そうとも言えるけど、
来たのはこの宇宙じゃなくて別の宇宙から。
私が知っていることで言うと、
最初にこの星に来たのはレプティリアンたち。
彼らは古代に魔族と協力関係にあったけれど、
自分たちで内紛を起こして戦争になり、
巻き込まれた魔族の都は滅びでしまった。
その後レプティリアンたちは和睦して、
人類や魔族との交流を断つ方針に変更した。
宇宙連合がこの星の文明を見つけたのは
その後のことだって聞いてるけど。
とアイスが続けた。
私たちはレプティリアンたちが来る前からいたわ。
私たちって?
私とそこにいるトンピリビとか。

そんな話聞いたことがなかった。
確かにトンピリビはこの島に、
私より前から住んでいたような気がする。
でも、そこにいるクックドゥーが、
貝を探しに島に来た時、彼について島から出て行って、
戻ってきた時に、いろいろ報告をしてくれる友達だった。
たしかにトンピリビは物知りだけど、
別の宇宙から来た生き物だったなんて。
とマーレが言った。
本当はね。マーレ、あなたも私たちと関わりがあるのよ。
何も覚えていないのにも理由があるの。
あなたは貝のみる夢の中でこの島を訪れる人々の行動を、
自分の姿を現さずに、全て見通すことができたでしょう。
そう言う力をあなたは持っている。
それにアンモナイトが夢見る太古の世界で
いつも遊んでいるでしょう。
あの夢は、あなたの記憶の再現でもあるのよ。
それって2億年も前のことでしょ。
とサラが驚いていった。

話が大きすぎてついていけないけど、
あなたたちは何のために別の宇宙から来たんですか。
とサラが尋ねた。
それはとても一言では言い表せないけど、
侵略とか征服とかいうことじゃないのよ。
死後の世界とも関係してるんですか。
それはもちろん繋がりがあるわ。
死んじゃっておしまいだと、
寂しいでしょ。

他に質問はないかしら。
管理局のことを伺いたいわ。
管理局は銀河系の様々な惑星文明の
集合体である宇宙連合とは別の組織で、
他の宇宙から来た存在がコントロールしているって、
聞いたことがあるの。あなたたちのお仲間?
とアイスが尋ねた。
それはその通りよ。
それに、管理局が、いろんな惑星文明の初期段階で、
神話や伝承を作る手伝いをしているって
聞いたことがあるわ。
とアイスが言った。
まあそういうこともね。
それも私たちがこの宇宙に来た理由の一つ。
でも管理局の局長クロリスも、
宇宙連合の宇宙ステーションの船長メイズも、
銀河系の惑星出身の同じ有翼の種族でしょ?
いい視点だわ。
彼女たち天使族はこの宇宙での協力者なの。

突然ですが、ランチタイムにしませんか。
さっき缶詰をたくさん開けちゃったんです。
と軍曹がいった。

ランチタイムが始まった。
あのワンド、どこで見つけたの?
とパールがマーレに聞いている。
沈没船の中だって。
タコが沈没船の遺留品を集めていたみたいで、
タコの子供を助けたお礼にって
アイスがタコから貰ってきたの。
私ね。大昔にこの島に魔族の都があった頃、
魔族があのワンドを使って鳥と会話するのを
見たことがあって、
それで、きっとアイスなら使えるんじゃないかって、
思ったわけ。
そしたらやっぱり、アイスが使ったら、
あなたが言葉を話せるようになって。
あのワンドには、クリスタルパールが、
はめ込んであったでしょう。
あのワンドは、私が作ってあげたものなのよ。
私は当時も普段は鳥の姿をしていたけれど、
祝祭の日に魔族のリーダーがワンドを使うと、
私を人間の姿にすることができた。
ワンドは戦時中に失われたんだけど、
沈没船の中にあったのね。

私はまたケツァルコアトルスの姿に戻るわ。
私に用事がある時には、
その貝を笛のように吹いて。
と言って、パールはアイスに、
巻貝を手渡した。
それ、さっき私が海中で拾った貝とそっくりですね。
とサラが言った。
昔の魔族もその貝で私を呼んだの。
あなたも持っているといいわ。
呼んでくれれば、飛んでいくから。
はい。でもそれじゃ混乱しません?
それぞれの貝は音色が違うから大丈夫よ。

