Feb 27, 2026
子供の領分 そのに

広場の演奏は続いている。

さっきまで広場にいたみたいだけど、
ルイちゃんはどこに行ったのかしら。
他の子と一緒でしょ。
そうだといいけど、
あの子、よく迷子になるのよ。
4年前の春節でも
迷子になったの。
そんなに前から知ってるの?
その時が初めてだったはずよ。

ルイたちは
ベランダの洗濯物干し場に移動していた。

仲良しになったんだし
探偵団を結成しようよ。
少年探偵団。
と圭が言った。

少女探偵団ね。
え。
そんなのないよ。
男の子は圭だけでしょ。
そうか。

団長はピリカだね。
一番年長みたいだし。
私は子鹿のフィギアの精霊で、
年齢なんてないのよ。
精霊であることに目覚めて数ヶ月だし、
この世界のこと何にも知らない。
みんなそうだよ。
脇役みたいだし。
それで探偵団って
何するの?
まだわかんない。

広場のラーメン屋台には、
ドルフィンのマスターと
イベント企画好きの夏木さんがいた。
はい、お待たせしました。
と言われている。

私もラーメンを。
はい。あら初登場、
じゃなかった、初めての方ですね。
観光でお見えですか?
そんなところです。
あ、僕もう食べ終わるので、
この席空きますよ。
とマスターが言っている。

男性はラーメンを啜っている。
うまいですなあ。
春節はラーメンに限る。
餃子もありますよ。

マンゴー亭では、
調理の区切りがついたローザが
厨房から出てきた。
そのチャイナドレス、
なかなかお似合いよ。
ちょっと丈が短すぎると思いません?
それしかなかったのよ。
倉庫でスラックス探してみるわ。
と小池恵子が言っている。
解説)
続きます。
Feb 26, 2026
子供の領分

広場では大道芸人たちの演奏が再開され、
人々は平常に戻って聞き入っている。

「春一番」は名曲ね。
この季節にぴったり。
などと話している。

エトナがドルフィンの2階から、
小さな女の子を連れて降りてきた。
あらかわいい子ね。

その子は、ルイちゃんっていうのよ。
私の遠い親戚の娘さんなんだけど、
両親が不在がちで、よく預かってるの。
と言っても、ほとんどドルフィンの2階で
預かってもらってるんだけど。
とマンスフィールドさんが言った。

子供達が話している。
あなたはドラコにお煎餅あげたり、
話したりしてたわね。
すごいなあ。
あ、私は鈴木すず。
僕は池谷圭。
私はピリカよ。

そこにルイがやってきた。

ルイとピリカは見つめあっている。
あなたは、ルイね。
その声は、
もしかしてピリカ?

やったーと言い合って、
ハイタッチしている。

ルイちゃん、
ピリカと知り合いだったの?
マンスフィールドさんの倉庫で出会ったの。
ピリカは子鹿のフィギアだったのよ。
この前行ったらなくなっていて、
マンスフィールドさんに聞いたら、
シモーヌっていう人にあげたって言ってた。
いなくなって寂しかったの。
それってどういうこと?
私はまだ子供だから、
人形と話ができるの。
とルイが言った。
私はできないよ。
とすずが言った。
僕も。
と圭が言った。
子供にもいろいろあるのよ。
とピリカが言った。
私は子鹿のフィギアに宿っていた精霊。
マンスフィールドさんの倉庫に
置かれていたとき、
ルイが話しかけてくれて、お友達になったの。
それから去年の7月の初め。
倉庫に見学に来たディアナが、
フィギアの中に宿っていた私を見つけて、
マンスフィールドさんから譲り受けたの。
ディアナも鹿のフィギアの精霊だから、
私のことがわかったのね。
それから、ディアナに夢の世界に連れて行ってもらって、
そこに来ていたフミコっていう魔族の人が、
魔法で人間の姿に変身できるようにしてくれたのよ。
おとぎ話みたいだね。

