Jul 08, 2026

七夕 そのに

a1

広場の賑わいは増していた。


a2

ケンとBBが話している。

さっき短冊の願い事を見たら、
「人間になりたい」っていうのがあったわ。
誰が書いたのかしら。

なんだか怖いね。


a3

レイはヨシフにソフトクリームを
手渡している。

いつもそこに立って
バー・デジャのドアマンしてるの大変ね。
これはお店からのおごりよ。

それは嬉しいなあ。
僕は仕事で立ってるだけですけど。

あなたがそこにいるだけで
お店の用心棒になってるのよ。


a4

マンゴー亭では、
ハリー夫妻とサラとシモーヌが話していた。


a5

今日は七夕ね。
年に一度、天の川を挟んで織姫と彦星が
会うことを許された日。
宇宙ステーションからホテルに来る宇宙人に、
そういう伝説の話をしたら、
昔、誰かかが地球人に教えたんじゃないかって、
すごく面白がっていたわよ。
とカーミラが言った。

そうなんですか。


a6

織姫の星ベガと彦星のアルタイルは
16光年離れているというんだが、
それでも遠距離恋愛は成立するっていうんだよ。
今日はあいにく曇り空のようだが。


a7

シモーヌ。
また魔法で、星空を見せてくれない?
とサラが言った。

いいわよ。


a8

シモーヌが呪文を唱えると、
広場の上空に星空が広がった。


a9

あらら。
あれは天の川かしら。
どれが彦星?


a10

その頃、探偵事務所では、
エリスがドルフィンから借りて来た
周り灯篭をみんなで囲んでいた。

中のロウソクに火を灯すと、
回り始めるのよ。


a11

火を灯すと、タイミングよく、
窓の外も星空になったのだった。



解説)
続きます。
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Jul 07, 2026

七夕

a1

今日は七夕。
サラはシモーヌに
浴衣の着付けをしている。

これは日本の夏用の民族衣装よ。


a2

二人は広場に出かけた。


a3

流石に今日は賑やかね。


a4

アイスの入ったボックスを、
すずが覗き込んでいる。


a5

ハリー夫妻も、
アフリカのホテルから
見物に来たようだ。


a6

銀河~に浮か~べ~た~
白い小舟~🎵


a7

これは古すぎる。
と夏木さんは思っている。


a8

たまきとナオミも
浴衣姿で来ていた。


a9

みんなソフトクリームが美味しそうね。
あ、ななみちゃんじゃないの、
久しぶりね。
とサラが言っている。

ずっと段ボールハウスの中で
浴衣着てたので、
遊びに来たの。

リカちゃんは元気?



解説)
続きます。
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Jul 06, 2026

明日は七夕

a1

高台の休憩所では、
ルルが鉢植えの草花に水をやっている。

精が出るわね。


a2

セルロイドの切屑を捻ったような
お水ね。

そういう
形容は良くないわ。


a3

ジェニーたちの部屋では、
たまきが短冊に
願い事を書いていた。


a4

なんて書いたの?

「人形になりたい」って
書いたの。

またそのお願いなのね。


a5

広場では七夕の
準備が進んでいた。


a6

笹の葉さ~らさら🎵

ドラコも懸命に歌っている。


a7

マンゴー亭ではレイとアンナが、
アイスを売るコーナーを
設置していた。


a8

舞は打ち水をしている。


a9

子供たちがルビーに
話している。

森林公園に
虫を取りに行きたんだけど、
歩くとすごく遠いの。

それはそうね。
車じゃないと無理。


a10

佳奈、明日にでも、子供達を
ジープで公園に連れて行ってくれる?