パールは翼竜ケツァルコアトルスに変身すると
海上を飛び去っていった。
悪い人じゃないみたいだけど、
やっぱり謎だなあ。
話だと何億年も生きているんでしょう。
全能感あるのに、戦争中に失われたワンドが、
見つかったことに驚いていた。
話すと普通の女の人みたいだったし。
マーレは大昔に
この島にあった魔族の都で
パールの姿を見たことなかったの?
全然気がつかなかった。
魔族のリーダーが祝祭の日に
天幕の中に鳥を呼び入れて
お告げを聞く儀式の風習はあったけど、
相談相手はパールだったのね。
解説)
続きます。
Aug 23, 2026
バッグの中身

エクレア号では、
タコからもらったバッグを前に
みんなで話していた。
このバッグはそんなに
古いものじゃないわね。
船が何隻も沈んでいたから、
新しそうなバッグを見つけて
使ってたんじゃない?
その船って、みんな、
貝目当てにマーレの島を目指してきて、
難破した船なんですか?
そうとも限らないわ。
魔族の都が栄えた頃には、
かなり行き来があったから。
それは何千年も前の話ですよね。

アイスはバッグを開けて
中身をテーブルの上に並べた。
ほとんど缶詰ね。
タコは開けられないから
貴重品として取っておいたのよ。

興味深いのはこれ。
どれも魔族が使うものね。
大航海時代のものなのかな。
これは散逸したと言われている魔術の書。
ハリーも持っているけど、
すごい貴重品のはずよ。
このワンドには見覚えがあるわ。
クリスタルパールが嵌め込まれているでしょう。
古代の魔族が使っていた。
とマーレが言った。
それは山羊か何か哺乳動物の頭蓋骨ね。
一回り小さいものをフミコが首にかけてる。
彼女ももとは古代の魔族でしょう。
きっと魔力を増大するのよ。

サラは缶詰を食堂に運んだ。
いくつか開けてみたけど、
全然食べられそうですよ。

アイスがワンドを持って
手すりにもたれていたら、
パールが飛んできた。
あらパール。
しばらく見かけなかったわね。

アイス。
そのワンドをかざして、
パールに声をかけてみて。
とマーレが言った。

アイスがワンドをかざすと、
微妙な煙が立ち上った。
こんにちわ。アイス。
あらら、あなた言葉が
話せるようになったの?
ええ。
よくそんなものを見つけたわね。
タコからもらったのよ。
それにしても、
あなたは不思議な鳥。
いえ、鳥なのかしら。
言葉が話せるのなら、
いろいろ聞いてみたかったことがあるの。
いいわよ。

あなたはクリスタルパールのある島で、
どこからか飛んできて、
私の肩にとまって、それから
ずっと私に懐いたように寄り添っていたわね。
それまで、あの島に一羽だけで住んでいたの?
仲間やご両親は?
ふふふ。いい質問ね。
私はずっと一人きりだったのよ。
私はすごく長生きなの。
マーレよりもずっとね。
あの島に、ずっと住んでいた。
私より長生きだったなんて知らなかったわ。
私は昔のことを覚えていないの。
私がいつどうして生まれたのかも、
もし知ってたら教えて欲しいわ。
とマーレが言った。
そこにトンピリビが飛んできた。
昔のことなんてどうでもいいじゃない?
あなたは夢見る貝の精霊たちの眠る島を
ずっと見守るために生まれてきたのよ。
私も同じようなものね。
じゃあ、なぜ島を離れて、
私にくっついてきたの?とアイスが言った。
それはあなたに興味があったからよ。
魔族じゃないのに魔法が使える。
それに、あなたは役目をおっているでしょ。
確かにCGっていう国際組織の一員ですけど。
それだけじゃないわね。
なんのことかしら。
ほら、宇宙連合から宇宙人と人間の
トラブルの調停役を頼まれたでしょ。
そんなことも知ってるの?
ええ。
そうだ。私を人間の姿に変えてくれない?
マービーにはできたけど、
うまくいくかどうか。
そのワンドをかざして
思いついた呪文を唱えるだけでいいのよ。

アイスはパールに言われた通りに、
ワンドをかざすと、
長い呪文の文句がすらすら浮かんだので、
唱えてみた。
周囲に薄い煙がたちのぼり、
パールは人間の女性の姿に変身した。
ありがと。
どうもケツァルコアトルスのままだと、
滑舌が悪くて。
とパールが言った。
解説)
続きます。