仲良くなった子供達は
鹿せんべいを食べている。
子供なのでなんでも食べるのだった。
解説)
続きます。
Feb 25, 2026
春節の広場 そのきゅう

龍は宝珠を探す仕草をしている。

宝珠を見つけた仕草をしている。

やがてうねうねと天に昇っていく。

流石にみんな気がついて、
踊りをやめて空を仰いでいる。

空に登っていっちゃったね。

見事なもんですね。
みんな踊りをやめましたよ。
帽子どうしたんです。
脱帽しているんだよ。

あれ、どうしたんだろう。
なんか頭が軽くなったみたい。
龍の舞が終わったんだよ。

見事なものね。
そういえば、2年前の春節でも、
ハリーさんが最後に
龍を天に登らせたのよ。
同じ魔法なのかしら。
今のは人形を操る魔法の応用です。
物品に精霊が宿っていなくても、
操ることはできるんですよ。
あの作り物の龍は微妙で、
自分で舞の手順を覚えていました。
精霊が目覚めかけているのかもしれません。
ふーん、春節だから、
龍の舞を踊りたかったのかも
しれないわね。
それで龍はどこに行ったの?

まだ空を漂っていますよ。
じゃあ、郊外の森林公園に
おろしてくれない?
ドルフィンのスタッフに頼んで、
後で回収してもらうわ。
わかりました。
解説)
続きます。
Feb 24, 2026
春節の広場 そのはち

シモーヌは、
作り物の龍の頭に向かって呪文を唱えている。
薄い煙が立ち上った。

龍はゆっくりと頭を上げて
もぞもぞと動き出した。

龍は広場に出てきた。

みんな踊りに夢中で
まだ気がついてないみたい。
頭ごしに動いていくから、
持ち上げているように見えるわね。

あれは龍でしょう。
みんなで踊りながら運んでいるのか。
器用なものだなあ。

なんだこれ。
ジェットが気がついたようだ。

わー龍だよ。
龍の舞が始まったんだ。

龍はお構いなしに
うねうねと踊っている。

ケイ、気がついたのね。
龍の舞は中止じゃなかったんですか。
それが事情が変わったのよ。
解説)
続きます。
Feb 23, 2026
春節の広場 そのなな

広場で踊る人の数は増えていた。

大道芸人たちの演奏も
熱を帯びている。

踊らにゃ損損。
と言っている。

ジェットとケイも
噂を聞いてやってきて
参加している。

カオス状態になってきたわね。
今日は気温も上がって
春一番が吹いたそうだよ。
踊り日和だね。

ルビーのところに、
シティポリスがやってきた。

あのー。
この踊りいつまで続くんでしょう。

春節の時には、よくこうなるの。
ご存知でしょう。
ここの住人はみんな
歌や踊りが大好きですからね。
しかし、
これ以上人数が増えると
カオスになりますよ。
怪我人が出ないうちに
とめないと。

私が止めましょうか。
とシモーヌが言った。
そんなことできるの?
龍に踊ってもらうんです。

魔法で龍を動かすのね。
見てみたいわ。
とサラが言った。
魔法を使うのは
まずいんじゃないですか。
みんな踊りに夢中だから、
きっと大丈夫よ。
解説)
続きます。
Feb 22, 2026
春節の広場 そのろく

シモーヌは倉庫から戻ってきた。
おかえり。

シモーヌは部屋の奥に目をやった。
あれはなんですか?
春節の竜の踊りに使われる、
作り物の竜よ。
準備のためにスタッフが出してきたんだけど、
今年は操作する人がいなくて、
舞は中止になったの。

シモーヌたちはベーカリーの
テーブル席に座って話している。

シモーヌ。
一人で鏡の扉を使って、
マンスフィールドさんの倉庫にいって、
すぐに戻ってきたのは、
素早い行動で驚いたけど、
わけを説明してくれる?

ええ。実はね。
私、以前にもあの倉庫を訪れたことがあったの。
マンスフィールドさんのお話で、
倉庫の一部を美術館として開放していることや、
フクロウのコレクションがあるって聞いて、
本当に同じ場所か確かめに行ったというわけ。
黙っていてごめんなさい。
全然いいけど、
確認できたの?
ええ、あのフクロウの置物のコレクションの多くには、
精霊が宿っていて、今は別世界で暮らしているんです。
ふーん。そうだったの。
私はそういう判断能力は全くないからわからない。
あのコレクションは確か知人から譲り受けたものよ。
そうなんですね。
でも一つカラフルな新しいのがありましたよ。
ああ、あれね、
あれは最近買ったのよ。