また運転していいんですか。
でも明日は七夕で、
観光客が来ますよ。

あ、そうだった。
じゃあ、その後で。
君たちは準備しておいてね。

子供達は喜んでいる。



解説)
続きます。
Posted at 19:23 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Jul 05, 2026

夏の準備 そのに

a1

サラとシモーヌは、
夏用のアイテムを調達しに
広場に出かけた。


a2

明後日はもう七夕なのね。

シモーヌは、七夕の飾りつけを
初めて見るので興味津々のようだ。


a3

スイカとパイナップルと
メロンが入荷しましたよ。
とヘルミーネが言っている。


a4

隣で子供たちが舞と話している。

昆虫ってどこにいるかなあ。

きっと郊外の野原に行けばいるわ。
森林公園とか。

この捕虫網ボロボロだよ。

穴は空いてないから
まだ使えるわよ。


a5

サラは何を借りようか考えている。

うーん。場所取るけど、
使ったらすぐ返せばいいのね。
このかき氷の製造機を借りるわ。


a6

隣で、たまきとエリスが聞いていた。

借り手が現れたわよ。
私は周り灯篭にしようかな。


a7

サラとエリーゼは家に戻ってきた。

これ借りてきた。
氷も買ってきたから、
かき氷を作ろう。
シモーヌは食べたことないんだって。


a8

たまきは扇風機と蚊取り線香と
うちわを借りて、
一緒にスイカを買ってきた。


a9

早速スイカを切り分けている。

一度にそんなに切っちゃうの?

お裾分けに持っていくのよ。


a10

サラたちが、
かき氷を作って食べていると、
たまきがスイカを持ってやってきた。


a11

これはお裾分けよ。

ありがと。
あ、かき氷食べて行かない?

やったね。
と思っている。



解説)
続きます。
Posted at 19:21 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Jul 04, 2026

夏の準備

a1

みんなテラスに戻って話している。

あの恐竜の子供、飼い慣らしたんですか?

人懐っこい性格みたい。
中にはそういうのもいるのよ。


a2

母親が迎えに来たみたいね。


a3

見るもの聞くもの
驚くことばかりですが、
そろそろ社にもどらないと。
とケントが言っている。

それは残念ね。
また今度ゆっくりご案内するわ。


a4

シモーヌが呪文を唱え、
鏡の扉を開いて、サラたちは
現実世界に戻っていく。


a5

三人は、サラたちの部屋に戻って来た。

ここはいつも変わらないので
ホッとするわ。
食べてるものまで変わらない。
時間が止まってたみたいね。
とシモーヌが言っている。

そんなことはないです。
と誰かの声がした。


a6

今回はどこに行ってたの?
とメアリーが尋ねている。

ケントさんにマルテに会ってもらって、
ついでにケントさんを
忘れられた夢の世界に案内していたのよ。
雪景色と砂漠の景色を見てもらったの。

こっちでは、ようやく夏至を過ぎたし、
いよいよ夏到来ね。
さっき広場のアナウンスがあって、
ドルフィンで、夏物の備品のレンタルを
始めたって言ってたわ。


a7

広場では、夏物のレンタルと、
七夕の飾り付けが始まっていた。


a8

ドルフィンのマスターは
七夕用の笹の飾り付けをしている。
すずが喜んでいる。


a9

ドルフィンの倉庫に保管されていた、
昆虫採集用の捕虫網や虫籠、
うちわや各種蚊取り線香、
金魚鉢や虫除けスプレーなどが、
レンタルに提供されている。
近辺住民の各家庭で、
必要なものを借りていくことが
できるのだった。


