Oct 22, 2025
シベールとの会話

広場は賑わっていた。

アイスはシベールを案内して、
バー・デジャに向かった。

今、店に入ったトカゲ頭の人、
どうも変です。
生体反応はあるんですが、
体は金属製のようで。
とフェルミが言っている。
ちょっと訳を聞いてみるか。
シティポリスたちがバー・デジャに入ろうとして、
ヨシフに制止されている。
ポリスは入店お断りなんです。
そんな君。
我々はシティポリスだぞ。
決まりですから。
そばで見ていた翠が声をかけた。

シベールさんは私の友人で、
レプティリアンオタクの仲間なんですよ。
怪しいものじゃありません。
トカゲの被り物と、
体はロボットの扮装をしているんです。
しかし、なぜそんな
ややこしいことを。
そこが趣味なんですよ。

店に入ったシベールたちは、
早速ヴィヴィアンと話している。
君がヴィヴィアンか。
随分探したんだ。
ずっと忘れられた夢の世界に行ってたからね。
あなたが私に会いたがってるという話は、
聞いていたわ。
それで何のご用?

ふむ。
君が頭蓋骨から魔法でフミコを蘇生させた
という話を聞いていてね。
その呪力の秘密を教えてほしいと思ったのさ。
君は元魔族で、今は悪魔だそうだが、
どうやってそんな能力を身につけたんだい。

私はアイスから聞いた呪文を唱えただけよ。
自分の能力がどれだけあるのかは知らない。
ただ、悪魔になったと言われた時から、
いろんな呪文が使えるようになったの。
悪魔になったと誰に言われたんだい。
管理局の局長よ。

ふむ。
管理局が絡んでいるのか。
これは迂闊なことはできないな。
私が解説すると。
とアイスが言った。
シベールたちレプティリアンは、
古代から地球に来ていて、
かっては魔族と交流があったの。
シベールはその頃からずっと生きている。
レプティリアンはもともと長寿な種族だけど、
何千年も寿命がある訳じゃない。
彼は自分の体のほとんどを機械に変えることで、
これまで生きながらえてきたのよ。
それで彼の関心は不老不死の方法。
もし魔族に伝わる蘇生の呪法がわかれば、
永遠の命を手に入れられる。
そう考えてヴィヴィアンに会いたかったんでしょ。
よくあるSFのような話だが、
まあそんなところだな。
しかし、ヴィヴィアン。
君の呪力の源泉が、君を悪魔と名付けた
管理局の意向と関係するなら、
話はちょっと別になる。
あいつらは別の宇宙から来た連中だ。
不老不死の呪力の秘密も別の宇宙から
もたらされたことになる。

私は管理局のことはよく知らないけど、
確かに局長に悪魔になったと告知されてから、
魔力が増大したのは確かなこと。
管理局が蘇生の呪力を私に授けたというなら、
局長に会って、直接その方法を
聞いたらいいんじゃない?
とヴィヴィアンが言った。
局長なら毎年春になると
この町に遊びに来るわよ。
とアンジーが言った。
管理局の職員は、局長も含め、
銀河系宇宙の様々な惑星から集められた者たちだ。
たぶん彼らに聞いても何も知らないだろう。
その上の連中は、進化の途上にある生物に
神話を与えたりする。
そういうことを教えてくれるような
関係じゃないんだよ。
とシベールは言った。
それは残念ね。
解説)
続きます。
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