広場では
踊る人が増えていた。

だんだん盛り上がっている。

屋台ではルビーと
ドルフィンのマスターが話している。
賑やかになってきましたね。
カオス状態にならないといいけど。

マンゴー亭では、
ローザが、春節の期間中のお店の手伝いを
頼まれて、承諾していた。
春節の間は、従業員はチャイナドレスで
統一することになったんで、
その服装で頼むよ。
解説)
続きます。
Feb 21, 2026
春節の広場 そのご

サラたちはマンゴー亭で
話し込んでいる。

ジャンさん。
あなたは庭にジオラマの村を作るほどの
フィギアマニアなんでしょう。
その村に配置していたフィギアたちに
精霊が宿って異世界で暮らし始めた。
そのきっかけはなんだったの?
とシモーヌが尋ねた。

話せば長いんですよ。
僕はあの郊外のバービーハウスを、
美術品のコレクターだったマンスフィールドさんから
購入したんです。
家には人形の保管用の倉庫が付いていたんで、
それが魅力だったんです。
その倉庫にはリリスという人形が置いてあって、
マンスフィールドさんから、リリスは
倉庫の主だから大事にするようにと言われました。
それが購入の条件だったんです。
後で知ったんですが、その人形に精霊が宿っていたんです。
ある日、たまきとベーカリーで知り合って、
僕が庭にジオラマの村を作っていることを知った、
たまきたちが、家に遊びにきて、
倉庫で休憩していた時、フィギアの兵士たちが乱入してきました。
倉庫のドアが、突然異世界と繋がるようになったんです。
やがて異世界からリリスが現れて、
その異世界はリリスの力だけでなく、
その土地の持つ力や、フィギアたちの思いや、
もちろん僕の願いなど、いろんな事情が重なって
生まれたというようなことを教えてくれました。

なるほど。
魔族が魔法で生み出した世界じゃなかったっていうことね。
その家の前の持ち主のマンスフィールドさんは?
彼女なら大抵広場のベーカリーにいますよ。
コンテストの審査員をされているんです。
町の市街地に近い場所に大きな倉庫を持っていて、
今でも美術品のコレクターとしても活躍されています。
ご紹介しましょうか。
ええぜひ。

3人は広場のベーカリーに向かった。
マンスフィールドさん。
あら、ジャン。
お揃いで何かしら。
ご紹介したい方が。
こちらシモーヌさん。
骨董品の売買をされています。
シモーヌです。どうぞよろしく。
ところで突然不躾なお願いで恐縮ですが、
マンスフィールドさんは美術品を蒐集されていて、
大きな倉庫をお持ちとか。
仕事柄とても興味があるんです。
拝見させていただけないでしょうか。

もちろん歓迎するわ。
倉庫の一部は、美術館のように一般にも開放しているの。
でもここからだと、
車で行かないとちょっと遠いわね。
シモーヌは、その言葉に何か思い当たったようで、
もしかして、フクロウのコレクションをお持ちですか?
と尋ねた。
フクロウの置物なら、結構あるかな。
やっぱり。じゃあ早速伺います。

ドルフィンの建物の中に入ると、
シモーヌは壁に向かって呪文を唱えた。
すると薄い煙がたちのぼり、鏡の扉が現れた。
またなんでもありなのね。
と言われている。

シモーヌが扉を抜けると、
そこはマンスフィールドさんの倉庫の
中だった。
やっぱりここだったわ。
と言っている。

棚にはフクロウの置物のコレクションが
並んでいる。

カラフルなフクロウの置物がある。
おや、君は新入りね。
それに精霊が宿っている。
君も自由になって、常春の国に行きたい?
解説)
続きます。
Feb 20, 2026
春節の広場 そのよん