a10

たまきやエリスが物色に来ていた。

周り灯篭や、扇風機、
かき氷機やソフトクリームメーカーも
あるのね。

迷っちゃうわね。
ソフトクリーム食べたいけど、
置き場所が。

誰か借りた人に、
作って貰えばいいんですよ。
とボニーが言っている。



解説)
続きます。
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Jul 03, 2026

砂漠の散歩

a1

サラたちに合流したツナたちは
ケントから聞く現実世界の話で
盛り上がっている。

向こうでは、
もうすぐ梅雨が明けるのね。
四季のある生活が懐かしいわ。


a2

ここは常夏ね。
見どころといえば、
砂丘の他には、
大きな池くらいかしら。

ケントさん。
近くだから私が池に案内するわ。
水を飲みに来る
恐竜が見られるかも。
ついでにお水を汲んできましょう。
と、ツナが言った。


a3

ツナとケントとサラが、
池まで散歩に出かけた。
サラはやかんを手にしている。


a4

見事な景観ですね。
うっすらと緑地が見えますが。
それに足跡が続いている。

あれは恐竜の足跡。
あそこにオアシスのような池があるのよ。


a5

三人は、池にたどり着いた。


a6

この池はそんなに古いものじゃないの。
セリーヌは、この池ができてから、
水分補給がずいぶん楽になったって言ってた。


a7

対岸に恐竜の姿が見えた。
水を飲みにきたようだ。
ケントは驚いている。

あれは本物ですか。
ジェラシックパークみたいですねえ。

あれはパキケファロサウルスっていう
草食恐竜よ。


a8

砂漠の家では、
シモーヌたちが話していた。

あなたたち、
ずっとここで砂漠を探索してるんでしょう。
何か新しい発見はあった?

しばらく前のことだけど、
砂嵐のあった後の砂漠で巨大な骨を見かけたわ。
恐竜のものだと思ったら、
なんと霊長類の頭蓋骨みたいだったの。
次の日にツナと確かめにいったら、
もう砂に埋もれたみたいで、探しても見つからなかった。
とナディアが言った。

巨人がいたっていうこと?

もし夢食いだったら、死んだら
姿が消えてしまうはずだから、
夢くいのモンスターじゃないわね。
とセリーヌが言った。


a9

しばらくして、
サラたちが散歩から戻ってきた。
ツナは恐竜の子供に乗っている。

お水汲んできたわよ。
とサラが言っている。



解説)
続きます。
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Jul 02, 2026

ケントを案内する

a1

トロンはサラたちが来たので喜んでいる。


a2

ここはいつも雪景色ね。
私たち、ケントさんを案内してるのよ。


a3

へー、ケントさんの新聞社で
マルテの本を出版するんですか。
僕も読みたいなあ。

トロンは文字が読めるの?
とサラが尋ねた。

もちろん読めますよ。
子供のみる夢の中で、
絵本を読んでほしいって
せがまれることもあるんです。


a4

シモーヌは鏡の扉に向かって
呪文を唱えている。

次はどこに向かうの?

フミコたちのいる、
みすずの家が安心安全だけど、
どうせなら変わった景色の場所に。
とシモーヌが言った。


a5

三人が抜けてきたのは、
砂漠の中の家の屋内だった。

セリーヌとラルゴが、
ちょっと驚いている。

ようこそ。
ツナとナディアは出かけてるけど、
すぐ戻ると思うわ。
とセリーヌが言った。


a6

三人はテラスで
お茶をご馳走になっている。

この前はご苦労様。
あなたは負傷したでしょう。
傷の具合はどう?

すっかりよくなったわ。
フミコさんの回復魔法で。
ああいうのはヒーラーっていうのかしら。

あの人は攻撃魔法も得意だし、
なんでもできるみたいね。
太古の魔族はちょっと違う。


a7

立ち上がって周囲の風景を眺めていた
ケントが声を上げた。

バイクが走ってきましたよ。

ああ、あれは、ツナとナディアですよ。
砂漠の巡回から戻ってきたんでしょう。
とラルゴが言った。

あの二人相変わらず元気なのね。


a8

ラルゴは早速、車庫に降りて行って、
戻ってきた二人に声をかけている。

ふーん。
サラとシモーヌに、
ケントっていう人?


a9

二人は2階のテラスに行った。

おかえり。
サラたちがきてるわよ。
ケントさんは、
ここに来たの初めてだって。
と、セリーヌが言った。

現実世界からの人間のお客様か。
サラやシモーヌと一緒だってことは、
何かわけがあるんでしょうけど、
ここには砂漠しかないわよ。
とツナが言った。

それで十分。
白銀の世界から砂漠の世界へ、
っていう変化が面白いでしょ。

それはもう。
とケントが言った。



解説)続きます。
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Jul 01, 2026

コンテストの優勝者の発表

a1

広場は今日も賑わっていた。
珍しく舞が靴を履き替えている。


a2

それって上履きじゃないの?

軽くて履きやすいのよ。
ゴムが赤くて統一感があって
おしゃれでしょ。


a3

今日は月初め。
コスプレコンテストの優勝者の選考は
いつもながら難航していた。


a4

先月も新しい参加登録者がいなかったから、
また常連の住民たちの中から選びましょう。
まだ優勝したことのない人で、
すぐに来られる人。
と、マンスフィールドさんが言っている。


a5

マンゴー亭では、
レイチェルとエトナが話していた。

ふーん。
夢食いモンスターの集団と
そんな戦いがあったの。

なにしろモンスターの数が多くてね。
格闘になる前に銃で倒さないと、
かなり危険なのよ。
それでドロレスが負傷して、
今研究所で治療中なの。

呼んでくれたら、
私も加勢に行ったのに。


a6

その時、ルビーのアナウンスが始まった。

みなさん。
6月のコスプレコンテストの
優勝者を発表します。
厳正中立な審査の結果、
優勝したのは
シックなラバースーツ姿の
レイチェルさんです。


a7

え、私が優勝したの?
ずっとバーボンハウスにいて、
久しぶりに帰ってきたばかりなのに。

最近、選考に苦労してるみたいね。
とエトナが言った。


a8

レイチェルは、
万雷の拍手と歓声に包まれて、
トロフィを授与されている。


a9

マンネリだと思ってたけど、
自分がもらうと、やっぱり嬉しいわね。

そうでしょ。
それで続けてるのよ。



解説)
続きます。
Posted at 19:34 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Jun 30, 2026

マルテと会う

a1

斜面を登り切ると、
大トカゲに出会った。

森にいなかったわね。

マルテさんと話し込んでいたんです。
この前、洞窟に避難して以来、
お友達にになりまして。


a2

ここがマルテの住処よ。


a3

こんにちわ。
シモーヌ様。
マルテさんがお待ちですよ。
と福郎が言った。


a4

草稿の出版は決まったのか。

それで出版してくれる
新聞社の人をお呼びしたのよ。

面会はしたくないと言ったじゃないか。

匿名で出版してもいいから、
どうしても著者がいることを確認したいって
いう意向だったの。

は、初めまして。
ケントと言います。


a5

草稿を拝見しました。
非常に貴重な情報が満載で驚きましたが、
本物の火星人の方だったとは。

まあそういうことだ。

それで達筆すぎて、
判読不可能な箇所がいくつかありまして。

人間の文字を書くのは苦手なんだよ。

急な話だったので、
草稿は会社に置いてきてしまったんですが。

読めない箇所は、適当に想像で
書き直してくれて構わないよ。


a6

ケントさん、
そこに椅子があるの?

どうもそうらしい。

これで著者が実在することが
確認できたわね。
これからどうしましょう。

ケントさんは私たちの夢の世界に
来たのは初めての体験でしょう。
いい機会だから、
「忘れられた夢の世界」にも
ご案内したらどうかしら。

そこはまた別の世界なんですか?

そこには太古の恐竜がいるのよ。

洞窟の出入り口は
開いたままですから、
すぐに行けますよ。
と福郎が言った。


a7

三人は、「忘れられた夢の世界」の
東の果ての雪山に抜けてきた。

最近ちょっと思うんだけど、
手抜き風の風景画像が多くない?

そんなことないよ、
と風のような声がした。


a8

ここもまた絶景ですなあ。
いつかみた夢のようだ。
とケントが言っている。

だから夢なんですよ。


a9

トロンの家はすぐ近くにある。

あ、トロンがいるわよ。

あの緑色のが恐竜なんすか。
随分小さいようですが。
とケントが言った。

トロンは恐竜じゃなくて、夢食いなの。
おもちゃの恐竜の姿をして、
子供のみる夢に出てくるのよ。
今はあそこで暮らしてる。



解説)
続きます。
Posted at 19:12 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Jun 29, 2026