ガルーダの舞に続いて、
自由参加の踊りが始まった。

みんな好き勝手に
踊っている。

今年はわりと参加者が少なくて、
カオス状態になりそうもないわね。
結構なことです。
などとルビーたちが話している。

ピリカは、
ドラコと話している。
私もあなたと同じ夢食いなのよ。
ダーダー。

マンゴー亭では、
ジャンとシモーヌが話していた。
この前の馬のフィギアの精霊は元気ですか。
エドね。
常春の世界で、ディアナと一緒に
野原を駆け回っているわ。

鹿せんべいが焼きあがったわよ。
とローザが言った。

鹿せんべいをもらったピリカは
ドラコにもあげている。
ドラコはダーダーと
お礼を言っている。

ピリカはアンに抱き上げてもらった。

サラはマンゴー亭に行った。
あら、ローザ、
マンゴー亭で働いてるの?
忙しそうだったので、
お手伝いしてるだけよ。
あなたの腕なら、きっと
スタッフに誘われるわよ。
解説)
続きます。
Feb 19, 2026
春節の広場 そのさん

広場の一画から大道芸人たちが移動して、
マイクを持ったルビーが現れた。

これから春節恒例の
ガルーダの舞の演舞を始めます。
舞手は舞踊研究家にして
マンゴー亭のシェフの丹下健太氏。
ごゆるりとご観覧ください。

ガルーダのお面を被った
丹下健太が登場して一礼した。

大道芸人たちの演奏に合わせて、
丹下健太は早速踊り始めた。

軽やかにジャンプしながら、
意味不明の身振り手振りをしている。

音楽がクライマックスに達して、
健太は驚異的なジャンプをした。
時の流れが緩やかになって、
空中に静止しているように見えた。

万雷の拍手と歓声に包まれ、
健太はお辞儀をしている。

舞と佳奈は食事に夢中だったようだ。
あれは何?
と空を見上げて舞が言った。

上空には円盤が浮かんでいた。

宇宙ステーションから、
ピピが踊りを見にきていたのだった。
解説)
続きます。
Feb 18, 2026
春節の広場 そのに

マンゴー亭で
ジャンとローザが話している。

君は去年のハロウィーンのコンテストで
ゾンビの仕草で優勝した人だろう。
この町の人じゃないよね。
ええ、観光に来たんだけど、あれから、
喫茶ペンギンの前のカコさんたちの家に
家事手伝いで居候させてもらっているの。
ふーん。これ美味しいね。
君が焼いたの?
そうよ。
私は料理研究家なの。

バターを塗ると
こくが出て一味違うわよ。
お塩を少し振ると、さらに甘味が引き立つわ。

そこにシモーヌとピリカがやってきた。
マスター。この前は
鹿せんべいを作ってくれてありがとう。
すごく好評だったので、
また注文してもいいかしら。

もちろん。
と言いたいところだけど、
これから、ガルーダの舞を
踊らなくちゃならないんだ。
それに春節でラーメンの屋台も出してるし、
注文が多くてね。
ちょっと時間がかかるかもしれないな。

あ、だったら私に手伝わせてもらえませんか。
鹿せんべいは得意なんです。
と会話を聞いていたローザが言った。

サラはルビーたちに会って話をしている。

もう春節なのね。
今年は恒例の竜の舞は見られるの?

それが今年は取りやめになったんですよ。
いつもは軍の特殊部隊が協力してくれるけど、
今年はなんでも豪雪地帯に派遣されていて、
雪かきをしてるらしくてね。
とドルフィンのマスターが言った。
でも恒例の春節の踊りは
これから始めるつもり。
解説)
続きます。
Feb 17, 2026
春節の広場

サラたちは鏡の扉を使って
サラたちの部屋に戻ってきた。

広場で春節が始まってるよ。
今年は屋台が出てるみたい。
まだ寒いよね。

サラは上着を着込んでいる。

3人は広場に出かけた。
万国旗がはためいている。

ピリカは干支の馬の埴輪に
注目している。
いい匂い。

ラーメンの屋台が出ていたのだった。

佳奈と舞がラーメンを食べている。

鈴木すずと圭も
出来上がりを待っている。

アンナと小池恵子は
チャイナドレスを着ていた。
その格好二人とも
久しぶりじゃない?
春節だからね。
解説)
続きます。
Feb 16, 2026
朝の出来事 そのに