ケントを案内する

a1

クモスケが、シェルの中から
這い出してきた。

実はね。クモスケが、
この常春の国に住みたいって言ってるの。
とシノが言った。

もう侵略しませんから、
よろしくお願いします。

ふーん。
一人で島抜けしてきたのね。

その言い方は。


a2

シノ、腕に這わせて大丈夫なの?
とサラが言っている。

ええ、シェルの中に匿っていたから、
慣れっこよ。

精霊たちと仲良くしてくれるなら
住んでも構わないわよ。
住所不定だとみんなが不安がるから、
住処を決めてあげないと。
とシモーヌが言った。


a3

クモスケの住処はこの彫像にしましょう。

クモスケは彫像に飛び移った。

いいんでしょうか。
この中にはアスラーダが封印されているんでしょう。

そうなのよ。
だから彫像の番人になってね。


a4

片目の窪みが空洞に繋がっているの。

ありがとうございます。
ここは、住み心地が良さそうです。

よかったわね。
私フクロウたちに、
クモスケが住人になったことを
伝えてくる。
とシノが言った。


a5

驚くことばかりです。
庭園といい西欧風のお城といい、
夢の世界のようじゃないですか。
とケントが言っている。

だから夢の世界なのよ。


a6

三人はお花畑までやって来た。

あれは巨大なカマキリですね。
とケントが言っている。

そうなの、正確には
カマキリのフィギアに宿っていた精霊。
この世界には、そんな精霊たちばかりが
住んでいるのよ。
さっきの蜘蛛みたいに、
例外もあるけれど。
とシモーヌが解説している。


a7

ここはまた絶景ですねえ。
絵葉書にできそうだ。
とケントは言っている。

山紫水明でしょう。
マルテがいるのはあの山の方よ。


a8

ここはまた
鬱蒼とした森ですね。

大トカゲが寝ているはずだけど、
今日は見かけなかったわ。


a9

ここ登っていくんですか。

そうよ。
登ったら洞窟まですぐだから。



解説)
続きます。
Posted at 19:12 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Jun 28, 2026

クモスケのことなど

a1

サラとケントが押し問答をしているときに、
フランスの店から帰ってきたシモーヌが
やってきた。

ここにいるって、メアリーから
聞いてきたの、
と言っている。


a2

著者のマルテに会いたいっていうのよ。
それが出版の条件なんですって。

それは理解できるけど。

そんなに固辞されるとは、
何か秘密があるんですか、

それがね。
あなたも魔族の方だから、
異世界のことは多少ご存知でしょうけど、
彼は今、異世界にいて、
本物の火星人なのよ。


a3

火星人があの草稿を書いたんですか。
それは大スクープですね。
しかしもちろん、
我がデイリープラネット紙では、
記事にしませんからご安心を。
しかし、ますます
ご当人にお会いしてみたくなりました。

わかりました。
マルテさんのところに
お連れします。

いいの?
とサラが言った。

冒険だけど、なんとかなるわよ。
とシモーヌが言った。


a4

その頃、常春の国の湖を
小さな葉っぱに乗ったクモスケが
漂っていた。


a5

やっと岸辺に着いたぞ。
風まかせなので時間がかかったなあ。
と言っている。


a6

草地を進んでいると、
散歩に来ていたシノとシエルに出会った。

あらら、クモスケじゃないの。
あなた、また一人で侵略に来たの?

そうじゃないんです。
晴れて自由の身になれたので、
クモコ様に願い出て、
お暇をもらってきたんです。

スパイでもないのね。
こっちの世界に住みたいの?

実はそうなんです。


a7

クモスケはシェルの中に入れてもらった。

でもそれはどうなのかしら。
私はこの常春の国の住人じゃないし、
フクロウたちがなんというか。
一応、お城に行って
みんなの承諾を得た方がいいと思うわ。
その前にアーキスに見つかったら、
侵略者として食べられちゃうわよ。


a8

最終的にはシモーヌの判断次第ね。
王様代理のオウルは
蜘蛛が好物だと言ってたし。

怖いこと言わないで
くださいよ。


a9

シノたちがお城の入り口につくと、
ちょうどサラたちが、
現実世界から鏡の扉を抜けて来て、
マルテのいる雪山の洞窟に
向かうところに遭遇した。

あ、グッドタイミング。
とシノが言っている。



解説)
続きます。
Posted at 19:09 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Jun 27, 2026

帰ってきたサラ

a1

一旦フランスのお店に戻るという
シモーヌと別れて、
サラは自室に帰ってきた。
ユリイカもついてきている。


a2

こっちの様子はどう?

平穏な日々よ。
本格的な梅雨入りで雨の日が多かったわ。


a3

君はここにいつくの?

お仲間がいますので。

お仲間とは、わしらのことかね。
と骸骨のお父さんが聞いている。


a4

サラがアイスコーヒーを飲んでいると、
ドロレスとレイチェルも帰ってきた。

どうしたの?

あの戦闘で、
ドロレスがモンスターに肩を噛まれちゃってね。
バーボンハウスから修理しに戻ってきたの。
本格的な修理はドロレスを作った
シェリー博士に頼まないと。


a5

スマホの呼び出し音が鳴って、
サラは通話している。


a6

だあれ?

新聞社のケントさんよ。
ちょうどマンゴー亭にきてるから、
会えないかって。


a7

サラは広場に出かけていった。
お待ちかねですよ。
とアンナに言われている。


a8

やあサラ。
呼び出してすまないね。
ちょうどこっちに来る用事があったんで。
とケントが言っている。


a9

用件はマルテの草稿の話だった。

文芸部の編集者にも読んでもらったんだが、
好評で、うちから出版できそうだよ。
ただ覆面作家という設定は構わないけれど、
著者の本人確認をして欲しいっていうんだ。
最近はAIでも本を書いちゃうからね。

ごもっともですけど、
マルテは会いたがらないと思うわ。

そこをなんとか。



解説)
続きます。
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Jun 26, 2026

幽霊たちの話

a1

こんにちは。
あなたたち、みんな
私に縁のある幽霊なの?
とエリーゼが言った。

僕はあなたの家で、
クッションに使われていた
犬のぬいぐるみの幽霊です。

私もそうよ。
でもエリーゼは赤ちゃんだったから
覚えてないでしょうけど。
と猫のぬいぐるみの幽霊が言った。

僕は人形のケイトがエリーゼのために
作った餃子の幽霊です。

縁があるって、
そういうのもありなのね。
とケイトが言った。


a2

アスラーダのことを聞きたいんですって?
エリーゼ。無理もないけど、
全然覚えていないのね。


a3

そうなのよ。
アスラーダは、
ここにいる魔族のシモーヌさんやお友達の力で
やっと眠らせることに成功したの。
ずっと付き纏われていたんだけど、
どうして私が狙われるようになったのか
覚えがないの。


a4

僕が教えて差し上げましょう。
と餃子の幽霊が言った。

アスラーダは人間だった時、
ケンちゃんと呼ばれる
エリーゼの家の近所の子供でした。
ケンちゃんはエリーゼが好きになったけど、
エリーゼは病気で死んでしまったんです。
ケンちゃんもそのショックで死んでしまいました。
ケンちゃんの魂は死んでからも
エリーゼの魂を追い求めているという話です。

私はケンちゃんっていう子、
覚えていないわ。
とエリーゼが言った。

片思いとはそういうものなんです。
と餃子の幽霊が言った。

あなたはどうして知っているの。

僕は人形のケイトが病気のエリーゼのために作って、
お裾分けで近所のケンちゃんにあげた
餃子だったんです。
誰も覚えていないと思いますけど。

そんなことあったっけ。
とケイトが言った。


a5

私たちは幽霊になってから、みんなバラバラ。
こうして呼ばれて出会うのも久しぶりね。
と猫のぬいぐるみの幽霊が言った。

そうそう。
アスラーダがエリーゼと一緒になれば、
幽冥界を支配できるって、
吹き込んだものがいたらしいよ。
と犬のぬいぐるみの幽霊が言った。

悪魔の囁きじゃないの?