なんかすごい声が聞こえたけど。
ああ、
恐竜が叫んだんですよ。

何が起きたか、
聞かないことにしよう。
家の周りを案内するわ。
とみすずが言っている。

ここは菜園なの。
ヤビーが喜びのポーズをしている。

あれは常設タイプの鏡の扉ですか。
ええ。
現実の未来の世界に行けるのよ。
現実世界ですか。
私は遠慮したいなあ。

一行は家の玄関前に戻ってきた。
ところで、
情報の記録装置みたいなものはありますか。
とマルテが言った。
紙とペンね。もちろんあるわよ。
でもどういう風の吹き回し?
湖でアンモナイトを見つけたり、
恐竜を見ているうちに、
大昔のことをいろいろ思い出して、
記録に残しておきたくなったんです。

そうそう、レイチェルが使っていた
机と椅子があるわ。

何を書くの。
もちろんマルテの手記です。
そのタイトルは
やめた方がいいわよ。
じゃあ火星年代記。
それもやめた方がいいわ。

文字を書くなんて、
見かけによらないわね。
人間みたい。
そこにピリカがやってきた。
シモーヌ。
鹿せんべいごちそう様でした。
また食べたいんですけど。

あれは広場のマンゴー亭で、
特別に作ってもらったの。
また行って頼んでみましょうか。
うん、私も行きたい。
広場ねー。
そういえば今日は2月の16日。
今年の春節は明日からだから、
里帰りして見物するのもいいわね。
とサラが言った。

サラはシモーヌとピリカを連れて
家に戻ることにした。
解説)
続きます。
Feb 15, 2026
朝の出来事

サラはぐっすり眠って
部屋から起き出してきた。
おはよー。
おはよ。
今日もいい天気よ。

夢とは思えない瑞々しさね。

マルテは起きたかしら。
あ、ヤッピー。おはよう。
おはようございます。
マルテさんなら、
みすずさんと散歩から、
戻ってこられたところです。
玄関の前にいらっしゃいますよ。

二人が玄関前のベランダに
回ってみると、
アンキロサウルスのアンキローに乗ったみすずと
マルテの姿が見えた。
おはよーと声をかけている。

天気がいいので、
湖畔で朝食を食べようということになった。

あれはサイカニアの群れね。

マルテは何も食べないの?
私は水だけでいいんです。
昨日たっぷり飲みましたから。
ちょっとこの辺を歩いてきます。

さっきのみすずが乗ってた恐竜は?
ああ、アンキローね。
群れに帰ったみたい。
いつも私の朝の森林浴に付き合ってくれるの。
あれでまだ子供なのよ。

マルテは
ティラノサウルスに出会っていた。
解説)
続きます。
Feb 14, 2026
夕食のあとさき

サラは食堂に降りてきた。
ヤッピーが配膳をしている。
すっかりうたた寝しちゃった。

夕食が始まった。
ふーん。そんな夢を見たの。
マルテに似た宇宙人に、
声をかけたところで目が覚めたのよ。

ヤビーが、料理を運んできた。
それは。
湖でとれたアンモナイトですよ。
それ夢に出てきたわ。

食事が終わり、
みすずはシモーヌを
来客用の寝室に案内している。
シモーヌさんは
この家に泊まるの初めてでしょう。
一人だとちょっと広いけど、
この部屋を使ってね。

確かに広いわね。
応接セットもついてる。

サラはいつもの部屋ね。
了解。

サラの泊まる部屋を
見に行ってもいい?
もちろんよ。

このベッドも寝心地良さそうじゃない?
そうなのよ。
ところで、さっき話した夢のことだけど、
何か意味があるのかしら。
夢の中で見た夢でしょう。
さすがに、そういうのはよくわからないわ。

フミコはマルテを
来客用の寝室に案内していた。
二人用の大きいベッドだから
あなたでも十分使えるでしょう。
そうですね。
私は手足をまとめると
意外と場所をとらないんですよ。
人間用のベッドを使うのは初めてですが。

私たちの星が見える。
とはいえ、ここは忘れられた夢の世界。
この夢を見た人はかなりの人ですね。
シモーヌの祖母だったって聞いてるわ。
亡くなる直前に見ていた夢で、
夢を見ながら亡くなったのかもしれないの。
じゃあ私たちみたいに
夢の中に移り住んで、
ずっと生きておられるのかもしれない。
木々の梢をゆすって、
風が波のように通り過ぎていった。
解説)
続きます。