幽冥界のどこかには、
ソウルイーターって呼ばれる連中もいるんですよ。
特別な魂が特別な魂を食べて強大になるんです。
ケンちゃんが亡くなってから
あんな姿になって、強い力を持ち、
アスラーダって呼ばれるようになったのは、
彼らの仕業かもしれない。
と犬のぬいぐるみの幽霊が言った。


a6

サラたちは、帰路についた。

私に縁のある幽霊っていうから、
お父さんやお母さんに会えるかと思ったのに、
見覚えのない幽霊たちだった。
とエリーゼが言っている。

こっちの都合で急に呼んでもらったからね。
向こうの都合もあるでしょうから。
それに、ご両親の思いは
きっと人形の精霊ケイトの中に宿っていて、
エリーゼを見守ってくれているのよ。
散歩ついでに沼を見に行かない?
とシビルが言った。


a7

この沼は火の精霊バーンのせいで、
島の火山が噴火した時、
水の精霊バルが大雨を降らせて
鎮火してくれた時にできた沼なのよ。

歴史があるのね。


a8

あれは草食恐竜。
おとなしいこの島の住民なの。
森林火災の後、フミコが森を再生したり、
彼らの傷を癒したりしたから、
私たちにも懐いている。

それも歴史なのね。


a9

一行はシビルの家に帰り着いた。
シビルは水晶玉に話しかけていたが、
交信が途絶えたようだ。

なんて言ってたの?

幽霊たちはエリーゼに会えて
とても喜んでいたって。
呼んでくれたら
また来たいって言ってたらしいわよ。

その気持ちわかりますよ。
幽霊って結構ひまなんです。
とユリイカが言った。

それはそうと、
アスラーダの素性が少しわかったわね。
生前近所に住んでいた子供だったっていうのは
驚きだったけど、エリーゼに恋して、
執着したあまり、亡くなってから、
ソウルイーターに変化しちゃったって
いうことかしら。

ソウルイーターがどんなものなのかも、
よくわからないわ。
それと、ケンちゃんに親族はいなかったのかしら。
この水晶玉にもっと情報を聞けないの?

この水晶玉は確かに霊界と仲介してくれるけれど、
いつもうまく行くとは限らないのよ。
宿っている精霊に直接聞くのは無理ね。
この水晶玉は、フミコによると、大昔の魔族が、
お天気占いに使っていたものらしいの。



解説)
続きます。
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Jun 25, 2026

シビルの住む島で

a1

サラたちは、
鏡の扉を使って「忘れられた夢の世界」の
シビルの家に現れた。

珍しいお客様ね。
とシビルに言われている。


a2

実は、シビルに幽霊たちを呼んでもらって、
話を聞きたいと思って、ここに来たのよ。
とサラが言った。

幽霊ならそこにいるんじゃない?
エリーゼもそうだし、
ガラス戸のところにいる、
イカみたいな姿の子もそうでしょう。

僕はユリイカって言います。
とユリイカが言った。

アスラーダっていう死霊のことが
知りたいのよ。
夢食いモンスターと一緒に、
エリーゼをさらいに、
常春の国を襲ってきて、
なんとか眠らせて封印したけれど、
彼の素性や噂が分かればと思って。

ふーん。
確かに私は死者の霊を呼び出して、
夢見る人を巫女に育てるのを
生業にしている夢食いだけど、
ここ数年は仕事をしていないの。
アスラーダという名前も聞いたことがないわ。

そうだ。
この前みすずの家に行った時、
ちょうど預けてあった水晶玉を
持ち帰ってきたばかり。
ちょっと呼びかけてみるわね。


a3

シビルは水晶玉に向かって呪文を唱え、
何やら話をしていたが、
やがて椅子から立ちあがって言った。

エリーゼに縁のある幽霊たちを
呼んでくれるって。
出てくる場所は、
幽霊をよく見かけるシダの森よ。
散歩がてら行ってみましょう。


a4

一行はシビルの家を出た。


a5

ここは火山の島。
この忘れられた夢の世界では、
北の果ての海にぽつんと浮かんでいる。
私は偶然ここに飛ばされてきて、
居心地が良くて住んでいるけれど、
どうしてこんな離れ小島が作られたのか謎なの。

夢を見たのはシモーヌのお婆さんでしょう。
とサラが言った。

祖母にとってはきっと何かの意味があったのよ。
とシモーヌが言った。

私が来たとき、あの家には、
火の精霊バーンの封印された水晶玉が置かれていた。
そのことと関係があるかもしれないわね。


a6

シビルの案内で一行は
島を散歩している。

島には草食恐竜もいるけど、
襲ってはこないから安全よ。


a7

静かでいいところね。
私のいた死後の世界の森に似ている。
とエリーゼが言った。

幽霊をよく見かけるのは、
シダの茂っているこのあたりよ。


a8

エリーゼ。
あそこにいるわ。

ほんとだ。
犬のぬいぐるみのお化けみたい。
なんだろ。なんとなく覚えがある。


a9

あそこにいるのもそうよ。
とエリーゼが言った。

理解不能な姿をしてるのもいる。
とサラが言った。

あれは餃子の幽霊ですよ。
とユリイカが言った。


a10


幽霊たちは、エリーゼに
引き寄せられるように近づいてきた。

犬と餃子と猫なのね。



解説)
続きます。
Posted at 19:49 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Jun 24, 2026

蜘蛛たちの島など

a1

シモーヌとサラは、
クモコとクモスケを連れて
小島の見える場所までやってきた。

あの小島はどうかしら、
あなたたちのために新しい世界を
作ってあげたいけど、
あなた方は侵略的な夢食いでしょう。
それはちょっと無理なの。

あの小島に住んでもいいんですか。


a2

一行は鏡の扉を使って
小島にやってきた。


a3

森に潜んで生き残っていた蜘蛛たちや、
異世界から遅れて引き寄せられてきた
夢食い蜘蛛たちが集まってきた。

ありがとうございます。
ここなら夢の世界と同じです。

小さな島だけど、
海が境界だと思えばいいのよ。
壺中天っていうでしょ。
鏡の扉は消しておくから、
頑張って理想郷を作ってね。


a4

二人は湖の岸辺に戻ってきた。
二人を見つけて飛んできたアーキスと
話している。

なんだと。
あの小島をくれてやったのか。
また侵略してくるかもしれないぞ。

そうしたくなったら、
姿を消して別の夢の世界に行くと思うわ。
ここには、あなたもいるし。

そ、そうだな。
力の差を見せつけてやったからな。


a5

二人はお城に戻った。

賑やかでしたが、
すっかり平穏を取り戻しましたな。


a6

アスラーダを魔法で呪縛して
眠らせたのには驚きました。
とソファにいたユリイカが言った。

彼のことを知ってるの?
とサラが尋ねた。

名前を噂で聞いたことはあります。
幽明界にも色々な世界があって、
アスラーダが住んでいたのは、
僕たちにとっては未知の世界。
彼は行き来することができるから、
エリーゼを探しているという
噂が広まっていたんです。


a7

アスラーダが呼んだ魔神みたいなモンスターも、
そういう世界から来たのかもしれないわね。
攻撃魔法に耐性があるなんて、
あれはたぶん普通の夢食いじゃないわ。
と、シモーヌが言った。

a8

ちょっと気になるなあ。
噂を聞いた幽霊たちに、アスラーダのこと、
もっと詳しく教えてもらえないかしら。
とサラが言った。

仲間は簡単には呼べないんですよ。
それに、呼び出すには、
それなりの場所やきっかけが必要なんです。

幽霊が好みそうな場所ねー。
そうだ。
あそこなら。
とサラが言った。


a9

どこに行くんですか。

シビルの住んでいる島。シビルには、
エリーゼもみすずの家で会ったことがあるでしょ。
彼女は特殊な夢食いなの。

ああ、生前私の夢に入ったことがあるって言ってた。
あの方なら呼べるかもしれないわね。

私たちは留守番してる。
とシノが言った。



解説)
続きます。
Posted at 19:33 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
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